【番外編】夫婦別姓にしたい人と、夫婦別姓が許せない人はわかり合えない
余談ですが、私と妻は日本では認められていない合法的な夫婦別姓です。
からくりは簡単で、妻は日本国籍ですが私は外国籍(台湾)のままであるため、民法で定められた「同一の氏」を名乗る必要はありません。
(もちろん、国際結婚でも同性にすることも可能です)
そのため、わが家では表札は二つの苗字が並んでおり、年賀状も別々の苗字を並べて出します。結婚して9年経ちますが、これまでに別姓ゆえの不便は全くありませんでした。
さて、選挙も近づき、選択的夫婦別姓を公約に入れている政党や政治家もあれば、否定的な政党や政治家もいます。
わが家はもちろん選択的夫婦別姓の実現を望んでいますが、NHKのドキュメンタリー番組を見る限り、実現へのハードルはまだまだ高いと感じています。
番組の内容については上記のリンクをご覧いただければ幸いですが、強く印象に残ったのは別姓反対派の亀井静香氏が「日本は天皇の国、みんな天皇の子」という言い方で別姓にしたい夫婦に対して拒否感を示したことでした。
(外国人は天皇の子じゃないので、別姓にしても関係ない)
亀井氏の態度や言い方については様々な意見があると思いますが、私が感じたのは「嫌なものは嫌!誰が何というと嫌!」という亀井氏の強い意志でした。
もし何らかの合理的な理由があればまだ話し合いは可能ですが、理屈ではなく嫌なものは嫌という相手にいくら理屈を並べて説得しても、相手は1ミリたりとも譲歩しないでしょう。
日本にはまだ亀井氏のように理屈に関係なく別姓が許せないという人も一定数いるため、政治家もおいそれと別姓賛成に振り切れないと思います。
そうなると、夫婦別姓にしたい人は多数派を形成して力づくで通すか、反対派がいなくなるまで待つしかないかもしれません。ただ無理矢理通したとしても、別姓が許せない人の憎しみは残ってしまうので、社会が傷つく恐れもあります。
(ドキュメンタリーでも当人と両親の関係がぎくしゃくしていました)
わが家はこの先も別姓を貫きますが、幸いなことに親類や友人から「何でおまえらは別姓だ?」と言われたことは一度もありません。
ただこの先「別姓はけしからん!」と言ってくる人がいたら、私は反撃したい衝動を抑えてさっさとその人から逃げようと思います。
「嫌なものは嫌」はお互い様であるため、ここで議論しても得るものはなく、互いに傷つくだけです。
このような理屈ではなく信念レベルで対立する相手とは無理に白黒をつけるのではなく、距離を取って棲み分けるのも必要かもしれません。
しかし、これが本当に正しいかどうかは私もわからないので、これからも考えて続けたいと思います。
今回もお読みいただきありがとうございました。