日本と中国のリーダーは”トロッコ問題”に対する姿勢が全然違うと思いました
先日トロッコ問題とリーダーについての記事を書きましたが、ついでに日中両国のリーダーについて思ったことを書きたいと思います。
完全に私の個人的な感想で政治的な話も入ってきますが、もし宜しければお付き合いいただけると幸いです。
皆さんもご存じのように日本はバブルが弾けてから「失われた10年」と呼ばれる低迷期に入り、それが「失われた20年」になり、今では「失われた30年」になってしまいました。
日本で暮らしていると急に好転するとはとても考えられないので、おそらくそのうち「失われた40年」になり、更には「失われた半世紀」になっていくのではないかと思います。
何でこうなったのかについては様々な意見があると思いますが、実はこの問題はトロッコ問題によく似た構造ではないかと考えています。
どんな組織も国家も未来永劫栄え続けるはずもなく、放っておいたらいつかは衰退します。イメージとしてはトロッコをそのまま走らせ続けるとみんながジリ貧になっていくという感じです。
衰退を避けるためにはどこかでポイントを切り替える必要がありますが、問題はポイントを切り替えると誰かが犠牲になるということです。それこそ高齢者、公務員、地方、中小企業、斜陽産業といったところが犠牲になります。
これを図にしたのが次になります。
これまで日本の政治家は「改革」というワードをさんざん唱えてきましたが、「改革する」ということは「誰かに犠牲になってもらう」ことになりますので、犠牲になりそうなところは当然全力で抵抗します。
そのため、いざポイントを切り替える場面になるとほとんどの政治家は躊躇してしまい、結局思い切った改革が出来ないままズルズル先に進んで今日の衰退を招いてしまいました。
この状態をトロッコ問題として考えると個人的には政治家だけが悪いとは思いません。むしろ日本では「ポイントを切り替える」という行為があまりにも重すぎるため、リーダーはおいそれと「自分の責任で誰かを切り捨てる決断」ができなかったと思います。
(その裏には「自分が恨まれたくない」という思いもあるかもしれません)
これが中国のリーダーになると真逆になります。
日本のリーダーは誰かを犠牲にすることを少なくとも建前上は嫌がりますが、中国のリーダーは多数を助けるためなら平気で少数を切り捨てます。それができない人はそもそもリーダーにはなれません。
今日において現在進行形で起きていることもそうですし、歴史的に見ても中国のリーダーは平気で誰かを切り捨てます。そして、それに対して文句を言う人も切り捨てます。(近代以前なら言葉通り青龍刀で斬り捨てます。それも一族郎党まとめて斬り捨てます。。。。)
もちろん切り捨てられるほうも黙ってはいないので、犠牲になる側の怒りが臨界点を超えると反乱が起きます。
そして一旦反乱が起きるとすさまじい数の犠牲者が出ますが、反乱の終わり方は2つしかありません。反乱軍が根こそぎ鎮圧されるか、天下を取るかのどちらかです。(前者で有名なのは太平天国の乱、後者はまさしく中国共産党による革命)
いずれにしても大量の屍を乗り越えて社会が前に進んでいきますが、そのようなリーダーが居る国に暮らしている限り自分がいつ「切り捨てられる側」になるのかわかりません。
そうなると中国人が考えることは2つです。
1つめは徹底的に権力者にすり寄る(弱者を切る側に回る)
2つめは「切り捨てられそうになったら逃げる」
前者もいつ反乱で倒されるのかわかりませんので、誰かを切り捨てるときは反乱の芽を徹底的に摘みます。後者は危険を察知する嗅覚が大事なので、日々不安を抱えながら生きることになります。どっちにしても生きているだけで疲れます。(世界中に中国人が散らばっているのはそういうわけです)
一方で今の日本で暮らしているとあからさまに切り捨てられることはほとんどありません。もし何らかの不利益を被るようなことがあっても、全力で文句を言えばたぶん何とかなります。問答無用で斬り捨てられる心配もありません。
その替わり、日本の社会全体はポイントを切り替えられないトロッコのように真っすぐ衰退の道を進んでしまいます。
今後織田信長のようなリーダーでも現れない限りこの傾向は変わらないと思いますが、信長のようなリーダーに現れてほしいかどうか問われるとちょっと悩みます。
閉塞感を打破してくれるという期待がある一方で、何も悪いことしていなくても社会にとって足手まといなら容赦なく切られる恐れがあるからです。
結局のところ、トロッコのポイントを切り替えられない日本のリーダーも、犠牲者が居ても平気で切り替える中国のリーダーもどっちもどっちかもしれません。
どっちの国で暮らすにしても庶民としてはリーダーに依存せず、自分の身は自分で守るしかないと思います。
身も蓋もない話になってしまいましたが・・・
最後まで読んでいただきありがとうございます。