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仮装と体験と物語。

――多種多様な体験を提供できるような構造が組まれていることもそうですが、多種多様な体験を提供できるようなサービスが施されていることが一番の魅力だと考えます。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「仮装と体験と物語」というテーマで話していこうと思います。


🏨2度目のイマーシブ・フォート東京へ

昨日、僕はパートナーと一緒に「イマーシブ・フォート東京」に行ってきました。二週間前に行ったばかりなのに、人生2度目をこんなにも短期間で経験している自分に驚いています。ただ、それだけの引力があの空間にはあるということ。今回も、その引力の正体を探るべく、創作という名の宇宙を旅することにします。

「イマーシブ・フォート東京」は今年3月にオープンした完全没入体験のできるテーマパークです。ランチしていたらステージでショーが始まるし、その後すぐにレストランが襲撃されて人質にされるし、街の運命を変えるための市民として闊歩したりする、そんな場所です。

とにかくお客さんの数だけ体験の仕方があり、無限通りの物語が生まれる空間が用意されているのです。

二週間前に初めて参加したんですが、圧倒的なエンタメ体験に魅せられ、イマーシブ・フォート東京のコンセプトの通り、「人生、全とっかえ。」させられました。

今はちょうどハロウィンキャンペーンで2000円安くなっていまして、せっかくだしキャンペーン中にもう一度行きたいな、そのときは仮装していきたいなと密かに思っていたんです。

それを叶えにいったのが、昨日というわけです。

僕らはふたりして大好きなハロウィン映画『えんとつ町のプペル』の主人公ルビッチの格好をしました。シルクハットに蝶ネクタイ、サスペンダーを用意するだけの簡単なものですが、我ながら納得のビジュアルになりました。ちなみに蝶ネクタイはパートナーの手作り。器用なパートナーに感謝です。


🏨「THE SHERLOCK」がヤバい!

今回僕が楽しみにしていたのは「THE SHERLOCK」というコンテンツ。かの有名な名探偵シャーロック・ホームズが難事件を解いていく物語のなかに、目撃者として入り込むことができます。

ストーリーは以下の通り。

1890年のロンドン。 ガイ・フォークス・ナイト※を数日後に控えたベイカーストリート。
ある日、シャーロック・ホームズのオフィスを一人の女性が訪ねてくる。
「数日前から行方不明になっている婚約者を探して欲しい。」
早速、婚約者の捜索に乗り出したホームズとワトソン。
同じ頃、ロンドンの街で猟奇的な連続殺人事件が発生する。
殺害現場には犯人からのメッセージが残されていた。
ロンドン警視庁のレストレード警部は、シャーロック・ホームズに、 この難解な事件の捜査協力を依頼する。
失踪した婚約者と連続殺人事件。
全く繋がりのなかった二つの事件が、次第に重なりあっていく。
二つの事件の裏側に隠された、想像を絶する真実とは?

※ガイ・フォークス・ナイト=18世紀頃からイギリスで行われている祭り。

引用:イマーシブ・フォート東京公式HP

僕たち参加者は町で同時多発的に起こる事件に遭遇します。しかし、どの現場に立ち合うか、どの登場人物の後をつけるかによって全く違う物語が紡がれ、その参加者だけの唯一無二の体験が待っているのです。

このコンテンツのネタバレは禁止とされていたので、詳しくは語りませんが、とにかく心揺さぶられる物語体験をしたんです。序盤のことですが、僕はとある女性のキャストの素振りが気になって、その人の近くにいたんです。他の参加者はいませんでした。僕だけが、その人の表情や仕草を見ていたんです。

で、その女性が歩き出したら、僕はそのまま彼女についていって、そしたらその先で……。めちゃくちゃ語りたいんですが、このあたりにしておきます。

あと一言だけ言うとするならば、僕が体験した「THE SHERLOCK」は、僕とその彼女の物語だったということ。主に彼女の動向を目撃していたから、その彼女の物語に心を動かされ、気が付けば僕自身も主人公になっていたんです。

物語の最後、シャーロック・ホームズによる謎解きが披露されます。そのとき、参加者は一堂に会するわけですが、同じ場所にいたとて、同じ演劇を観たとて、参加者ひとりひとり胸の中にある感情は違うし、思い描くストーリーも違ったはず。

それが、「THE SHERLOCK」の魅力であり、イマーシブ・シアターの魅力なのです。


🏨仮装と体験と物語

前の記事でも書いたけれど、「イマーシブ・フォート東京」とは、参加者が主人公になれる場所なんです。今回もそれを強く感じました。

「THE SHERLOCK」を終えた後、僕らはディナーを食べたり、街を練り歩くゾンビたちに怯えながら、閉演時間まで非日常的な世界に没入していました。それだけでも主人公になれる環境が整っているといえるわけですが、それだけじゃないんです。

今回僕らはルビッチの仮装をしにいったわけですが、街中のキャストとか、レストランのスタッフさんとかが反応してくれるんですよ。そんな風に、多種多様な体験を提供できるような構造が組まれていることもそうですが、多種多様な体験を提供できるようなサービスが施されていることが一番の魅力だと考えます。

スタッフやキャストが参加者の感情に訴えてくるので、その心の軌跡がそのまま体験になり、物語に成り得るんですよね。

したがって、感動とは物語であるといえるわけです。

それを身をもって実感できた有意義な時間でした。また創作意欲が湧いてきたな。僕も頑張ろ。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20241029 横山黎


※初めてイマーシブ・フォート東京に行ったときの記事↓↓↓





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