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道から外れることを正解にするために。

――変わり者でいる痛みはよく知っているつもりなんですが、それでも僕が前を向けたのは、変わり続けていこうと踏み出せるのは、「物語」があったからです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。

今回は「道から外れることを正解にするために。」というテーマで話していこうと思います。


📚大学卒業を間近に控えて

もうすぐ、大学生が終わります。4年間の日々に読点が打たれて、社会の海に放たれることになるのです。その海を、僕はどう泳ぐのか。もがき、あがき、沈んでしまうのか。ただ浮かぶだけで精一杯で流れに身を任せるのか。それでも必死で漕ぎ続けて、前人未到の島に辿り着けるのか。今の僕には分かりません。

これまで自分の面白いと思ったことややってみたいことに時間と労力をかけて生きてきた僕は、ありがたいことに、たくさんの出逢いと気付きに恵まれました。実を結んだ瞬間も少なくありません。小説で賞を獲ったこともあるし、ビブリオバトルで全国大会に出場したし、この前は「桃太郎」について1時間しゃべるという謎のイベントを開催しました。

「BOOK  TALK  LIVE "桃太郎"」

分かりやすく成果が出る度に、「人とは違う道を歩いてきたけど、この道でよかったな」って思えたんですよね。変わってきてよかったなと思ったし、変わることを変えずに続けてきてよかったなと思った。

だからこそ、これからも道から外れることに興味を抱くんだろうし、変わり者で在り続けるんだろうなと思います。笑われても、後ろ指で差されても、「きっと、大丈夫」と信じて歩いていくんだと思います。

でも。

希望や夢だけじゃ断ち切れないほど、僕の心にとりつく不安や迷いは柔な存在ではなくて、卒業が近づく度に、地につけているはずの足が浮いているような感覚に襲われます。

「本当にこの道でいいのかな」「もうそろそろ道から外れることをあきらめていいんじゃないかな」なんて迷いに、大学卒業を間近に控えた今になって怖気づく瞬間が増えていることに気付きました。


📚変わり者の痛み

僕は4月から知り合いの経営しているゲストハウスの管理をしていきます。宿泊施設の清掃や宿泊者の対応、施設の広報や、新規施設の立ち上げにも関わっていきます。教育学部の学生だったのに、教員にも講師にもならず、一般企業にも就職せず、ゲストハウスの管理を務めることになったのです。

一年前まではちゃんと教員になろうかなと思っていたんです。教員になったらなったで面白いと思ったことをやっていくんだろうし、悪くない道だなって。でも、僕の興味があるのは学校教育じゃなくて社会教育と分かったし、いろんな人から「教員は違うじゃない?」と言われてきたんです。

ずっと変わっていることをやり続けてきたからか、「安定」や「普通」と近い場所にある職業に就こうとしている僕に違和感を覚えたのかもしれません。これは良し悪しではなく「好み」や「らしさ」の問題であって、教員がだめ、道から外れる職業が正しいと言いたい気持ちは1ミリもありませんが、「教員? れいくんは違うと思う」なんて言われるし、「ゲストハウス? よく分からないけど、面白そうだし、れいくんらしいね」なんて言われる始末です。

「面白い」や「不安定」、「よく分からない」、「マイノリティ」に近い場所にいることが多く、普通に生きることをあきらめない僕は、一歩間違えばいじめの対象になっていただろうし、生きることに精神的苦痛を覚えていたはず。

もちろん、こうして記事にしているように、痛みを覚えていないわけではありません。むしろ、変わり者でいる痛みはよく知っているつもりなんですが、それでも僕が前を向けたのは、変わり続けていこうと踏み出せるのは、「物語」があったからです。


📚道から外れることを正解に

いつからか「人生は物語」なんて座右の銘を言うようになって、このnoteでも毎日のように冒頭に掲げています。それを念頭に、noteの記事をはじめ、小説や童話のなかで、自分の考えや価値観、興味の対象を物語ることによって、僕は自分の人生を正解にすることができたんです。

たとえ僕しか歩いていない道なき道だとしても、そこに刻んだ足跡を物語ることによって、「そっちも歩いていけるんだ」「間違いだと思っていたけど正解だった」とまわりの人に思ってもらえるんですよね。

自分の人生をベースにした物語を書いたときも、それを手売りし始めたときも、ビブリオバトルで自分の本を紹介しようとしたときも、自分の本にまつわるエピソードを物語るイベントを開催しようとしたときも、一言もしゃべらないでプレゼンをしようと思い着いたときも、桃太郎が面白いといろんな人に伝え回っていたときも、僕は少なからず普通から外れる選択肢を取ったといえるわけだし、それに疑念や違和感を持つ人はいたし、心無い言葉を言われることもありました。

それでも、めげずに、このnoteで、本で、自分の言葉で物語ることによって、僕は全ての瞬間を正解にすることができたし、それを正解と認めてくれる仲間も増えてきました。僕だから、僕が言うから信じてついてきてくれる人も増えてきたんです。「教師じゃなくて、ゲストハウスの方が向いてるよ」とみんなが言ってくれたのは、その証拠といえるかもしれません。

これからも変わり続けていくし、変わり者の痛みを覚える日はたくさんあるんだろうけど、それでも僕には物語があるから、とっておきの魔法で、全ての瞬間を正解にしていきます。

明日からは「桃太郎合宿」

今の時代にふさわしい物語の絵本「桃太郎」をつくるために2年前にnoteで知り合った大谷さんのおうちに親友とお邪魔して、共同創作してきます。

鬼を退治する桃太郎ではなく、

鬼と友達になる桃太郎。

普通ではないけれど、僕はこっちの方がステキだと思うし、新しい普通になり得る可能性を秘めていると思う。そんなちっぽけな期待を胸に、みんなであれこれ議論しながら、新しい桃太郎をつくっていきます。

どんな物語に仕上がるのか、楽しみだな。また今度、noteで物語りますね。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20240317 横山黎




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