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その前に。
私が好きなフェティッシュだビザールだなんだというのは、性的な気付き以前にシュルレアリスムの影響がかなりあります。
小学5、6年のときの担任が絵画をやっていて、アートコンペなどに出展したりするような人でした。
そのため他のクラスからも図工の時間にものすごく力が入ってるクラス、と認知されてたりして。
その先生の授業で勉強したのがシュルレアリスム。
超現実主義などとも言いますが、小学生相手の授業なのでその辺の難しい話をしていたかは覚えていません。取り敢えず「現実的ではない世界」と言う方向で授業していたように思います。
個人的に騙し絵などがすでに好きだったので本を買ってもらったりもしてたのですが、まだ子供過ぎて芸術に思想とか確立したジャンルがあるだなんてきっちり把握するわけもなく、気になるけどなんだかわからない、で過ぎていました。
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⇑ これ、何十年かぶりに検索して見つけた
それだけに、見たものを描くみたいなイメージしかなかった芸術の中に、シュルレアリスムというジャンルがあると知った時はかなりの衝撃で、こ・・・これだ!みたいな雷に打たれる思いでした。
授業ではシュルレアリスムを描くというもので、いろんな作家を紹介していたのですが、その中でダリの圧倒的な美しさに私は心を奪われました。
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それから少しして、多分西武?だかどこかでダリの作品が日本に来ると知り母に連れて行ってもらいました。
とにかくすごい混んでて、前後に人がいて牛歩みたいな状態で観覧が大変だったというのと、ガラスケースに入れられたミロの引き出しを左側から見た、と記憶しているんだけど。
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一時はリトグラフなども所持しているほどだったので、一番好きな作家も大きな影響を受けたのもダリなんだろうなと思います。
当たり前ですが死ぬまでに行きたいところの一つはスペインの美術館です。
ダリの作品を色々見れば分かるのですが、宗教的な題材が多い。エロティックでもありダークでもあり、シンメトリックだったりする中にある、崇拝。
マグリットなどに比べても写実的で美しいので奇妙さがかえって引き立っている感じも。
そう言えば、そのまま精神学などにも興味を持ったのでユングの夢辞典書などもとても愛用していました。
隠された深層心理を読み解くことがずっと好きなんでしょうね。
シュルレアリスム関係は引っ越しとともに大きく手放したので、現在の私はかなり現実派。。。(でもないけど)
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でもまぁ、私的にはそこからビザールなものへの関心というのは自然の流れというか、すごく近いところにあった気がします。
いまさらでもありますが、私は芸術というものがよくわからない。なんの変哲もない景色とか人物とか見ても深い感想とか出てこないし読み解くのは難しいです。
そこへきてビザールなものというのはパッと見分かりやすい。
奇妙で変で、そこはかとなくエロティックな雰囲気もあって、面白い。
エロという現実の中に非現実な要素が入るというかね。
世の中が物騒になればなるほど、そういう奇妙な方向に人は惹かれるんじゃないかなと思ったりもします。
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だが、そもそも、シュルレアリスムの核心には、すでにして、理性と因習の壁を乗り越えてあらゆる欲望の全面的な解放を謳うサドの思想が胚胎していた。
その中心人物だったブルトンをはじめ、シュルレアリストはサドを崇拝していたのである。
美術作品であろうと、文学作品であろうと、シュルレアリスムの表現にはいたるところ、非合理、暴力、エロティシズムの混合した衝動が見い出せるだろう。
相馬俊樹 (著)より
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