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【前橋&高崎旅①】みんなで「まち」をつくるということ。

――ゲストハウスはその街のハブとして機能する側面もあるので、ゲストハウスマネージャーとして活動している今、どうしても「まちづくり」に興味関心が向いてしまう自分がいます。これからもいろんな街を旅しながら、「まちづくり」について思いを馳せていきたいなと思いました。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「みんなで「まち」をつくるということ」というテーマで話していこうと思います。

8月10日の土曜日、僕の敬愛するアーティストであるコブクロのライブに行くために、コブクロ好きの友達と一緒に群馬県を訪れました。せっかく群馬に行くから小旅行を兼ねようということになり、いくつか場所を巡りました。

ということで、今回は前橋と高崎を巡った小旅行の軌跡をここに残しておきます。長くなるので、テーマを分けて、前編、後編でお送りいたします(笑)


①展覧会「new born 荒井良二 いつも知らないところへ旅する気分だった」

僕と友達は、彼の車で群馬まで向かいました。アーツ前橋という施設の4階の駐車場に車を止めたんですが、エレベーターで1階に下ると、展覧会が開催していることに気付きました。

絵本作家の荒井良二さんの展覧会「new born 荒井良二 いつも知らないところへ旅する気分だった」です。



荒井良二さんは、『たいようオルガン』や『きょうはそらにまるいつき』といった作品で知られる絵本作家。2005年にはアジアで初めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞受賞という功績を上げています。そんな荒井さんの世界観を存分に味わえる展覧会が開催されていたのです。

本人自ら選んだ絵画、絵本原画、イラストなどが展示されており、作品がどのようにして生まれるのか、どんな風に形になっていくのか、そして、これからどんな新しい作品が生まれるのか、創造の軌跡を表現した内容の展覧会です。



地下1階には荒井さんの絵本が並んでいて、手に取って読めるコーナーがありました。僕も何冊か読んでみたんですが、印象的だった1冊は『ぼくがつぼくにちぼくようび』という絵本。

タイトルに惹かれて手に取ったんですが、中身を読んでさらに引き込まれていきました。「ぼくがつぼくげつぼくようび」に始まり、1ページに収まるほどの短い日記が記されているんです。日常の切り取り方やユーモラスでアンニュイな言葉選びに惹かれました。


②白井屋ホテル

アーツ前橋の前に伸びるのは、馬場川通り。この通りの活性化に尽力されているひろしさんという知り合いがおりまして、今回高崎や前橋を訪れるにあたり、事前におすすめの場所を訊いたんです。

ちなみに、ひろしさんは僕が大学卒業の直前に開催した「BOOK TALK LIVE ”桃太郎”」に飛び入りで参加してくださった方です。それ以来の縁で、今では僕のマネージャーとして関わっている「木の家ゲストハウス」が前橋に新規宿泊施設をオープンさせる予定なのですが、その際にいろいろと関わってもらっています。

前橋は行政もまちづくりに力を入れていると聞いていたんですが、この馬場川通りを歩くだけでも、前橋の「まち」の面白さを感じることができました。

たとえば、「白井屋ホテル」。

このホテルは、「五感を刺激するインスピレーションに満ちたアートホテル」というコンセプトの宿泊施設で、廃墟と化していた創業300年の老舗旅館をリノベーションしてつくられたんです。世界的に活躍する建築家やデザイナーが先導し、前橋の市民たちをも巻き込み、6年かけて遂行したプロジェクトだったそうです。

目の前を川が流れ、川沿いにはベンチやコーヒースペースがあり、緑を感じながら穏やかな時間を過ごすことができます。


白井屋ホテル


③馬場川通り

馬場川通りは、レンガ通りなんです。これもまちづくりの一環で多くの人が関わった一大プロジェクトだったそうなんですが、これも興味深く思いました。というのも、実際に歩いてみると分かるんですが、レンガに名前が刻まれているんです。

実はこのレンガ道のレンガは個人や組織、企業に募集をかけて敷かれたものだったんです。言うなれば「レンガスポンサー」ですね。一口3800円で自分の名前位入りのレンガが普段歩く道に敷かれるというわけです。

かなり好評だったようで、元々1000個で募集をかけたそうですが、途中で200増やしたとのこと。それだけ街を良くしようという動きがあったわけですが、当然のことといえば当然のことのような気がします。

行政やまちづくりをする企業、団体だけでなく、実際にその道を使う市民たちの関りしろがある。さらに、前橋は明治時代以降、レンガづくりの建物が多くつくられてきた歴史的背景もある。前橋に歴史的に根付いたレンガで、多くの人を巻き込んで、自分たちの街をより良くしようとする。

それがひとつのムーブメントを起こすことなるんですよね。「みんなでまちをつくる」ってそういうことだよな、と思い知らされました。

ゲストハウスはその街のハブとして機能する側面もあるので、ゲストハウスマネージャーとして活動している今、どうしても「まちづくり」に興味関心が向いてしまう自分がいます。これからもいろんな街を旅しながら、「まちづくり」について思いを馳せていきたいなと思いました。

次の記事で、前橋&高崎旅の後編をお送りします。ご興味あれば、のぞいてみてください。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20240811 横山黎


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