「帯の重要性」を再考する
――ひとめでどんな本なのか、どんな魅力が備わっているのかを伝えるには打ってつけの存在です。帯を変えただけで売り上げが倍増した本も中にはあります。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「『帯の重要性』を再考する」というテーマで話していこうと思います。
📚文フリ京都7を経て
昨日、文学フリマ京都7に出品者として参加してきました。昨日の記事でも反省や考察を載せましたが、さらに深く掘り下げていこうと思います。
帯の重要性を再考したいのです。
文学フリマにおける僕のスタイルは、「機会があれば売り込む」です。座らないし、黙らない。基本的に声をかける。その姿勢でいます。ただ、声をかけるとはいえ、大声で過度に干渉するのは文学フリマの雰囲気に添いませんから、お客さんが不快にならない程度のものです。つまり、挨拶とか、短文の呼びかけですね。
基本空振りなんですが、たまにそれが奏功することもあります。
たとえば、僕呼びかける内容をちょっとずつ変えていったんです。はじめは、「今までにないミステリー小説いかがですか?」と呼びかけていたんですが、なかなか刺さらないので「最後の1行で謎が解かれるミステリー小説いかがですか?」と呼びかけてみたんです。
そしたら、その呼びかけを耳にしただけで、「そんなこと言われたら買うしかないじゃないですかあ」と1000円差し出してくれた方がいらっしゃいました。口上ひとつで結果が変わってくるのです。
考えてみれば、小説『Message』は犯人の名前ではなく本当に伝えたいことを伝えるダイイングメッセージミステリーであると共に、最後の1行で謎が解かれるどんでん返しミステリーでもあるんですよね。どんでん返しというには丁寧すぎる展開だけれど、あっと驚き、胸にくる謎解きが結末で待っています。「最後の1行~」の呼びかけの結果は自然なことのように思えました。
とはいいつつも、口上ひとつで売り上げが大きく変わることはなくて、別の部分に改善点があるといえます。
僕は行き交うお客さんたちの視線に注目してみました。ほとんどの人たちが、本に注がれているのが分かりました。当然といえば当然ですよね。本を買いにきているわけですから、商品を真っ先に見るわけです。
ですから、本の外見、つまり、表紙やタイトル、著者などから読み取れる情報や魅力が大事になってくるわけで、僕は「帯の重要性」を再考することになったのです。
📚帯の重要性を再考する
実は、文フリ東京35で初めて出店するとき、帯について話題にしたことがあったんです。本屋さんで売られている本には必ずといっていいほど帯がついています。でも、文フリはそばに作者がいるんだから、帯で伝える代わりに作者が伝えればいいじゃないか、なら帯にコストを割かなくてもいいじゃないか、という結論になったんですが、ここにきて再考です。
やっぱり、帯って大事だよねという結論に変わりました。
一目でどんな本なのか、どんな魅力が備わっているのかを伝えるには打ってつけの存在です。帯を変えただけで売り上げが倍増した本も中にはあります。お客さんからしたらその本を買うメリットがないと購買意欲は湧かないわけですから、限られたスペースにどんな内容を載せるのか、追求する甲斐のある課題です。
今回、文フリ東京35からポスターのデザインを変えてみたんです。前回とは違い、「これが本当のダイイングメッセージ」というフレーズを分かりやすく強調してみました。案の定、そこに反応してくれるお客さんは確かにいて、買わずとも凝視していた人はいました。
帯の後押しがあれば、結果はもう少し変わっていたかなと思うので、次回は反省を活かしていきたいですね。
📚文フリ広島5に向けてつくる帯
僕は来月2月26日に開催される文学フリマ広島5にも参加します。いつもなら手の届かない場所に、自分の作品をまた届けにいくことができます。
次回で文フリ3度目なので、より良い結果が出るようにまた打ち手を考えていきます。とりあえず、今回話題にしたように帯はつくります。
本屋さんとの違いは商品全てに帯をつける必要がないということ。試し読み用の本何冊かにだけつけておけば効果は出るので、コストも最小限に収めることができると思います。
フレーズはポスターと重ねて「110 これが本当のダイイングメッセージ」にしようか、効果的な口上と重ねて「最後の1行」のくだりにしようか迷っていますが、いずれにせよ良い結果は望めると思います。ちなみに、どちらの方が手に取りやすいと思いますか? コメントいただけると幸いです。
最後まで読んで下さりありがとうございました。
20220116 横山黎