春のアトリエ
1.私と春のアトリエ
実は、私自身が「春のアトリエ」を知ったのは、自分が中学生の頃。中学時代から「Tokyo Cantat」に通い詰めていた私は、Tokyo Cantatのプログラムの後ろに載っていた広告で「春のアトリエ」というものを知り、「大学生になったら参加するんだ~」と考えていたことを未だに覚えています。
それから月日が経ち、今では合唱団ゆうかに所属し、藤井宏樹先生の指揮で歌わせていただけている日々です。大学一年生の春はコロナの関係でアトリエ自体が中止、大学二年生の時はタイミングが合わず泣く泣く不参加となってしまいました。完全な形での開催ではなかったものの、実に六年越しの夢がかなった今回のアトリエ参加でした。
ちなみに、今回私は、寺島陸也さんのリサイタルは予定が合わず、不参加となってしまいましたが、その他は参加させていただき、指揮法は聴講させていただきました。
2.一日目
1.野本先生の部屋
発声練習から野本先生がしてくださったのですが、その声がもうかっこよすぎて、その時点でめちゃめちゃに聞き惚れていました…。🥰
個人的にとてつもなく勉強になったのは「高音で目を見開くのはよろしくない」という部分でした。確かに、よくよく考えれば、緊張状態で高音なんて出るはずがなく、少しでも緊張状態を強いるようなことは控えた方がいいんです…。それなのに、癖で引っ張り上げようとしてしまうのは確かに辞めた方がいいなと気づきました…。🙄
それからは言ってくださった通りなるべく「しかめっ面」になるように意識していますが、気付くと目を見開いている自分がいます…。長年の意識の変革は( ˘•ω•˘ ;)ムズカシイ…ですね…。
2.片山みゆき先生の部屋
個人的に一番楽しみにしていた講座で、今回いちばん「受講してよかった講座」でもありました!
絵心がなく、線を書くこと自体苦手な私。「きれいなキロノミ―曲線」が書けるか不安でしたが、片山先生のすごすぎる資料のおかげでしっかり書けました!しかも、キロノミ―曲線を動かしていくだけで今まで曖昧だった「アルシス」「テーシス」の理解が深まり、心の中で大興奮でした!
私自身、フレージングの話になると、正解って何だろうと考えてしまって、考えを表に出すことを躊躇してしまうことも多いのですが、「人によって違ってもいい」と言ってくださったり、「いくらでも悩めばいい」という言葉を講座中たくさんかけてくださったので、気負いせず楽しむことが出来ました!
私は「二重アルシス」?って言えばいいのかな…。アルシスが続く時に図形が迷子になるので、研究しようと思います…。🙄
3.寺島陸也先生の部屋
「つぶてソング」は知ってるけどそれしか知らない…な私にとって「歌って理解する」今回の講座は結構勉強になりました!
特に、「みるく湯がやゆら」が大好きなので、萩京子さんの曲にたくさん触れることが出来たのは、大きな収穫でした。
一言でソングと言っても、曲調は明るいのに考えさせられる歌詞のものや、曲調、歌詞のどちらもから何か訴えがにじみ出ているもの、劇中歌として作られ、単体だと面白くて笑ってしまいそうになるものまで多種多様ですごく楽しかったです。さらに知識を増やしたくなりました!
3.二日目
1.藤井宏樹先生の部屋
初級から上級まですべて勉強になりましたが、初級が一番、目から鱗でした!
初級の課題は割と単純なメロディーですが、だからこそなのか、振り方が少し変わっただけで、音楽が変化していくのが印象的でした。
「心の先に歌があり、その歌が手に伝わって指揮となる」は、藤井先生の指揮で歌わせていただいている身として覚えておきたい言葉になりました!
上級ではよくTwitterで拝見しているささじゅんさんの指揮を拝見することが出来て嬉しかったのがまず一つ。そして、音楽との向き合い方を、作曲家を知らなければできない解釈を、西洋史を勉強する必要性を、改めて突き付けられたように感じました。
まだ、音楽大学という場所にいさせてもらえている身なので、つけられる知識を大学で全力で身に付けたいと思います。
2.松村努先生の部屋
譜持ちの時、自分が指揮から読み取っている情報がどれほど少ないかを痛感。合唱団から出てくる指摘に、「皆さんが普段どんなことに気を付けて指揮を見ているのか」を知ることが出来る良い機会となりました。
また、松村先生が始まる前におっしゃっていた「リハーサルのポイント」は、練習進行をする身として常に心に留めておきたいと思う言葉の連続で、メモが宝物になりました。
3.佐藤望先生の部屋
「作曲家との対話」をテーマにおいた今回の講義でしたが、すごく考えることが多かったです…。
「なぜこの作曲家はここに音を置いたのか」「この時代におけるこの音楽の意味は何なのか」常に考えなくてはいけないものの、中々向き合う時間を取ることが出来ないままで放置してしまっている疑問たちに改めて向き合うべきだと考えた時間でした。
まとめ的なもの
現代はYoutubeを見れば模範演奏が掲載されている時代です。
でも、だからこそ、原点に立ち返り、楽譜から音楽を読み取り、まず自分の中でできる楽譜の再現を全力でして、指揮者の音楽とすり合わせ、時には一人の音楽家として指揮者と議論しながら音楽を完成させていくプロセスが大切であり、必要であることに今回気付かされたように思います。
ありがたいことに、樹の会の方々や、元栗友会でありわせ女の指揮者である山脇さん、レッスンや授業を担当してくださる東京音大の先生方等、私の周りには多くの「音楽の大先輩方」がいてくださり、それに加えて、藤井先生の指揮で歌うことができる環境にいます。
我ながら、贅沢な環境だと思います。たくさん学ぼうと思います。
たくさんの経験をして、もっともっと深い音楽の、合唱の沼にはまっていきたいです。
今回、春のアトリエで出会ってくださった皆さん、春のアトリエを開催してくださった音楽樹の皆様、本当にありがとうございました!
来年は合宿形式に戻り、もっと多くの方に出会えることを楽しみに、1年間修行しようと思います😊