花粉症の薬の副作用で見る「悪夢」は脳の誤作動か自分の意志か
いよいよ毎年恒例の花粉シーズンがやってきました。
私も花粉症には30年以上悩まされてきましたのでこの季節は薬が欠かせないのですが、薬を飲み始めるとなぜかよく悪夢を見ます。
悪夢といってもお化けや怪物が出てくるようなホラーなものではなく、自分が極悪非道なことをしてしまう、親しい人と険悪な関係になる、周りを全部的に回してしまう、といった後味が悪いものが多いのですが、もしやと思って薬の説明書を読むと副作用になんと「悪夢」と書いてあるのがわかりました。
(その3行上に「自殺念慮」という怖いワードがさりげなく書かれていますが)
さて、この悪夢についてちょっと気になるのが、薬のせいで脳が誤作動を起こしているのか、それとも自分の心の奥底にある不安や恐れが投影されているのかということです。
もし人間に自由意志というものがあれば、自分の中にある本性が悪夢になって現れている気もしますが、最近読んだ次の本で果たして自由意志は本当にあるのかどうかわからなくなりました。
というのも、「薬のせいで悪夢を見る」という現象がまさしくこの本で紹介していることではないかと思えるからです。
例えば「今日は肉が食べたいな」という気分も、私の意志で肉を食べるというより、体が本能的にタンパク質を欲しているので脳が「肉を食え」という指令を出しているだけかもしれません。
つまらないことで沸き起こる喜怒哀楽の感情も私の脳がたまたまそのようにプログラミングされているだけかもしれません。
もし私の意志がすべて脳の働きで作り出しているものなら、薬のように脳に刺激を与えればいくらでも意志が変わってしまいますのでなんか寂しい感じもしますが、一方で夢の中で極悪なことをしている自分は自分の本当の意志ではなく脳の誤作動だと思うとちょっとだけ安心できます。
「人間に自由意志はあるのかどうか」は個人的には非常に興味深いテーマですが、花粉症の薬で見る悪夢のように自分の意志だと思い込んでいたことが実はそうではないことに気づくことでまた新たな発見もあると思います、
今回もお読みいただきありがとうございました。