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民主主義最後の弾丸
「再建国」へ
近年の政治観察者の80%以上が次のように述べている。
「メルツ氏は決してCDUの党首にはなれない」
メルツがCDUの党首に就任。
「はい、しかしそれは基地のせいだけです。メルツは連合の立場を再構築できるだろうか。」
メルツ氏と彼のチームは新たな政策プログラムを策定している。
「そうだ。だが市民政党という概念は死んだ。保守主義は危機に瀕している。」
メルツ率いる連合は世論調査で30%を大きく上回る支持率を獲得している。
「そうだが、メルツ氏が首相候補になることは決してないだろう。ヴュスト氏とゼーダー氏は東部選挙後に彼を排除するだろう。」
メルツが首相候補となる。
「はい、わかりました。しかし、Unionは綱領政党ではありませんし、メルツは非常に不人気です。」
メルツ氏はチームとともに包括的な政府プログラムを提示しており、比較的高い支持率を獲得している。
「そうですが、女性は彼に投票しません。」
前回の欧州選挙では、女性と男性が平等に欧州人民党に投票した。
「わかった。だが、寝台車で選挙運動をすれば、結局は赤か緑の連立政権が誕生し、そうなるとCDUの掲げる政策を実現できなくなるだろう。」
メルツ氏は政策変更を要求し、5つの計画を連立条件とする。
「そうかもしれないが、それは単なる言葉に過ぎない。信頼性がなければ役に立たない。そして彼は反対の立場から行動することはできない。」
メルツは全力を尽くし、連邦議会で動議を採決にかける。
「そうですが、議会グループと政党は彼を支持していません。マルクス・ゼーダーは彼を除外するだろう。」
議会グループと党指導部はメルツ氏の方針を支持しているが、少数の反対者もいる。投票で敗北した後、セーダー氏は全面的に支持を表明した。
「そうかもしれないが、彼はギャンブルをして負けたので、きっと撤退するだろう。」
メルツは100日間のプログラムを発表し、亡命と移民政策に関する5つの計画を盛り込んだ。
「そうだね、でもメルツが首相になることは絶対にないだろうね」
2025年連邦議会選挙
選挙結果と反応
先日私が公開した「防衛の最前線」から丁度2日後、連邦議会選挙の投開票が行われた。この選挙では、CDUが30%に達しなかったものの、第二党AfDの152議席に対して56議席差の208議席を獲得したことで第一党に躍り出た。
SPDが120議席を獲得したことで、黒赤連立が半数の315議席以上の328議席を確保できることとなる。CDU党首フリードリヒ・メルツは、この結果を受け、翌24日にはSPDとの連立協議に入る方針を表明した。
各党議席
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Union(黒+青丸に黒枠):208議席/首相候補:フリードリヒ・メルツ
CDU(黒):164議席/党首:フリードリヒ・メルツ
CSU(青丸に黒枠):44議席/党首:マルクス・ゼーダー
AfD(水色):152議席/首相候補・党首:アリス・ヴァイデル
SPD(赤):120議席/首相候補:オラフ・ショルツ、党首:ラース・クリングバイル
Grüne(緑):85議席/首相候補:ロベルト・ハーベック、党首:リカルダ・ラング
Die Linke(紫):64議席/党首:ヤニーネ・ヴィスラー
SSW(藍):1議席/党首:フレミング・マイヤー
選挙後の動き
連立交渉へ
CDU党首フリードリヒ・メルツは、早々にCDU勝利宣言を行った後、政権樹立への準備を進めることを表明した。フリードリヒ・メルツは今、人々に民主主義への信頼、民主主義の行動力、そして民主主義が各個人にとって持つ価値を取り戻すために、保守派と社会民主主義の中道連合を結成しようと努めなければならない。そうすることで、自由の侵害と権威主義的勢力の強化という、迫り来る大きな危険を回避することができるのである。
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メルツはSPD党首ラース・クリングバイルらとの連立協議を開始した。この協議の中で、ボリス・ピストリウスは「ドイツ連邦軍が十分な装備を整えるためには、債務ブレーキの例外は事実上避けられない」と述べ、連邦軍の予算に債務ブレーキの例外を設けるよう求めた。メルツはこの主張に対して前向きの姿勢を示し、今回の選挙でAfDと左翼党が基本法改正を阻止できる1/3の議席を獲得したことを鑑み、議席更新日の3月24日までにUnion・SPD・緑の党の三党で基本法を改正して早急に債務ブレーキの改革を断行する可能性も示唆した。この思惑の実現にはノルトライン・ヴェストファーレン州首相ヘンドリック・ヴュストやバイエルン州首相マルクス・ゼーダーが壁になると考えられているが、現在は彼らはメルツを全面的に支持している。今回の連立の焦点は最終的に債務ブレーキと市民手当と規制緩和の三つになるだろう。メルツ率いるCDUは移民問題においては妥協の姿勢を見せ、シリアなどの国からの脅威として認定されている人物を拘留し、国外追放することだけを要求しているため、移民政策での合意は容易になると考えられる。
国防と外交について
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外交政策おいては、メルツは選挙前から一貫してウクライナ支援を表明していた。ボリス・ピストリウスの主張する連邦軍予算増加のための債務ブレーキ改革に前向きであり、英首相キア・スターマーの「ウクライナへ派兵する用意がある」旨の発言にも同調しているうえ、EU内の改革と軍事面での関係強化も主張しており、米国と欧州の間に軋轢が生まれつつある中、ショルツ政権以上の成果を収められるかもしれない。欧州は独立して歩まねばならない時代が到来しており、メルツは欧州の先導役を務める必要があるだろう。
民主主義の最後の弾丸
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メルツ政権は民主主義の最後の弾丸である。
冒頭でも述べた通り、メルツは今、人々に民主主義への信頼、民主主義の行動力、そして民主主義が各個人にとって持つ価値を取り戻すために、保守派と社会民主主義の中道連合を結成しようと努める必要があり、そうすることで、自由の侵害と権威主義的勢力の強化という、迫り来る大きな危険を回避することができるのである。SPDがCDUとの連立に同意すれば、最大の危機と戦争の脅威の時にメルツがドイツの指揮を執ることになる。もし彼が失敗すれば、AfDの支持率は前例のないレベルまで増加するだろう。メルツ自身もこの「最後のチャンス」について何度も語り、CSU党首ゼーダーはそれを「民主主義の最後の弾丸」と呼んでいる。いずれにせよ、CDUは困難な時期を迎えることになるだろう。なぜなら彼は、複数の危機、国内外の政策の不確実性、そして国民の間に起こり得る最大の恐怖、対立、期待の時代にドイツ連邦共和国を統治することなるが、これは誰もが想像しているよりもはるかに難しいことだ。今のドイツには、名宰相誕生かドイツ民主主義及び自由主義の死滅かの二択しかないのである。今後、民主主義最後の弾丸が可能な限り早く正確に撃ち抜くべきものを撃ち抜かなければならない。
メルツ政権の成功を祈り、今回は終わりにしようと思う。