留学における推薦状について
この記事では、留学に必要となる推薦状について、まとめてみました。
はじめに
推薦状、あるいは、"Letters of Recommendation (LoR)"、"Academic Reference" は、博士課程留学の出願においては、ほぼ必須ともいわれる書類の一つです。中には、推薦状を要求しない大学や国もありますが、基本は、提出が求められます。また、留学用の奨学金も、ほとんどが推薦状を要求しています。よって、留学を考えているのであれば、推薦状は避けては通れない壁の一つでしょう。
また、推薦状は、出願資料の中で唯一他人が提供するものであるため、非推薦者が周囲からどのように評価されているのか知るという点でかなり大きな意味を占めるとされています。よって、提出さえすれば良い、というわけではないため、慎重に準備することが必要です。
推薦者を選ぶ
大学院の出願では、複数の推薦状を求められることが多々あります。個人的な経験だと、アメリカの出願では 3 通求められることが多く、イギリスの出願では基本 2 通、中には 3 通求められるケースもありました。
日本国内からの奨学金の場合、推薦状は 1 通で足りるものもありましたが、大きなものだと 3 通必要なこともあります。よって、出願校を決めたら、あるいは応募する奨学金を決めたら、できるだけ早く、推薦者の候補を考えておくと良いでしょう。
求められる推薦者
推薦状は、非推薦者のことを学術的に(あるいは職業上)よく知っている人によって書かれることが重要です。これは推薦者が、非推薦者の知的能力や学力、モチベーション、グループで働く能力等を評価することになるからです。またこれは、必ずしも、というわけではないと思いますが、推薦者には PhD (博士号)を持っている人を選ぶのが一般的だと思います。
以下はよくある推薦者の例です。
研究室の教授や指導教官
研究インターン先の先生方
共同研究先の先生方
留学先の先生方
履修していた講義の先生方(自分がその講義で卓越した実績を残したと考える場合など)
クラス担任やチューターの先生方
職場の上司
推薦状を複数枚用意しなければいけないときは、できるだけ多様な側面から評価されるよう、複数のコミュニティから推薦者を選ぶようにしましょう(例:研究室内での評価 + インターン先での評価等)。
また XPLANE さんのこちらの記事では、推薦者の選び方など詳しく書かれているので、ご参考にしてください。
いつ推薦状をお願いするか
これには明確なこと答えはありませんが、筆者は、「出願することが決まったらできるだけ早く」お願いすることをおすすめします。推薦者の先生方のスケジュールを考え、余裕をもって推薦状の準備の時間が確保できるくらい早めの時期にお願いすることが妥当です。またお願いしたからと言って必ずしも引き受けていただけるわけではないため、断られてしまった際にどうするかを考えておくことも大切です。
推薦状をお願いする
推薦者を決めたら、出願校や出願コース、出願時期などを簡潔にまとめ、推薦者に連絡を取ります。この際、なぜその先生に頼んだか、留学を通して何を学びたいのか、熱意をもってお願いすると良いと思います。
なおこちらの記事には、推薦状をお願いする際の tips がまとめられていますのでご参考にしてください。
下書きを書いてほしいと言われたら
推薦者がお忙しい場合、推薦を引き受けてくださったとしても、具体的な内容は自分で書いてほしい、と言われることがあります。もちろん、こうしたことは推薦状としての価値を考えた場合、積極的に推奨されることではありません。しかし、残念ながら日本においては未だにこのスタイルが根強く残っていると思います。
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