秋の実り

　知人におすそ分けと大きな梨を二ついただきました。しっかりと熟していてそれはそれはジューシーで美味しかったです。今夜は満月。早くからウキウキして夜空を見上げると、東の空に赤い月が出てきました。

　最近ススキを友人にいただいてしばらく飾ってありました。ススキを知らない子供達も最近ではいて、なにこれ？という感じです。そんな中、十五夜の今日に「お団子は？」ともう成人過ぎている娘にほだされました。

　子供の頃から日本の行事をなんとなく行ってきたな残りこうした会話に出てくるのだと思います。特別なことはできないけれど、農耕民族だった日本人の私たちが、秋の収穫をことの外、喜び祝う。秋の実りの大切さをよく知っていたからだと思うのです。

　手植えで田んぼを作ったり、千枚田の近くに住んだりしたことがありますが、大都会ではスーパーに詰められたお米一袋の感覚しかなかったものが、春の田植えから始まっていくつもの工程を経て、秋の実りを収穫するまで本当に大変な作業です。実ったものの、雀たちが群がることだってあるのですから。そんな、ありがたい秋に実りに感謝して、まん丸な実りのようなお月様にありがとうと言える今夜は特別な感じがします。

　ネットがどこかしこでも普及しているので、画面に目が行きやすいですが、少し空を見上げたり、食べ物の実りがあってこそ今自分の生命が生かされていることを垣間見る気持ちが少しでも生まれたならば、きっと次の世代にも大きな実りが受け継がれていくような気がします。