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「物語」を与える仕事の意義

――本屋さんでは本が売れません。なぜならば、そこに「物語」がないからです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。

今回は「『物語』を与える仕事の意義」というテーマで話していこうと思います。


📚「おじさんラジオ」始動

昨日、「おじさんラジオ」という名のミーティングがありました。僕とゆうきくんとさきさんの3人が集まって、一緒に作っていくコンテンツ「いい匂いのするおじさん(公式)」の打ち合わせをしました。

「はちとご」というシェアハウスで知り合った僕ら3人は、みんな、「つくる人」。ゆうきくんは動画クリエイターとしてフリーで活動しているし、さきさんは別で仕事をしながらイラストレーター兼画家として活動しています。かくいう僕も、まだしっかりと仕事をしているわけではないけれど、自分で本をつくって、本を届けるために大学生作家として活動しています。

そんな僕らが今夢中になってつくろうしているコンテンツが「いい匂いのするおじさん(公式)」です。
#(公式)が大事らしい

今回の企画のプロデューサーでもあるゆうきくんは、大のおじさん好き。「おじさんってかわいいよね」「早くおじさんになりたい」と周りに言いふらしている社会人1年目です(笑) そのおじさん好きが高じて、ついに「おじさん」をコンテンツにしてしまったんです。

ゆうきくんが撮った写真に、さきさんが「おじさん」のイラストを描くという内容のもの。「写真×イラスト」のコンテンツで、これがなかなかクセになるんだ。


これをつくって満足するほどゆうきくんのおじさん熱はしょぼいものではありません。そこにストーリーをつくろうと思い至ったのです。「おじさん」の物語。そこで、白羽の矢が立ったのが僕でした。去年「はちとご」のみんなで行ったサウナのなかで、汗を滾らせながら誘われたんです。

「れいくん、おじさんの物語をつくりませんか?」

話を聴いて面白そうだったんで二つ返事でOKしちゃって、それからなんやかんやありまして、昨日、「おじさんラジオ」という名の第一回ミーティングがありました。ラジオというくらいですからいずれかは表に出す意図が、ゆうきくんにはあるそうです。

SNS運用をどんな風に回していくのか、おじさんとはそもそも何者なのか、おじさんの魅力とは何か……時に自分たちは一体何を熱く語っているんだろうと我に返りながらも、夢中になって語り合っていました。

そのなかで僕は現時点でできているストーリーの枠組みをお伝えしたんですが、ゆうきくんからもさきさんからも好感触を持たれまして、自分が関わってよかったなと嬉しく思いましたし、「物語を与える仕事の意義」について考える良い機会でした。


📚物語るから価値が生まれた日

僕は今度「BOOK TALK LIVE “桃太郎”」というイベントを開催する予定です。2024年3月3日(日)の桃の節句に、「桃太郎」についてめちゃくちゃしゃべるイベントです。僕の卒業研究が「桃太郎」ということもあり、それなりに詳しくなれたので、桃太郎の物語を1時間かけて物語るつもりです。

この「BOOK TALK LIVE」ですが、僕が始めたイベントでして、ひとつのテーマのもと、本にまつわるエピソードを物語るブックトークを、会場を借りて、集客して、トークイベントとして開催するもの。

初めて開催したのは去年の5月。「BOOK TALK LIVE “Message”」というイベントでした。僕の初書籍『Message』について、1時間くらいかけてしゃべりました。事後アンケートではステキな感想をたくさんいただきまして、涙するほど感動の舞台を作り上げることができたんです。

注目すべきは、終演後の物販の成果でして、集計の結果、まだ『Message』を読んだことのない人全員に本を売ることができたんです。僕の1時間の物語りが、購買意欲を掻き立てた。そう言っても過言ではありません。

それくらいに、「物語」には人を動かす力があるんです。


本屋さんでは本が売れません。なぜならば、そこに「物語」がないからです。

興味がないところから始まり、帯やあらすじを見て、ちょっと読みたいなと思ったとしても、購買にはいたらないことが多いじゃないですか。それは、完全に心が動いていないから。感動するためには、感動するためのしかけが必要で、それはつまり、「物語」を設計する必要があるということ。

その点、「BOOK TALK LIVE “Message”」では、僕がちゃんと「物語」を設計したからこそ、お客さんの心を動かして、購買につなげることができたので、侮れないイベントだったなと可能性を見出しています。


📚物語を与える仕事の意義

話を「おじさん」に戻しますが、「写真×イラスト」のコンテンツは他にもありまして、今後似たような競合は増えていくのではないかと推察されます。それはゆうきくんもちらっと言ってしました。僕個人の考えとして、そこで差別化がはかれるのが、「物語」だと思うのです。

「おじさん」のコンテンツに「物語」を与えることで、「写真×イラスト×物語」という掛け算が実現し、そこから生まれる答えは、大いなる可能性です。他の競合にはない「世界観」の上に成り立つことになるし、「物語」の力によって、コンテンツ消費者の心を動かすことができる。それは「感動」ともいえるし「恋」ともいえるし「購買意欲」ともいえるわけで、もし仮に「おじさん」が事業化していったときに、ひとつの大きな強みになり得るのです。

ちなみに、僕が現時点で考えた「おじさん」の物語はこんな感じ。

苦しみや葛藤を持った少年が、魔法のカメラのシャッターを切ったことで、「写真の世界」に迷い込む。「写真の世界」の住人である3人のおじさんたちと旅をして、語り合うことで、その苦しみや葛藤から解放される。最後には現実世界に戻ってきて、ちょっぴり成長した少年は元の日常を生きていく。

「苦しみや葛藤」がどんなものなのかはまだ決め切れていないし、「写真の世界」の設定も詰め切れていません。ただ、「おじさん」を「写真の世界」の住人にするアイデアには可能性を感じています。「おじさん」が写真に描かれている意味付けをすることができるからです。

将来的には、写真に「おじさん」のイラストを描いてほしいという声が上がればさきさんの仕事にもつながるかもなあなんて妄想もしています。


とにもかくにも、人が消費行動を起こすとき、媒介になっているのは、心を動かす「物語」なので、物語を与える仕事って需要があるよなあとぼんやり考えました。実際、「おじさん」の物語を完成させることができたら、お金が支払われるという約束をしているので、歴とした仕事になっているんですよね。

以前から、「物語を与える仕事」については興味を持っていたので、少しずつではありますが、この可能性も探っていけたらなと思います。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

20240112 横山黎



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