白なすによる“美白講習会”
白なす
「それでは時間になりましたので《明日からは多分無理☆来世で美白になろう講習会》を始めさせていただきます(礼)」
参加者(主に一般的な紫の茄子)
「お願いしま~す」
白なす
「まず、私たちがなぜ白いか。それはアントシアニン、と呼ばれる成分がないからです。外国の方のコンビのお名前ではないですよ。ブルーベリーさんや葡萄さんに含まれる、人間が目がよくなるだのなんだのと騒ぐアノ成分です」
参加者
「(メモをする)」
白なす
「簡単に言えば、その成分がなくなれば誰でも美白になれます」
参加者
「えっと、どうやったらその成分をなくせるのですか?」
白なす
「煩悩をなくすのです。生まれるとき、青果界では必ず神様が聞きます。『あなたは可愛らしい果物、ブルーベリーや葡萄になりたい気持ちはあるか?』と。ここで『あります』なんて答えようものなら、ブルーベリー枠や葡萄が埋まっていたとき、神様の“同じ色だしいっか~”なんて気まぐれで紫の茄子になります」
参加者
「うわ、まじかよ。あそこが運命の分かれ道だったのかよ…」
白なす
「神様に聞かれたら、こう答えましょう。『いいえ、ブルーベリーや葡萄などへの憧れはございません。清廉潔白な心でそう思っています』と。こうすれば、“清廉潔白…白…白なすにするか”と神様は思うでしょう」
参加者
「おおお、なるほど。来世で生まれる前まで覚えておこう」