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自傷@カフェ

出かける前から体調が良くない予感はしていた。
だが、体に鞭打って描かないと卒業できない。
いつ全く動けなくなるか分からない。体調が悪くても、少しでも動けるときに描いておかないと。

私の表の顔?というより多重人格の中のひとりは、今年度、芸術大学の卒業を目指している。
なぜ急性期のさなかに卒業が見込まれているのか?それはまた今度きちんと説明する。
とりあえず誤解しないで頂きたいのは、かろうじて学校に在籍できているから、ましてや卒業予定だからといって、体調がよろしい訳ではない。
自閉症スペクトラムと解離性障害が複雑に絡み合って化学反応を起こし、地獄のような症状が無数に現れる中、副産物的に「卒業」が生まれてしまったのだ。
もちろん、流行りの言い方をすれば、学科ガチャ、先生ガチャ、ゼミガチャ、時間割ガチャなど学校関係のもろもろガチャに大成功したのも大きい。つまり学校の環境が良かったのだ。

ともかく今日は、家だと集中できないのでカフェに行くことにした。
環境を変えないと集中できないのも、もしかしたら発達障害の影響なのかもしれない。今度主治医に聞いてみよう。

カフェに向かう道すがら、病的な不安感がモゾモゾと現れ始めた。
病的な不安感といっても想像しにくい方も居るだろう。これに関しても今度説明したい。

とりあえず、病的な不安感が来ると私は自傷してしまう。
夏は内腿を切っていた。しかし最近涼しくなってきたので、服も自傷の場所も衣替えした。
上腕には既に新しい無数の傷が付いている。

カフェのトイレに入り、かばんからカッターを取り出した。
薬や障害者手帳の入ったポーチにカッターを入れ、常に持ち歩いている。
私にとっては薬もカッターも大差ないのだ。

シュッ シュッ と音を立てて腕を切った。
一本では気が済まず、何度も切った。
みるみるうちに血が溢れ出てきた。
線と線が重なると、より出血した。

血を手で拭き、手を腕で拭き、血まみれになった。これでも家で切るときより控えめにはしている。

トイレットペーパーで血を拭きつつ、出血が治まってくるまで待った。完全には止まらないので、服が汚れないように絆創膏を貼って個室を出た。

これで少しだけ病的な不安感に立ち向かうことができた。まだ体調は悪い。でも作業だ、頑張れ。

アイスコーヒーを注文すると、「お席の確保はされましたか?」と声をかけられた。
あ、まだです、と答えると、満席とのこと。
空きがあるように見えたが、ソーシャルディスタンスのための空席だった。

すみません、また来ます。と言って店を出た。
申し訳ない。これではただ自傷しに来た人だ。
化粧品のサンプルだけ貰って帰る迷惑客の話をSNSで見たのを思い出した。

結局、ファミレスに行って夜まで作業した。
帰宅して入浴前に絆創膏を剥がすと、再び出血した。お湯をかけるととても痛かった。

🔪いつかの予告🔪
●急性期のさなかに私が卒業できる理由
●病的な不安感とは
●自傷について

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