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【海日記】いちばんいい海はどこ?と聞かれたらなんて答える?

スキューバダイバーになって11年。よくよく、ホントにしょっちゅう聞かれるのが、
『いちばんよかったのはどこの海ですか?』
と言う質問。

うーん。答えられない。そもそも『いちばんいい海』ってどんな海のことなんだろう。

透視度のいい海?潮の流れが緩やかな海?珍しい生物がいる海?ダイナミックな地形の海?

ムズカシイ。『いちばんいい海』なんて決められない。

ジャンル別のいちばんを考えてみた

海の特徴ごとにいちばんの海を考えてみる。

透視度

私が潜った中で最も透視度が良かったのは、沖永良部島の海だ。
自分の視力の限り遠くまで見えた。透視度ではなく透明度という言葉がしっくりくる。

沖永良部島

青さ

私が潜った中で最も青かったのは、サイパンの海(中でもグロット)だ。

青すぎて眩しかった。

サイパンのグロット

重たい器材を背負って100段(だっけ?)の階段を降りてから潜る苦行感も相まって、感動は増し増しだった。


エキサイティング

私が潜ってきた中でもっともエキサイティングだったのはメキシコのラパスだ。

野生のアシカがわんさかいる。彼らの生活圏にお邪魔して、彼らが優雅にダイナミックに泳ぐ姿をみて興奮したものだ。

ラパス

たぶんもう行かれないと思う。

難易度

私が潜ってきた中でもっとも難しかったのは神子元の海だ。

エントリーした瞬間から手も足も出ない。神子元は別格である。難しすぎる。あっちこっち流れの変わる海を泳ぎこなす日はまだまだ遠い未来だ。

神子元


でも、コロコロ表情を変える気分屋のような神子元の海が大好きだ。これからも神子元ダイビングにチャレンジしたい。神子元の海を潜りこなすためにスキルを磨き経験を積んで行きたい。
どうか仲良くしてもらいたい。

鮮やかさ

私が潜ってきた海の中でもっとも色鮮やかだったのはエジプトの紅海だ。

塩分濃度が高いからなのか、黄色やオレンジ色が鮮やかに見えた。目がチカチカするほどだった。息をするのを忘れて見入った。

紅海


ピラミッドやスフィンクスはもう見たので、次はダイビングだけを楽しみに赴きたいと思っている。

リラックス

私が潜るために訪れた場所の中でもっともリラックスできるのは、八丈島だ。

海の中はもちろん表情豊か。キラキラ感はあまりないけれど、とにかく渋い海なのだ。いぶし銀の海って感じ。

カッコイイ海という表現が当てはまるだろうか。沖縄やフィリピンのような宝石を散りばめたようなキラキラな海とはちょっと違う。
もっと...こう...なんていうか...鎌倉の街並みとか着物とか神社とか…そういう落ち着いた和風な海。日本人が懐かしく感じる海。風情のある海。

八丈島

私は八丈島の海が最もリラックスして潜れる。懐かしさと落ち着きを感じさせてくれるのが八丈島の海。

心が動く

感動、感激、衝撃。最も心が大きく動かされた海はサイパンのオブジャンビーチ。


サイパンのオブジャンビーチ

私にしか当てはまらないことだが、私が生まれて初めて潜った外国の海がサイパンのオブジャンビーチなのだ。
初めてみた雄大な海の中の景色はいまだに忘れられない。その感動を超える経験は未だにしていない。

初めてオブジャンビーチを潜った瞬間、本気で【生きててよかった...』と心から思った。この景色に出会えたことに感謝した。エア切れを起こしてこのままオブジャンビーチに浮かんでいても構わないとさえ思った。
マジで人生が変わった瞬間だった。

それぞれのいちばんを

海はいろんな表情と彩りに満ちている。その時の自分の気持ちやスキル、海況や季節によって、感じることは違う。

同じ海は2度とない。だからこそ、自分の感性で海の表情を感じていきたいと思う。

これからも『いちばんいい海』は絶対に決められない。

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