🇹🇭タイ人にビーチへ誘われるとこうなる@南部のある村2008
「ビーチに遊びに行こう」
タイ人からこう誘われたらどんなイメージを持ちますか?このタイ最南部のマレーシアに届きそうな田舎町で、家族総出で誘われた。
てっきり、当時の私は張り切ってビーチで遊ぶ準備をした。水着、ゴーグル、サンダル。
炎天下のタイでそんな遊びをビーチでするわけがなかったのだ
まず、皆んなで海から少し離れた木陰を探す。出来る限り日が当たらない場所を見つけたら、持ってきた料理をシートに広げる。
美味そうなシーフードと果物。そう、タイ人の海に遊びに行く、とは日本で言うならば、もはや死語かもしれないが、「ピクニック」なのだ。
わざわざ日の当たる場所に出て、日光浴をするのは、タイ人にとって正気の沙汰ではないのだ。
皆んな、黙々と食べる。木陰なので乾季だったこともあり、涼しい風が吹く。
私は海パン姿になり、持参したサンオイルを塗りたくって一人で浜辺に出た。
飯は美味い。最高だ。しかし、海に入る狂気の人は私だけしかいない。
特にこのタイ最南部の田舎になんか、欧米人など一人もいない。1週間過ごしたが、外国からの観光客は私一人だった。
心配そうに木陰から私を見守る皆んな。心配しながらも決して日光に当たる範囲に出てこない。
勇気を出して私に近づいた村の長は、「さあ、戻ろう。せっかく海に来たんだから、ビーチを満喫しようじゃないか」といって海と反対の木陰を指差す。
私は引き戻されるようにパイナップルとスイカに溢れる木陰の団欒に戻った。
コパトーンの香りを撒きながら。
ーータケシ