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息子の爆誕から里帰りを振り返り
2019年の8月16日、遙真(はるま)が生まれました。名前はいろいろ考えたけど全然決められなくて、1週間ほど時間をかけてようやく名づけました。古い字なのはかっこいいと思ったから。
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これは生まれたその日の写真。本当に自分のお腹の中に人間がいただなんて信じられなかった。
私は産んでしまった、とんでもないことをしてしまった…。もう戻れない…。
そんな恐怖体験でもしたかのような思考で寝る間も無く子育てが始まった。愛おしいとか、かわいいとか、そんな感情はなかった。
自分が生かさなければ死ぬんだ、
そんな感覚だけで必死だった。
けど実はその数日前にちょっと大きな事件が起きていました。
お父さんの心筋梗塞
2019年の8月6日は穏やかじゃなかった。彼が生まれる10日前、この日は私の27歳の誕生日。育休中で日課だった散歩に出かけ、川辺を練り歩いていた頃に一通のLINEが。
お父さんが心筋梗塞で倒れた、とお母さんからでした。私は病気に詳しい方ではありませんが、心筋梗塞というのは命に関わるということは漠然と頭にありました。
うちの父はというと早寝早起き、規則正しい生活を送る無口な昭和の男でした。60歳を過ぎてもツヤツヤと黒い髪の毛が生えていて病気をした姿は一度も見たことがありません。
そんな父だったので、死が近しい病気になったということはこれが最期なのだと感じました。「私のお腹の命と引き換えにお父さんがいなくなってしまうのか…」と、運命を皮肉に感じていました。我が家にとって初孫でした。せめて、子どもの顔を見て欲しかった。
私はお父さんのためにもこの子を産まなくては…!と使命感を胸に散歩を続けていましたが、手術が成功した、とお母さんから続きの連絡が。
危険な状態であることは間違いないけど一命を取り留めた父。滅多にない経験に勝手に早とちりしてしまったようだった。
父の病院が散歩ルートから少し足を伸ばせば行けるところだったので、様子を見て数日後からは顔を出しに行く日々が始まった。
無口な父なので、特に話すことはない。けど暇そうなのでとりあえず顔を出して「私も暇なんだわ」と病院食が美味しくないとかそんな話を聞いていた。
病院に行くと看護婦さんから「あなたがそろそろ入院する頃なんじゃない?スイカみたいなお腹ねぇ〜」とよく声をかけられた。けど元気だし暇なので父のもとに通った。
そんな27歳のスタート、臨月。
父が命を落とさなかったことに安心した10日後、私は息子を産み落とした。
父は本当は2週間の入院でよかったんだけど、私が里帰り出産で実家に行く予定があったから「もっと病院でお世話になってくれ」と退院を母に伸ばされていたのはちょっとかわいそうだった。
退院前日の夜のこと
本当にこれは何度でも言いたいんだけど、どうして誰も授乳の大変さを教えてくれなかったん?という気持ちでいっぱいだった。
出産前は不安が強く、いろんな出産レポを読み漁っていた。ポジティブネガティブ関係なしに、いろんな人の経験に触れまくっていたのに授乳に関する情報は全くなくて予想外だった。
とにかく胸が痛いし子どもが飲んでるのかよく分からないし、乳というものが出てるのかもわからない。"母"になった。私は動物であることを強制的に自覚させられた。
看護婦さんは大丈夫よ〜!と伝えてくれた。けど、それは気休めなのか本当なのかを疑ってしまっていた。何に対しても殺気立っていたんだと思う。
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泣いている。生きている。
私から本当に人間が出てきた。
そんなことばかり考えながら母としての仕事をこなした。
明日から実家へ帰る。帰るというよりお世話になる。けど母も私も子どものプロではない、看護婦さんがいない状況で本当に子育てができるのだろうか?
不安が不安を呼び眠れない夜だった。そもそも入院中は眠れないんだけど、尚更、頭が冴えていた。目をやると息子は深夜に起きている。
いつもこの時間帯くらいにお腹蹴ってたもんなぁ…とおそるおそる抱き抱える。壊れてしまいそうで怖い。犬や猫も飼ったことがない、妹や弟がいるわけでもない。
つまりお世話をした経験がほぼない。こんな私に母なんてできるのか…?と本当にそんなことばかり考えていた。
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息子は笑っていた。
本人の意思ではないんだろうし笑っているように見えただけなのかもしれない。けど当時は本当に緊張が高まっていたのでこの表情に癒された。
どうにかなるのかもしれない、とどこか他人事のように思わせてくれる笑顔だった。1週間分の緊張がこの時に溶けたのでシャッターチャンスを逃さなかったことがうれしかった。
いつかの未来の私がこの画像を見て同じように緊張が溶けるといいな、と思ったことはすごく覚えている。
赤子 in 実家
ほやほやの新生児を連れて私は実家へ帰った。
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ばぁばとなった私の母に抱かれた息子はとてもしっかりとしたあんよだった。このあんよで蹴られたらそりゃ痛いよな、なんて思いながら育児が始まった。
正直あまり覚えてない。育児アプリで授乳や睡眠、オムツ替えなどを記録したことが私が日々生きた記録になっていた。
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いつのまにか父が帰ってきてた。もう自分は必死なので父のことはどうでもよくなっていた。許せ父。
座布団に入るサイズ感に「本当に人間か?小さすぎないか?」と疑った。
授乳でお腹が空くのでとりあえず実家で育てているトマトを私1人でバクバク食べた。もちろんご飯もおかわりしまくった。納豆たまごご飯をひたすら食べた。
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生後2週間。実家に帰って1週間が経った。あれ?もしやこの子の手相と私の手相、似てない?と気づく。やっぱり似てる。
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生後3週間。ベビーベッドで寝かせてたけど夜泣きされたときに動くのがしんどいので、結局私のシングルベッドで一緒に寝てた。
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服がいちいちダサいんだけど田舎者だから許してほしい。あぐらをかいた足の中にすっぽりと収まる。同じ人間なのに、赤子ってだけでこんなにサイズ感が違う。
何度もサイズ感を疑って、何度も自分から生まれたことを疑った。子育てに必死すぎたので素直にかわいいと思えなかった。
未来の私がきゃわいい〜と感じるはずだ、と思ってとりあえず写真に残した。ナイス判断私。
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生後1ヶ月半。モロー反射でよく起きてしまう息子だったので寝付いたら必ずまきまきにした。平たいところじゃなくてドーナツ型の丸みがあるところに必ず寝かせた。
けどいつのまにかおててがはみ出しててちょっと面白いポーズだったのでにやにやしながら写真を撮った。もっちもっちでかわいい。
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生後2ヶ月。ぐっと人間らしくなった。
1ヶ月検診で「体重めちゃくちゃ増えてますね?お母さん頑張りましたね?もう授乳回数減らしてもいいですよ…?」とちょっとお医者さんに引き気味にいわれ、あれ?私の育児やりすぎだったん?と気づいた。
たしか、1日30g増えてればいいのを50gは増えてたとか、そんな感じで爆成長していた。それなのに私は「もしやお腹が空いている?!足りないのか?!」と乳を与えまくっていた。
ごりごりに不安になりながら2ヶ月の育児が終了した。市の助産師さんが月に1回は家庭訪問に来てくれて話を聞いてくれたのもすごく助かった。2ヶ月間じゃなくてもっと来て欲しかった。(切実)
もっと気持ちを出していこう
思えば、私は気持ちを1人で抱え込みがちなところがあった。だから出産前後は暗い気持ちで頭がパンクしそうだった。
今はこうして発信もしているし、誰かに伝えることができるけどそれはやったことがないと簡単なことではない。
できなかった時期は同じことをぐるぐると考えてしまっていた。あの頃に今の私の発信する力があればどれほど救われたんだろう、と正直思う。
自分が苦しいとき、目の前の現実が新しいことだらけで頭がうまく動かないときは誰にだってある。
絶対に誰かを頼ろう。1人で抱え込んで苦しくなるなんて誰もうれしくない。自分も、周りも。
自分の周りには本音を打ち明けられる人がいません、と言う気持ちもわかる。私はお金を払って話を聞いてもらった経験があるから、痛いほどわかる。
周りにいないのならこうして文章を書いている私に連絡をくれてももちろんいいし、違う発信者に連絡してもいい。
自分が救われる選択をしよう。あなたの気持ちは誰かに否定されてはいけないよ。
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