行きつけの店が20周年だったのでお祝いしにいった。
ーーひとりの人間が成長して成人式を迎えるまでの間、トチローのマスターはずっと店を経営してきたわけですから、たとえどんなにローカルで派手なことはなくても、20年という価値は眩しいものです。
人生は物語。
どうも横山黎です。
大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。
今回は「20年続けるということ」というテーマで話していこうと思います。
📚行きつけの店「トチロー」
昨夜、僕のお気に入りの洋風居酒屋「トチロー」に行ってきました。
大学近くにある隠れ家のような佇まいのお店で、かれこれ3年近く通い続けています。初めて行った日から、マスターとも仲良くさせてもらっていて、とても居心地が良い飲み屋さんです。
メニューは主にイタリアンで、僕のおすすめは「トマトとアボカドのサラダ」と「オムライス」ですね。大学生向けということもあり、値段の割に量が多いんです。取り分ける前提の量で出されるので、ひとりで食べきれないくらい(笑)
お酒も充実していて、カクテルも豊富ですし、ウイスキーも20種類くらいある。クラフトビールもあるので、お酒だけでもいろんな楽しみ方ができるんです。
そんなトチローなんですが、今年で開業20周年を迎えたんです。それを祝して、学生向けに飲み物が割引になっていたり、ローストビーフがサービスされたり、この4日間(木〜日)お得なキャンペーンをやっていたんです。
お得に飲み食いできるし、何よりも20年をお祝いしにいかないとですし、4日間のうちのどこかでは訪ねようと思っていました。スケジュール的に昨日しかなかったので、昨夜終わりがけに向かったというわけです。
入店するとカウンターに来るように、マスターに手招きされました。カウンター席3席あるうちの2席が埋まっていて、僕は空いていた真ん中の席に座りました。
閉店まで、僕は両隣の2人の女性と飲み語り合っていたわけですが、その2人とは、ひとりは以前からの知り合いで同じ大学生、もうひとりは昔からのトチローの常連さんでした。
📚僕とトチロー
知り合いの大学生と初めて会ったのも、トチローでした。去年の7月、僕が初書籍『Message』を出版してまもない頃のことでした。
あの頃は毎日1冊は手売りしようと決めていて、大学生の友達やバイトの同僚を中心にいろんな人に手売りしていました。その日は「あ、誰にも売れない......」と危機感を覚えまして、縋るようにトチローに行きました。そこで出逢ったのが昨日僕の右隣にいた彼女で、ちゃんと手売りしてきました。
僕が初めて、初対面の人に手売りできた相手でした。
ちなみにその後、彼女とは別の場所で再会することになりました。大学近くにある住み開きシェアハウス「はちとご」です。正確にいうと、はちとごの管理人が主催したマルシェイベントで再会しました。そのとき初めて、彼女がはちとご界隈の人だと知ったんですよね。
再会して開口一番に言われたのが、「まだ本読んでないんですよ」だったので、「おい!」とつっこみました。その後も読んだという報告はないまま、積読本の一冊になっていたわけですが、ついに先日読まれたとのことで、感想をもらいました。
とのことです。
僕の左隣に座っていたのは、昔からトチローのお客さんだった方でした。ただ、僕らと同じ茨城大学の卒業生でしたし、トチロー(あるいはそのマスター)という共通話題があることですぐ打ち解けることができました。
マスターが16年前のチェキを取り出してきたときにはびっくりしました。そこには、その常連さんも映っていて、みんな若い!
#どの目線
昨夜のきらきらした時間を受け、20年経っても変わらずに続いていることの尊さを知ることができました。
📚20年続けるということ
20年。
その数字の大きさを、僕たちは侮ってはいけません。20年間、ひとつのことをやり続けるなんて、簡単にできることではないんです。
ひとりの人間が成長して成人式を迎えるまでの間、トチローのマスターはずっと店を経営してきたわけですから、たとえどんなにローカルで派手なことはなくても、20年という価値は眩しいものです。
僕の初書籍『Message』は成人式の物語。僕の20歳の年の1年の経験を下地にしました。
20歳の年はいわば「横山黎20周年」なわけで、そんなこと一生に一度しかないんだから、特別な年にしようと兼ねてから考えていました。
家族に手紙を書いたり、曲をつくったり、20歳の物語を本にしたり......。そんな経験をしてきたから、「20年」という時間に引っかかりやすいんですよね。
トチロー20周年を心からお祝いしたい。
そんな思いから、店を訪ねることにしたんです。せっかくだし贈り物をしようと思って、店に行く前に良さげな本を買って、ギフト用にラッピングしてもらって、持参しました。
2冊贈ったんですが、どちらの本にも好印象を持ってくれたようで、僕も嬉しかったです。やっぱり本のギフトっていいよねと思いました。
次、25周年を迎えたときも必ず伺います。もっと盛大にお祝いしにいきます。
そのときはどんな人が隣にいるかな。
どんな話に花を咲かせるのかな。
今から楽しみです。最後まで読んでくださりありがとうございました。
20231021 横山黎