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中国人は日本人以上に「何かあったらどうするんだ症候群」にかかります

上海にいる友人から住んでいるマンションがまた封鎖になったという話を聞きました。

先日も上海のディズニーランドで急に入園客が閉じ込められてしまうという件がありましたが、日本人の感覚で見ると「やりすぎ」に感じるかもしれません。

ただこれを中国人のメンタリティで考えるとすごくよくわかります。

「もし封鎖しなくて感染が拡がったらどうするんだ・・・・」

そして「感染が拡がったら私が責任を取らされるので、私の身が危ないじゃないか」となるわけです。(こっちが本音です)

日本人は「何かあったらどうするんだ症候群」にかかっていると言われますが、「何かあったら」の対象は幅広く、会社に何かあったら、お客様に何かあったら、部下に何かあったら、家族に何かあったら・・・という感じで、あらゆることに「何かあったらどうするんだ症候群」が発動されます。

これに対して中国人の場合は「他人に何かあったら」はあまり気にしないのですが、「自分の身に何かあったら」には極度に慎重になります

それこそ「自分の身が危ない可能性」が百万分の一であっても全力で回避行動を取るため、客観的に見ると非合理で極端な行動に見えるわけです。

例えば2012年に中国人の一団を日本に連れてきたときがありましたが、お土産に「粉ミルク」を買うときにしきりにこんな質問をされました。

「産地は〇〇と書いてあるが、福島から遠いのか?」
「コッチは△△産と書いてあるが、福島からどのぐらい離れているのか」

そう、福島の原発事故による放射能をやたら心配していたのです。

そこで私が「〇〇は福島から700キロぐらいかな、△△なら1000キロは離れているよ」と言うと、「じゃ△△産を買う」というわけです。

側から見るとバカバカしいのですが、彼らは真剣に放射線の影響を心配していました。

中国人(大陸にいる中国人のみならず、台湾や海外にいる中華系も含めて)がここまで「自分の身に何かあったらどうするんだ症候群」にかかるのは歴史的な経緯もあると考えています。

中国の歴史を辿ると一つ言えることは戦乱や暴君によって「人は簡単に死ぬ」という事です。

あまりにも簡単に人が死ぬので何か起きると「自分の身を自分で守れない人」から死んで行きます。

その結果として「自分の身を守ることに長けた人」とその子孫が今日まで生き残り、みんな「自分の身に何かあったら」に敏感になるわけです。

そんなわけで「自分の身が危ないかもしれない」という情報には過剰に反応してしまい、根も葉もないデマでも信じてしまうことも多々あります。

中国人は積極的にリスクを取るように見えますが、それは「自分の身が危なくなるようなことはない」という状況に限った話であったりします。
(この場合他人の身はどうでもいいと考えている)

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」ということわざは中国から来たものですが、裏を返せば中国には「虎穴に入る勇気がないビビり」があまりにも多すぎるということかもしれません。

最後まで読んでいただきありがとうございます。