「REICOの読書日記」No75
4C速読法 13 「スイッチオンの生き方」
村上和雄著 2009年
②1.「感情は風のように伝染する」とは、心理学者ダニエル・ゴールドマンの言葉ですが、私たちは他人がおおよそ何を考え、何を感じているのかを瞬間的に理解することができるものです。最近の脳科学の研究から、これは私たちの脳にある「ミラー・ニューロン」と呼ばれる神経回路のはたらきによることが分かってきました。脳の前頭葉で活動するこの特殊なニューロンは、他人の行為を鏡のように脳内に映し出し、「他人の心を読み取る」という脳の大切な機能を支えているのです。
なぜそんな機能が発達したのでしょうか。それは、人が群れを作って共同生活する社会的な動物であるからだと考えられます。社会に適応するために、他人の心を読み取る必要が生じてきたのです。
2.一個の細胞の中の遺伝子は、目覚めていて機能する部分と、眠っていて機能しない部分があります。けれど、眠っている遺伝子が永久的に眠っているかといえばそうではないし、目覚めて機能している遺伝子が死ぬまで働き続けるかと言うとそうでもありません。
遺伝子の機能は、電灯のスイッチのように、つけたり消したりできるのです。
では眠っている遺伝子と目覚めて働いている遺伝子ではどう違うのか。一言で言えば、目を覚ましている遺伝子はタンパク質や、たんぱく質をもとにした酵素を作ることができますが、眠っている遺伝子はそれが出来ないということです。遺伝子がタンパク質や酵素を「つくる・つくらない」ということを、私は遺伝子のスイッチの「オン・オフ」と表現しているのです。
3.遺伝子をオンにするための心構えというものを私自身の体験から振り返ってみたいと思います。それには、三つぐらいの条件があるように思います。
一、高い志を持つということ。
二、喜びを多くの人と共有するということ。
三、自分たちの仕事が世の中のためになるという熱き思いや意識を持つこと
もう一つ「親を喜ばす」という項目を付け加えてもいいかもしれません。
この親には二つあります。一つは実在する親です。ーーーーー
そしてもう一つの親は、人間をはじめとするすべての生き物をいかしている根源的な働きであるサムシング・グレートです。
③ 1.のミラー・ニューロンを活性化するきっかけとなるのは「笑顔」だそうです。私もいつも心から楽しいと感じる笑顔を心がけようと思いました。そして世の中のためになるという仕事をして「親を喜ばせよう」と思いました。
④ 「これから10年以内に一人ひとりの全遺伝情報(ゲノム)が数分以内で約10万円で手に入る時代が来ると思います。(約10年前は1000億円必要でした)そうすれば、その遺伝情報に基づく薬や治療法を選べる時代が来ます科学技術はそのレベルまで到達しています。」
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今回心に残ったこのエピソードは、本来この本の内容からすると本筋ではないのですが、とても驚きました。この本が書かれたのが10年以上前なので、もう実現しているのかと調べてみたら、ネットでも数万円で遺伝子検査・解析をしますという広告を見つけました。また、100ドル程度で、1日ほどで自分のゲノム解析結果を知ることができる機械もできているようです。驚きです。