FETISH WEARーフェティッシュ・ファッション、衣類の歴史 Vol,2
Vol.1「フェティッシュ・ウェア-素晴らしい歴史」はこちら。
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ロンドンのホロウェイ・ロードで30年以上ヴィンテージストアを運営している”Blue17 vintage”の記事を一部訳して掲載しているVol,2。
元の記事はこちらから。
このブログではフェティッシュウェアの世界と、ダークでエキサイティングなSMファッションの世界をご紹介。
特に今回は靴に注目してご紹介します。
②フェティッシュが公になる-1950年代から現代まで。
フェティッシュ・ウェアの魅力的な旅の続きを見るために、次に訪れるのは50年代。
50年代は、第二次世界大戦の緊迫した状況からゆっくりとホコリを払うように、自分自身を取り戻していく回復の時期でした。復興には時間がかかりましたが、1947年にアルフレッド・キンゼイが性の研究所を設立し、その後、彼が男女の性に関する出版物を発表したことで、性に対するより自由な考え方への扉が徐々に開かれていきます。
2−1,アルフレッド・キンゼイ、戦後の復興と性の研究...。
アメリカでキンゼイの意見(キンゼイリポート)は1950年代を通じて大きな論争を引き起こし、彼の思想はその後のアメリカ社会の価値観に影響を与えました。
フェティッシュ・ウェア、ボンデージ、SMは秘密の世界として知られており、戦争が終わっても、フェティッシュ・ファッションはアンダーグラウンドに潜り、ロンドンのクラブではゲイコミュニティと結びついていました。
しかし、それはすぐに変わることになります。
2−2,性の革命とアベンジャーズ
60年代に入ると性の革命が起こり、フェティッシュ・ウェアはより主流になりテレビやメディアで取り上げられるようになりました。
もはやカウンターの下に隠したり、こっそり着たりするものではありません。
もちろん、ベルトやムチ、マスクやスタッズなど、今日のフェティッシュ・ウェアのように猥褻なものではありませんでしたが、それまでになかった革をまとったシルエットが評価されたのです。
アベンジャーズのエマ・ピールは全身レザーで、あるシーンではコルセットとスタッズ付きの犬の首輪を身につけ、手には蛇を持っていました。
最初のアベンジャーズであるキャシー・ゲイルを演じたのはオナー・ブラックマンで、こちらも頭から足までレザーで固めていました。彼女はその後、ジェームズ・ボンドのプッシー・ガロアという挑発的な名前の役を演じました。
60年代半ばはキャットウーマンが首からつま先まで※革で覆われ、耳のついたフェイスマスクをつけていました。
2−3,フェティッシュ・ウェアとハイファッション
1970年代以降フェティッシュ・ウェアはますます世間の注目を集めるようになります。
1975年にヘルムート・ニュートンがフランス版ヴォーグに掲載したファッションフォトには、男装した女性や鞭やレザーグローヴを持ったトップレスの女性が登場し「ル・スモーキング」と名付けられました。
2014年のフランス版ヴォーグの表紙を見てみると、プラスチック製の透明なレインコートとブラジャー、そして透明なブルーのミニスカートを身につけた女性が写っています。
ゴルチエ、ガリアーノ、ディオール、ミュグレー。
80年代、ジャン・ポール・ゴルチエはコルセットをランウェイに登場させます。きっかけは、祖母がコルセットを着けるのを見たことが彼の記憶にずっと残っていたと言われています。
2020年、ゴルチエは最後のショーを行いましたが、マドンナと一緒に行った「ブロンド・アンビション」ツアーでは、マドンナにコルセットと円錐形のブラジャーを着せたことで人々の記憶に残っています。
ティリー・ミュグレーは、コルセット、ゴム、レザーで有名です。
昆虫の鎧をフェティッシュにアレンジした外骨格のコルセットを忘れることはできないでしょう。
また、ロボコップのネックコルセットは、オートマタやサイボーグのようなフェティッシュな雰囲気を醸し出していました。
もちろん、彼だけではありませんでした。ディオール在籍中のジョン・ガリアーノもコルセット好きでした。
彼の結婚式のコルセットガウンは、伝説的です。
2−4,フェティッシュ・ウェア - あえてしますか?
フェティッシュ・ウェアは一周し、今ではあえてアウターウェアとして着ることができるようになりました。コルセットは服の下に着るのではなく、服の上に着て、ニーハイブーツ。それも黒の。
それからレザーは決して無くなることはありません。
秋には、細いスパゲッティストラップ(薄いショルダーストラップのこと)でまとめられたレザーベストやジャケット、ドレスの袖口やネックに施されたレザーのトリミングなど、様々なアイテムで登場します。
首輪やチョーカーなどをカスタマイズしてレザードレスに合わせたり、ライクラのタイトなレギンスにコルセットとハイヒールを合わせたり、勇気があれば透明なPVC素材を使ってもいいでしょう。フェティッシュなファッションを楽しむのにSM通である必要はなく、ただ大胆であればいいのです。
③主流メディアとファッションにおけるフェティッシュウェアの交差点
フェティッシュ・ウェアを着ているときは、上から下までしっかりと覆われていることもあれば、大胆に露出していることもあります。フェティッシュ・ウェアは、着る人が極端に無防備になったり、逆に完全に無防備になったりするようにデザインされています。威嚇的な制服のキャップとスタッズは、あなたが今まで目にしたこともないような厳格なドミナにもなりますし、薄手の服に小さな革ベルトをつけても防御にはなってくれません。
フェティッシュ・ウェアの中で最も人気があり、定番となっているのはコルセットでしょう。
それはコルセットが脆弱性と無敵性の両方を同時に感じさせる役割を果たしているからかもしれません。丈夫なスチール製の骨組みが体を保護し、直立した姿勢が自分をコントロールしているように感じさせてくれます。
しかし、やわらかい胸を世間に見せることで息苦しさも加わり、あなたは思っていたよりもタフではないと感じるかもしれません。
19世紀の伝統的な下着であるコルセットは、流行の変化や、健康や解放を理由に廃止を求める声にもかかわらず女性の生活の一部として消えるまでには長い時間がかかりました。
1830年から1890年の間、70年以上にわたって様々な雑誌で繰り広げられた「コルセット論争」。雑誌の編集者はコルセットの着用を非難し、読者は投稿のページで、コルセットが好きだとか、害はないとか、さらには「きつい紐の快楽」について記述するなど、さまざまな意見を活発に書いていました。より淫靡な投稿の中には、「母親(Mothers)」や「女校長(Head mistress)」のサインがあるものも。これらの堅苦しい女校長のイメージは、一部男性マニアの熱狂的な想像の中にのみ存在していることがうかがえました。
しかし、コルセットがファッションの必須条件ではなくなった今、冠婚葬祭(オケージョン・ウェア)としての人気が続いているのは、何か別の理由があるのでしょう。
女性たちはコルセットが自分を美しく見せてくれることを愛しているのです。
3−1,セレブリティとフェティッシュ・ウェア
バーレスクのスターたちは、コルセット着用を魅力的な趣味のように見せてくれました。小柄なディタ・フォン・ティース(ウエストを16インチにコルセットすることができる)や、クリス・コロンバイン、ポリー・レイなどのパフォーマーがそうです。
また、アレキサンダー・マックイーン、ヴィヴィアン・ウエストウッド、ドルチェ&ガッバーナ、ルイ・ヴィトン、ジョン・ガリアーノ、そしてもちろんジャン・ポール・ゴルチエなど、毎シーズン、究極のセクシーさを追求してきたデザイナーたちもいます。
ヴィヴィアン・ウエストウッドは歴史的な資料をもとに、18世紀や19世紀の形を現代のハイテク素材と組み合わせてデザインしています。
アレキサンダー・マックイーンは、キャットウォークでコルセットを使用していましたが、手錠付きのハンドバッグを流行させたり、その他のアクセサリーに巨大なスタッズを使用したりしていました。
マドンナだけでなくフェティッシュな服装を好むポップスターには、クリスティーナ・アギレラ、ブリトニー・スピアーズ、そして最近ではマイリー・サイラスやリアーナなどが物議を醸すような衣装やビデオを披露しています。
きつく紐を締め上げるのはこれからも普及していくようです。
FETISH WEAR – FETISH FASHION, CLOTHING, HISTORY
NOVEMBER 21, 2014
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