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審査制の写真投稿サイト1X(ワンエックス)って?

SNSで「写真が1XでPublishされました!」といったフォトグラファーの喜びの投稿を見かけることがあるかと思います。

私もこの1Xの会員になっており、1Xでの写真掲載枚数はこの記事を書いている時点で200枚を超えました。

これまでポートレートモデルを務めてくださった方々を始め、撮影にご協力いただいた皆様に深く感謝申し上げます🙇

といっても、ほとんどの人にとっては、
「1X? なんて読むの? ていうかなにそれ?」
ですよね笑

1X(ワンエックス)は、世界最高レベルの難度といわれる審査制の写真投稿サイト。

この記事では、1Xを知らない人に向け、1Xの紹介をしたいと思います。


1X(ワンエックス)って?

1X(ワンエックス)は、世界最高のファインアート写真を一か所に集めるというビジョンを掲げて北欧スウェーデンで設立された、審査制の写真投稿サイト。

世界最高レベルの難度といわれる審査を通過した作品だけが1Xのギャラリーに展示されます。

公式によれば、これまで約130か国から約16,000人のフォトグラファーが1Xに作品を投稿してきました。

ちなみにこの記事を書いている時点での1Xの会員数は約5,800人。
日本からも700人超のフォトグラファーが登録しています。

ファインアート写真のコレクションを標榜しているだけあって、1Xに展示されている作品は全体的にアート色が強く、コントラストが高いモノクロの建築写真や、息を呑むような美しい風景写真などジャンルは様々。

逆に、背景ボケボケでただモデルさんがにっこりしているようなポートレートは審査を通りにくいです(写真の良し悪しではなく、単に1Xが求めているテイストではないという意味)

1Xの作品認定には2つの段階あり、

  • 審査を通った作品にはPublishedの証明書

  • そのうち特に優秀と認められた作品にはAwardedの証明書

がそれぞれ発行されます。

1XでPublishされた作品の証明書
1XでAwardされた作品の証明書

1Xってどのぐらいすごいの?

世界最高レベルの難度といわれている1Xですが、1Xに写真が展示されるってどのぐらいすごいことなのか?

…残念ながらそのすごさを客観的に示すソースを見つけられませんでした💦

ということで、すごいかどうかは1Xのギャラリーに展示されている写真のレベルを見て判断してください🙇

というのが結論なのですが、それではあんまりなので笑、私なりにもう少し掘り下げてみたいと思います。


投稿された作品が1Xのギャラリーにふさわしいかどうか(Publishするかどうか)の審査は、主に1Xの会員の投票により行われます。

「会員同士で投票? それって信頼できるの?」と思った人もいるかと思います。

この点、ギャラリーをご覧のとおり1X会員のレベルは全般的に高く、また投票者にはそれが誰の作品なのか見えませんので、相応の審査が民主的かつ公平に行われているといって良いと思います。

こういった会員同士の善意の互助関係で成り立っているのが、1Xというコミュニティの特徴。例えばインスタのフィーチャーアカウントのように運営者個人が独断で作品を選ぶシステムではありません。

さらに、会員による審査を通過しPublishされたものから特に優秀な作品(Awarded)を選ぶのはヘッド・キュレーターと呼ばれる人達。

公式サイトによるとこのヘッド・キュレーターは、国際的な美術品オークション会社サザビーズやイギリスの美術館テートモダンなどでの経歴を有する専門家たち。

つまり、こういった鋭い目利きを持つ専門家に選ばれたAwarded作品は、国際的に見て優秀だと言って良いでしょう。

まとめると、

  • Publishされる作品は、レベルの高い1Xの会員たちによる公平な投票で選ばれるため、相応のクオリティが担保されているはず

  • さらにAwardされた作品は、鋭い目利きを持つ専門家により選ばれているため、アート性・作品性があり国際的に見て優秀

と言えます。ちょっと歯切れが悪いですけど。

なぜ1X(ワンエックス)に写真を投稿しているの?

ここまで1Xの紹介をしてきましたが、それでもやはり「作品が1XでAwardされました!」より「インスタで1万いいねもらいました!」のほうが分かりやすいですよね笑

「1X? そんなの誰もしらないでしょ笑」
「自慢にもならん」
たまにSNSでそんなエアリプも見かけますしね。

しかし私を含む1Xユーザーの多くは、そんなことは百も承知のうえで、それぞれにメリットを感じて利用しています。しているはずです。

ここからは、私がなぜ1Xに写真を投稿しているのか、どんなメリットを感じて1Xを利用しているのかをお話します。

1. 継続して写真活動していることの証明

1Xに写真を投稿している理由の1つ目は、継続して写真活動をしていることの証明として。

私は主にSNSでポートレートのモデルになってくださる方を募集しています。

でも、どこの誰かわからない、実績もないカメラマンの募集に応募するのは抵抗ありますよね。

ですので、モデル応募を考えている方に安心・信頼してもらえるよう、継続的に活動していることを示すことがとても大切だと考えています。

その点、1Xは有料かつ作品が掲載されるまでのハードルが高めですので、

  • それなりに写真への熱意をもって継続的に活動している

  • さらに一定以上のクオリティで写真を撮れる

といったことの証明になると考えています。

もちろんSNSでのフォロワー数、展示会開催、○○賞を受賞など、モデルさんに安心材料を示す方法はいくつもあると思います。

あくまでひとつの判断材料として。

2. 写真を批評してもらえる

1Xに写真を投稿している理由の2つ目は、写真を批評してもらえること。

1Xでは、会員同士がお互いの写真を批評しあったり、写真への造詣ぞうけいが深い専門家から批評やアドバイスをもらったりできます。

繰り返しになりますが、こういった会員同士の善意の互助関係が1Xというコミュニティの基盤。

そして、1X会員のみなさん遠慮がないです笑

寄せられる手厳しい批評から、自分の作品のどこが良かったのか、どこに改善の余地があるのかを学べるのは、写真を撮る者にとって大きなメリット。

時々「う~ん、ちょっと良くわからん…」というものもありますので、すべての批評を鵜呑みにする必要はありませんが、自分の写真を率直かつ厳しく批評してもらえる機会ってなかなかありませんからね。

3. 国際的な視点・感性に触れられる

1Xに投稿を続ける理由の3つ目は、国際的な視点・感性に触れられること。

1Xは国際的なコミュニティですので、海外のフォトグラファーの作品を鑑賞できるのはもちろん、異なる文化的背景や美的感覚をもとに自分の写真を批評してもらうことで、確実に視野・感性が広がります。

万国共通と感じることがある一方で、日本ではウケがいい手法が全く通用しなかったり。

以下、私の写真に寄せられた批評の中から、そんな異文化間の違いを感じるものをいくつか紹介します。

  • (あえて大きく白飛びさせたポートレートに対して)白飛びは世界基準だと「失敗」「技術が未熟」とみなされることが多い。日本人はよく白飛びさせてるけれど、別な方法でそのテーマを表現することもできるのでは?

  • 文章で説明されればこの写真の意図を理解できるけれど、文化的な背景を知らない人には写真を見せただけじゃ伝わらない。

  • (シャドー爆上げで青に振った「透明感」的ポートレートに対して)顔色がエイリアン。

また、日本で「ポートレート」といえば若くてキレイな女性の写真をイメージしますが、1Xには男性や老人がモデルの作品も多いという点にも文化の違いを感じます。

とは言っても全体的には女性ポートレートの割合が高いので、女性に美しさを感じるのはやはり万国共通のようですね。

4. 承認欲求を満たすため笑

1Xに投稿を続ける理由の最後は、承認欲求を満たすため笑

写真を撮っている人は誰しも、多かれ少なかれ「自分の写真を認めてほしい」という欲求がありますよね。

私はあります笑

これは人間社会で生きている限り、みんなが持つ基本的な欲求。

世界最高レベルの1Xで作品が評価されることで承認欲求が多少なりとも満たされ、結果として作品への自信や写真活動のモチベーションに繋がるのであれば、それはそれで良いこと。

ただし、自信作が審査で容赦なく落とされたり、厳しい批評を受けたりしますので、もともとメンタルが弱いフォトグラファーには1Xをお勧めできないかも…

「世の中にはたくさんの評価基準がある。審査に落ちたのは1Xの基準に合わなかったからであって、それが悪い写真だからとは限らない。だから自分がその写真を好きなら、必要以上に落ち込むことはない」

あるSenior critic(上級批評家)が言っていた言葉です。

これは、SNSでの「いいね」やフォロワー数をはじめとした、あらゆる他者評価に言い換えられますね。

ちょっと話がズレでしまいました。

審査制の写真投稿サイト1X(ワンエックス)って?まとめ

1X(ワンエックス)は、世界最高のファインアート写真を一か所に集めるというビジョンを掲げて北欧スウェーデンで設立された、審査制の写真投稿サイト。

会員や専門家の審査を通じて展示される作品は、評判どおり世界最高レベルといわれるだけのクオリティを有していると言ってよいのではないでしょうか。

写真を見るだけなら会員登録は入りませんので、ぜひ1Xのギャラリーをのぞいてみてください。

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