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桃太郎に扮して卒論発表会に登壇してきた。

――久しぶりに笑いを取りにいって、ちゃんと笑いを取れたことが嬉しくて、みんなの笑顔を眺めながら、桃太郎のコスプレをして良かったなと思ったし、仕事終わりに閉店間際のドンキに画用紙を買いにいって良かったなと思ったし、夜な夜なフリップネタをつくって良かったなと思いました(笑)


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家、木の家ゲストハウス水戸マネージャー、イベンターとして活動したりしています。

今回は「桃太郎に扮して卒論発表会に登壇してきた。」というテーマで話していこうと思います。


🍑「やさしいそつろん発表会」

一昨日、シェアベース「migiwa」で開催された「やさしいそつろん発表会」というイベントに登壇してきました。

もうすぐ大学を卒業する学生たちが緩く楽しく卒業研究についてトークしようというイベントなのですが、別に卒論について話さなくても良くて、なんなら卒業生じゃないのに登壇している人もいました。僕もそのうちのひとりです(笑)

需要があった模様で、なんだかんだ13人の登壇者に恵まれました。リスナーとしての参加の方々も多くいたので、20人以上が参加するイベントになりました。

やさしいそつろん発表会

このイベントの存在を知ったときから、僕の鼻息は荒くてですね、なんなら卒業生よりも張り切っていました。イベントの前日、前々日に内容を考え始めたのですが、自分のなかで静かに盛り上がっちゃって、夜な夜な準備を進めていました。

僕は1年前に大学を卒業したのですが、卒業研究のテーマは「桃太郎」でした。正確には、「芥川龍之介研究―『桃太郎』を中心に―」という題目だったのですが、とにかく「桃太郎」についてめっちゃ調べて、論じていったのです。

ということで、桃太郎に扮して登壇することにしました(笑)

桃太郎に扮して登壇


🍑フリップ芸の桃太郎

主催の隼さんから事前にM-1の出囃子を流して登場してもらおうと思っているという話を聞いていたんですが、そんなこと知ったら、ネタをするしかないじゃないですか!僕の芸人の血が騒いだのです!
#そんな血は流れてない

結論からいうと、僕はフリップ芸をすることにしました。

M-1の出囃子が鳴るとはいえ、登壇するのは僕ひとりですから漫才はできません。ひとりとなれば、R-1グランプリ。R-1グランプリといえば、フリップ芸ということで、桃太郎を題材にネタを考えることにしたのです。

ただ、ただのフリップ芸で終わってしまっては、芸として成功したとしても、卒論発表会としては失敗だから、ちゃんと僕の卒業研究につながるような内容にしないといけません。

いろんなことを踏まえた上で、仕上がった僕の発表内容はこんな感じです。お客さんが動画を回してくれていたので、途中からではありますが、是非ご覧ください。


🍑桃太郎で世界の笑顔を増やしにいく

動画を観てくださった前提で、ここから話を進めていきますね。僕が今回の内容を考えるとき、こんなことを考えていました。

◯オープニング
・桃太郎のコスプレで登壇。
・「どうもー桃太郎です」と自己紹介。
・「たった今、日本一のきびだんごをいただきました。こんなん、なんぼあってもいいですからね」とミルクボーイオマージュ。
・「紙芝居をつくってきた」と話す。
・M-1の出囃子、桃太郎のコスプレ、紙芝居とくれば、「R-1グランプリ」が想起される。それを指摘することで笑いにする。
・自分で言っておいて、フリップネタではないと否定する。紙芝居であると強く主張する(フリ)

◯フリップ芸
・フリップネタ「こんな桃太郎は嫌だ」を始める。
①「桃太郎の髪色が桃色」
②「きびだんごを半分しかあげない」
③「鬼退治しない」
※それぞれネタとしてのインパクトはあんまりないなと思っていたから、絵とそれにつっこむ形で、笑いを増幅。
・「ここで終わると本当にR-1グランプリになっちゃうから」と笑いをつくりながら本題に戻す。

◯芥川龍之介『桃太郎』の紹介
・①~③は、全て芥川龍之介の『桃太郎』の要素であることを伝える。ここでInterestingの面白さが生まれる。
・桃太郎が残虐非道な存在として、鬼が平和を愛する存在として描かれている。
・そんな桃太郎を芥川は最後に「天才」と呼んだ。ここでお客さんに謎(フック)を与える。

◯クロージング
・「何故、芥川は残虐非道の桃太郎を「天才」と呼んだのか」を改めて問う。
・トーク時間が5分しかないことを示し、詳細に語れない状況を改めて共有する。
・概要を綴ったnoteの記事のQRコードのフリップを提示する。
・「興味を持った方は是非ご覧ください」と促す。

僕が前日に夜な夜な書いた地図の通りに事が運ばれて、なんなら想像以上の景色を見ることができたなと振り返っています。それはひとえに、アットホームな空間であったこと、みんながみんなの卒業研究を面白がろう、楽しもうとする雰囲気ができ上がっていたからなんだと思います。

それにしてもちゃんとウケて良かったです(笑)

お笑いのネタをつくるのは中学生ぶりでした。僕は中学生の頃、演劇部に所属していて、脚本も書いていたんですが、漫才をするシーンを含む脚本を書いたこともあったんです。意外にもそれが受けたことを、今でも覚えています。

久しぶりに笑いを取りにいって、ちゃんと笑いを取れたことが嬉しくて、みんなの笑顔を眺めながら、桃太郎のコスプレをして良かったなと思ったし、仕事終わりに閉店間際のドンキに画用紙を買いにいって良かったなと思ったし、夜な夜なフリップネタをつくって良かったなと思いました(笑)

こんな桃太郎は嫌だ

さて、僕のお笑いの思い出はともかく、話を桃太郎に戻します。

ここまで僕が「やさしいそつろん発表会」に、あるいは「桃太郎」に全力で向き合っているのは、僕が「桃太郎」で笑顔を増やしにいこうとしているからです。ひとりでも多くの人が、より豊かに、自分らしく生きていけるような世界をつくろうとしているからです。

詳しく話すと長くなるから今回は割愛しますが、端的にいえば、僕は新しい「桃太郎」の物語を定着させたいという野望を抱いていて、その物語のなかで異なる価値観、人生観の相手を退治するのではなく、面白がって、認め合って、手を取り合おうとするシーンを描こうとしているのです。

「勧善懲悪」じゃなくて、「共生」。それこそ今の「桃太郎」の物語に相応しいんじゃないかなって心から思うのです。今回のイベントへの登壇は、その文化を築き上げるための小さな一手でもありました。

共生の「桃太郎」の認知を広めるための、一歩。

僕は学生最後のイベントとして、「BOOK TALK LIVE ”桃太郎”」というトークイベントを開催したんですが、あれも一歩。去年、ご縁があって大学院で「桃太郎」を題材に授業をしてきたんですが、それも一歩。

僕のできる範囲で、少しずつ、少しずつ、新しい「桃太郎」を広めていっているのです。いつかドデカイ一手をかましたいのですが、それまではあの手この手でゆっくりと育てていくつもりです。

桃太郎で世界の笑顔を増やしにいく。

そんなボケみたいな夢を、マジになって叶えにいきますわ。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20250218 横山黎

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