「普通」ができなかった僕は、「特別」で在り続ける。
ーー「特別」になりたくて「普通」ができなかった僕は今、ゲストハウスのマネージャーなんて「特別」な仕事をしています。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。
今回は「「普通」ができなかった僕は、「特別」で在り続ける。」というテーマで話していこうと思います。
先週のことになりますが、僕はパートナーと一緒にとある焼き肉屋さんを訪れました。16回目の記念日を迎えたのでそのお祝いに。
お客さんとしてずっと行きたかった場所、行くのになかなか踏ん切りがつかなかった場所、そして、僕の元バイト先でした。
どうして行くのに抵抗があったかというと、あんまり良い辞め方をしなかったからです。
それまでサービス業のバイトをしたことがなかったし、仕事の仕方なんて分からなかった僕は、上手く立ち回ることができずにいました。オーナーにもたくさん怒られました。それに対して、肩身の狭い思いをしていました。
意外と不器用で臆病なところがあるから、仕事ができなかったんだと思います。
普通に仕事ができる自分をイメージしていたからそれが叶わない痛みに耐えられなくて、半年後にはバイトをやめる決断をしました。
それ以来、バイト先の焼肉屋さんには立ち寄ることはありませんでした。お客さんとして食べにいくこともありませんでした。
そんな悔しい思いを綴った当時の記事があります。「『特別』になりたかった僕は『普通』ができなかった」という題の記事です。
バイトをやめて、2年半以上経った今頃になって、どうして元バイト先にご飯を食べにいこうと思ったのか、特別大きな理由はありませんでした。
パートナーとのご飯の場所をどうするか決めかねていたときにふと思い至った、それだけのことです。時は無常に流れ、感情も洗い流され、きっと今なら大丈夫だと、ゲストハウスのマネージャーとして仕事をしている今なら笑って自分の現在地を話せると信じることができたのです。
店に入ると、僕が在籍してきた頃から一緒だった後輩が出迎えてくれました。オーナーもすぐに僕のことを認識してくれたそうでした。
他のお客さんが帰るとき、オーナーは出入り口までお出迎えします。その際、出入り口近くの席に座っていた僕に話しかけにきてくれました。
「今はゲストハウスのマネージャーをしています」
あなたの指導が、言葉が、今の僕を支えてくれています。あなたのお客さんに寄り添う姿勢が、今の仕事に活きています。そんな思いを込めて、伝えにいきました。
「また来ます」
食事後、そう約束して、僕らは店を後にしました。次食べにくるときは、もう少し長くオーナーと話せたらいいな。そして、そのときにお世話になった感謝を伝えられたらいいな。
「特別」になりたくて「普通」ができなかった僕は今、ゲストハウスのマネージャーなんて「特別」な仕事をしています。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
20241126 横山黎