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日本で生活して自分が「外国人」であることを実感する瞬間

私は日本にかれこれ45年近く暮らしていますが、日本語は完全にネイティブで外見も日本人と大して変わらないので、日常生活においてはまず外国人扱いされません。

人によっては私の名前を見て「日本人ではないかも?」と思ってくれることもありますが、殆どの人は名前を名乗っても「海外の方ですか?」なんて言いません。そのまま何事もなかったように会話が続きます。

余談ですが、私の名字を検索すると何と日本にも存在していることが判明しましたので、「孔」と名乗っても単なるレア名字としか思われていない可能性もあります。

一応中国語もネイティブですが(ただし語彙力は小学生レベル)、会社では「中国語ができる日本人」扱いです。(最初に覚えた言語は中国語ですが、今は第一言語は完全に日本語です)

そんなわけで、今は普通に生活していると自分が外国人であることをつい忘れてしまいますが、「あっ、オレって外国人だった」と思い出す瞬間が2つだけあります。

1つ目は選挙のときです。

私には選挙権はないので、選挙のときに通知は妻にだけ届きます。一緒に投票所に行くと私だけ外で待っているので、その瞬間は外国人であることを実感できます。

別に選挙権がほしいとも思わないので、選挙は傍観者の立場でいつも見ており、選挙特番はエンターテインメント番組の感覚で見ています。
(これが意外と面白くて、つい夜遅くまで見てしまいます)

2つ目は入管(入国管理局)に行くときです。

今は永住者の資格で滞在しておりますが、それでも7年に1回は在留カードの更新を行う必要がありますので、その都度品川の入管に行きます。

入管に行くと思いっきり外国人扱いしてくれますので(当たり前ですが…)、外国人として「日本に住まわせていただいている」という意識を思い出すことができます。

前回も窓口で普通に日本語で話しかけたら係員の方に「アンタ日本語上手だねぇ」と感心されましたが、普段なら絶対言われませんのでむしろ新鮮な感覚です。

ちなみに出入国のときも基本的に日本国籍の人とは別のレーンに並びますが、在留資格があると一般の外国人とは別のレーンに並ぶことができますので日本人に近い扱いを受けます。

今は自動化ゲートも通れるので(最後にスタンプだけもらいますが)、海外出張から帰ってくるときも本来は「日本に入国」ですが、感覚は「日本に帰国」です。

外国人扱いされないのはなぜか

もし私の外見が日本人と似てなければもう少し外国人扱いされていたのかもしれませんが、今は八村塁さんやウルフアロンさんのような方も増えており、もはや外見だけで外国人扱いされることも今後は少なくなるのではないかと思います。

結局のところ、外国人扱いされるかどうかは「日本語」を話せるかどうかが関係しているのではないかと思います。日本人と普通に意思疎通できる「日本語力」があれば日常生活で外国人扱いされることは少ないのが私の実感です。

ただし、私はたまたま幼少期から日本で暮らしてきたので自然に日本語を身につけることができましたが、成人してから日本人と普通に意思疎通できる「日本語力」を身につけるのはかなり難易度が高いのかもしれません。

パックンや厚切りジェイソンさんぐらいの日本語レベルがあればバッチリですが、彼らは超がつくほど頭がいい人たちなので、一般の人にとっては相当ハードルが高いと思います。

外国人にとって日本は暮らしやすい国かどうかは意見が分かれるところですが、少なくとも私のように日本語を普通に話せる人にとっては暮らしやすいのではないかと思います。

今後は世界中で人材の取り合いが激しくなると思いますが、海外の優秀な人材に来ていただくためには日本を英語が普通に使える国にするか、外国人の日本語習得のハードルを下げる必要があるかもしれません。

どちらにしても難しい課題になると思います。

今回もお読みいただきありがとうございました。

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