Tokyo Cantat 2023
1.私とTokyo Cantat
私が「Tokyo Cantat」というイベントを初めて知ったのは、(自分でもびっくり)なんと10年前。
当時中学一年生で、難しい合唱曲とか何も知らない中で、それでも越境して合唱部に行くくらいは合唱好きだった私。
なんだか、GWにヴォイストレーナーの雨宮昌子さんが出演される大きな合唱イベントがあるらしい。とのことで、何もわからないまま、すみだトリフォニーに向かってみたのが全ての始まり。
…実は、そのころの記憶(特に中1,中2の頃)ってあんまりない。でも、「こんなに多くの人が合唱をしているんだ!」という感動。そして、「大学生になったらここに出演できる合唱団に入る!」と中学生ながら思っていたことだけは覚えている。
それから早いもので8~9年ほどの月日が経ち、
大学一年生から樹の会に入らせてもらっていたのに、コロナ禍などで自分自身も思うように合唱活動ができず…。
気づけば、これが初めて「本格的に関わらせてもらうTokyo Cantat」となった。
2.練習
とはいえ、今回自分のスケジュール管理and体調管理がうまくいかず、樹の会の方々にたくさんのご迷惑をおかけしてしまいました…大反省です。
ただ、今回、樹の会の練習に参加させてもらったことで、樹の会の皆さんがCantatにかける思いや、取り組み方、向き合い方などを身近で体感することが出来た。
そして、私自身がオンステさせてらもらった「カレッジ・ユースクワイア」と「2023公募合唱団」。どちらに関してもかなり大変ではあったが、すごく大きな学びがたくさんあった。
Ⅰ.カレッジ・ユースクワイア
「春のアトリエ🌸」で知り合ったメンバーで、「カレッジユース参加します~」って人が何人かいたので、めっちゃ楽しみだったこの合唱団。
ドイツ語は正直初心者レベルで不安だったけれど、谷さんがいらして安心…。同じパートだったのもあり、本番までの間、谷さんの声にめっちゃ助けていただきました…。
今回演奏した曲はすべてが歌曲から編曲されたもので、模範演奏があまりなく、練習の度に新たな発見があり、とても楽しかったです。
また、かなり限られた時間の中で、同年代の方々とほぼ一から音楽を作り上げる経験は、普段の合唱活動だけでは中々体験できるものではなく、良い経験でした。
Ⅱ.2023公募合唱団
こちらは正直、個人的に悔いが残るものとなりました。
事前練習の時点で、あまり参加できず…どうしても残る申し訳なさ…。
公開リハーサル一回目の時に、オルトナーの熱い指導に、「もっと頑張らなきゃだめだ…」と気づき、自分の甘さに落ち込むと共に、次のリハまでの課題をたくさん見つけ、気が引き締まりました。
3.公開リハーサル
自分がいかに音楽について、指揮者の指示について、考えを深められていないか、を痛感した日々でした。
例えば、ベルニウスさんがリハーサル期間中しきりにおっしゃっていたのが、「Legato/Tenuto」。
対して、オルトナーさんがしきりにおっしゃっていたのは「Non legato」。
そして、その二人の指摘がそのまま受け取ると正反対ということに気づいたのは谷さんのツイート。
同じリハーサルを受けていた(公募の2団体はどちらも谷さんと同じだった)のに自分は気づくことが出来なかった…。
経験値の違いもあるかもしれませんが、私自身がその曲単体のこととして考え、音楽全般のこととして落とし込めていなかったことに、かなり落ち込みました…。
もちろん、それぞれが担当する曲の特性、作曲家の違いなどもあるとは思います。それでも、やはり、両指揮者の音楽作りはかなり異なり、今回それぞれのリハーサルを体験できたのはすごく貴重な機会でした。
Ⅰ.ベルニウスリハ
今回、カレッジユースクワイアを指揮してくださったのが、フリーダー・ベルニウス。
ドイツ語の発音や、テキストの意味をひとつひとつ確認しながら、各パートの旋律の動きを全体の動きと照らし合わせながら、丁寧に積み上げていく。そんな合わせだったように思います。
特にソプラノは「Sing!」と指摘を受けることも多かったのですが、その言葉が出ると、私を含むみんなの緊張がほどけていって、声が変わっていくのが実はすごく好きでした。
ベルニウスのアウフタクトだけを見て入るとテンポが速くなってしまうという指摘を周りからうけ、指揮だけを見ていればテンポがそろうわけじゃないというのも大きな気づきになりました。(冷静に考えれば当たり前のこと。)
Ⅱ.オルトナーリハ
最終的に私がオルトナーに抱いた感想は、怖いけれど、ついていきたくなる指揮者って感じ。(何様だよって感じですみません。)
今回、2023公募合唱団を指揮してくださったのがエルヴィン・オルトナー。
リハーサルではめちゃめちゃ名指し!楽譜ばかり見ていてオルトナーの方を見ることが出来ていないと、めっちゃ目が合う。
それだけではなく、エネルギーがすごい。
持っていきたいフレーズ感がしっかりしており、できるまで何度も何度も。妥協は一切なく、本気で突っ込んでくださるし、ダメなことは叱ってくださる。
(私なんかが言えることではありませんが、)音楽と、合唱団に対しての愛情がすごい方だと感じました。
そして、ホールリハの際におっしゃった「私はあなた方を家族だと思っています。」が本気の、心からの言葉であることがリハーサルを共にするだけで伝わってくる。そんな、本当に素敵な方でした。
そして、樹の会や栗友会の先輩方がたくさんいらっしゃる中、大ホールリハ終わりにオルトナーにプレゼントをお渡しする係を仰せつかりました。(。ŏ﹏ŏ)
二人いる中で私は服をオルトナーにお渡しし、着てもらうという大役。
まず、学生が渡すという説明の時点で嬉しそうなオルトナー。
長身のオルトナーに頑張って着せていたら、なんとそのままハグ…。井上、思考停止。オルトナー、めっちゃ大きいし紳士だし、(ó﹏ò。)ウゥゥ。
…こんな幸せあっていいのでしょうか。
わたしを指名してくださった横山琢哉さん、本当にありがとうございました!
4.本番
Ⅰ.自分の本番
正直、本番はほとんど覚えていません!
どちらの本番も必死でした。
私が今回乗ったのはどちらも公募合唱団。
本番が終わればその団は解散。カレッジユース…めちゃくちゃさみしかった…。
普段中々同年代が集まることもないので(少なくとも私自身はゆうかにいるだけではあまり同年代とのかかわりはない)めっちゃさみしかった…。
2023…。本番は何とかうまくいったはず…。
オルトナーがすごくうれしそうだったのがすごく印象的でした。
Ⅱ.ちょっとずれてしまうけれど…
どの部分で書けばいいか分からず、ここで書かせてほしい。
ホグセットさんのこと。
わたしがホグセットさんに直接お会いしたのはたった一回。
中学2年で出演した「コロ・フェスタ川越」
そこにホグセットさんはオスロ大学男声合唱団を率いてやってきてた。…びっくり。
ずっとビデオであの倍音のやつ見てたもん。本人…?
で、前夜祭に出させてもらってサインをせがみに行った私たちにサインを書きながら言ってた言葉。
「いつか君たちと一緒に演奏できたらいいね」
きっとホグセットさんの頭の中には「Tokyo Cantatカレッジクワイア」があったんだろう。その次の年のCantatを見に行ってそれに気付いて、参加するの楽しみにしてた。
オルトナーがホグセットメモリアルのリハで「きっとカールは見てるよ」って言った時、涙があふれて止まらなくて、「あぁ、私ホグセットさんの指揮で歌いたかったんだなぁ」って気づいた。
一度でいいからホグセットさんの指揮で歌ってみたかった。
(番外編)スタッフとして
今回、私は樹の会の一員として、
「指揮者コンクール」「やまとうたの血脈」にて、スタッフをさせてもらいました!
Ⅰ.指揮者コンクール
指揮者コンクールでは、スタッフをしつつですが、普段ゆうかで一緒に歌わせてもらっている方々や谷さんがEnsemblePVDとして歌っていらっしゃる姿を見ることが出来て嬉しかったです。
コンテスタントの皆さんがすごくまぶしく見えると共に、それらの運営の一端を担わせてもらっていることにうれしくなりながらのお仕事でした!
Ⅱ.やまとうたの血脈
こちらでは、午前中に楽屋口スタッフ、夕方からはプログラム販売スタッフとしてお手伝いさせてもらいました!
まず、楽屋口スタッフ。
(知ってはいたけど、)フリューゲルの知り合い何人かと会って一人で爆笑🤣。
まっしーに思わず「あ、まっしー…」って言っちゃったし(笑)
その他にも、「あ、Twitterで見かけたことある~」みたいな方も何人かいらして、「ツイ廃合唱オタク」の私は大歓喜。⸜(*ˊᗜˋ*)⸝
そして、一番大変だったのがプログラム販売…。
めっっっちゃ大変でした。
何よりもお釣りの100円がない。
(800円だったので200円のお釣りの方が多数。)
ひっきりなしにお客さんがいらしてくださることもあり、私たちは売り場から動けず…。
音楽樹の方々に何とか100円を作っていただき、それがすぐになくなり、また100円のお釣りを作っていただき…の繰り返し。
しかも、開演前だけではなく、休憩も休む暇がないほどの盛況ぶり。持ってきていたプログラムが9割なくなって、音楽樹の方々も驚いていたので、かなりの売れ行きだったご様子。
それを二人だけでさばいた私たち頑張った…。
5.Special Thanks
まずは、今回のTokyo Cantatを海外講師の招聘など、ほぼほぼ完全な形で開催してくださった音楽樹幹部の方をはじめとする運営の皆様、本当にありがとうございました。
コロナ禍があり、公募合唱団という形がかなり厳しくなり、そんな中で、今回公募合唱団が出来たこと。コロナが5類に移行する中で、ある意味復活の演奏会になったこと。
大学一年生からコロナで全てが奪われ、声楽専攻や合唱をする者が悪者かのように扱われた時代を経て、今回このイベントが完全な形でできたこと、本当に嬉しかったです。
そして、指揮コンだけでなく、やまとうたのあの大変なプログラム販売を一緒に乗り越えてくれた栗友会のruriちゃん。
まじで、あの時大変すぎて脳死状態だったから、一緒にやってくれたのが同年代でありがたすぎたし、あのタイミングからたくさん話せて、並びも隣になってそこでもたくさん話せてめっちゃ嬉しかった!
ただ、本番前にTwitterの昔の写真の話されたのは恥ずかしすぎた…。(。ŏ﹏ŏ)うぅ…
まさか群像の時のあの写真で認知されてたとは…
本番の後、ここで関わりがなくなるのもったいなすぎてめっちゃしゃべったよね。そしたら、星のまたたきだったのびっくりし過ぎて爆笑しちゃった…。
こうやってつながりの輪が広がっていくのが最高に合唱だったし、これからの栗友会、樹の会合同で関わるイベントがさらに楽しみになった!ほんと、ありがとう。これからよろしく🙇🏻♀️⸒⸒
(Cantatを境に一度休団しているものの、)
ゆうかに所属させてもらっているため、
これからもTokyo Cantatに関わると思う。
今年経験したこと、これから先のCantatで経験すること、全てが将来につながり、自分の音楽の糧になるはず。本当に貴重な経験をありがとうございました❣️
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