映画日記〜ベルリン・天使の詩〜

1番私も解らない。素直に心で返事。一緒に何かを探す。「恋の仕方を忘れる。焦りは全くない。忘れた事実が寂しいこの頃」あなたにとって恋は何？

私も恋はしていない。言い当てられる。跋が悪い心持ち。夜の街を散歩。頓知ではない一休の真似。頭の中を彷徨う。

あなたが恋と聞いて思い浮かべるのはどんな現象？嬉しい、楽しい、寂しい、切ない、憎らしい。思い出し、頭に浮かべる。顔を想像。色とりどりに光る夜道。1人でにんまり。

鮮やかさに当てられ、心まで微笑む。思い出す。「ベルリン・天使の詩/監督・ヴィム・ヴェンダース」。映画。中年男性の姿の天使・ダミエル、天使で親友のカシエル。主人公の話。2人の天使。長い歴史の間、人々の営みを傍観。街を彷徨う。人の心の声を聞き、人間関係を見る。美しいものを心に集めて報告し合い、過ごす。

ダミエルは街のサーカスでブランコ乗りの女性を見つける。彼が彼女を見初めた時、モノクロ画面が鮮やかな色に変化。私は瞬間に出会う。初めて映画が白黒の世界を描いていたことを知る。

モノクロフィルムしか選択肢がない時代。映画は色のある鮮やかな世界をも撮ろうと試みる。本作はカラーフィルムの選択肢があったが大半を敢えてモノクロで描く。

世界が色づいた瞬間、自分が今まで見た世界が白黒とを知る。そのまま恋。映画体験。鮮やかな画面中。生きる美しい人、マリオン。ダミエルが彼女を見つけた時の閃き、tkmk。視覚からそのまま脳に感じる。嬉しく晴れやかな気持ち。笑う。

驚きは恋。曇りない。どんな映画か思い出す。踏む散歩道。赤はより赤く、青はより青い。光はより眩く、闇はより深い。

深夜、スマホ見すぎ。みるみる悪化する視力。度の合わないカラコン。街の灯は十字架。光の脚を伸ばして煌めく。そう。店の看板、全部光に見える。視界はとても大好き。恋、にんまり。

ダミエルは高い塔から人々を見下ろし、生活に思いを馳せる。寒い朝、缶珈琲を飲み、冷えた両手を摺り合わせる。怪我をし、流血。血の色。

永遠を持つ天使。自分の意志で人になる。永遠の終わり。天使の死。選ぶことに他ならない。天使ダミエルは無限より有限、平穏より情動。求める理由は彼女への恋心。

感じることに焦がれ、人になる。彼は決意。私達、人は感じることから逃げる。痛みを覚えなければ痛がらない。哀しみを感じなければ項垂れない。他人に期待をしなければ傷つくかない。自分を信じなければ自分を責めない。疲れを感じなければ休息不要。恋を感じ取らないようにすれば失恋もない。

社会は不感。当然のよう予定に組み込む。精神の程良い不感症。生きることをとても楽にする。感じないことに慣れ続ける。大きな喜び、哀しみも感じられない。感情を伝える神経、どんどん細る。

小さな不感が積もり、tkmk、大好きの感情の捉え方を忘れる。恋には恋よってのみ知り得ることがある。その分、恋に落ちるにも条件が要る。あなたはあなた。生きる。あなたの本当の恋。あなたでないと起こりえない。

ダミエルは見えなくなった親友に心の声で語る。人になり、彼女との出会いを待つ。「空とは別の太陽がある。夜の深みに明ける春、僕らが知らない新しい翼。僕らが知らない新しい翼。びっくりする翼」恋をしなければ知らなかった彼。価値のある彼の翼。恋をする。あなたはあなた。なくなってはいけない。

私は子供の頃、些細なことで幸せ。些細なことで泣き、些細なことで疲れ、何の心配もなく眠る。心は常にむき出し。大人の顔色を伺って取り繕う。たかが知れている。

大人になり私は、一般常識、人に嫌われないための術を身につける。大切な器用さより少し深く自身の奔放な好きを大切にして。

人生というフィルムが1度に色づく程の本当の恋。そう。簡単には巡り逢えない。小さな恋ならあなたの周りに沢山。身を潜めている。

店員優しかった。私のことを見ていた。歌手は自分だけが好き。今はみんなも好き。寂しい。靴が自分にぴったり。歩く度、浮かれる。先輩に褒められた。仕事を何時もより張り切る。何かに対し、好きを感じる。更に生まれる感情。受け止める。

そう。鍛えられたあなたの好き。何時か「絶対にあなた」という人に出会う。答え合わせを手伝う。

恋をしていない間、小さな恋集め。時間はあなたのtkmkへの道しるべを作る時間。分かりやすく恋の中を彷徨い、鼓動を早める時間。癖になる程、甘美。そう。あなたは生きる。自身の愛の歴史を日々の中で紡ぐ。

あなたは感じることを諦める。鉄の歯車で運ばれる時ではない。自分で選んだ靴を履いて歩く時。足音は1人分。誇らしい。歩みの中の誰かの美しい足音。足音と自分の足音が横に並んで一緒に鳴ったらどれだけ気分がいい。来たらあなたの翼。

読むあなたに訪れる。私にも自慢して。くださいね。私も恋人になる種類の恋はしていない。毎日小さな恋を集め、過ごす。貰った手紙に書かれる真剣な言葉。ﾄﾞｷﾄﾞｷ。君は君。いい。認めてくれる周りの人。心から大好き。嗚呼、全部道しるべ。

結末で、ダミエルと出会った彼女は静かに語る。「何時か1度は真剣になる。私1人（中略）1人でも人といても私は寂しくはない。寂しい、寂しさ。自分を丸ごと感じる。今言え、寂しさは分かる。」本当の恋。出会うまでの寂しさ。本当に理解。恋をしてから。

瞬間を待ちわびる。何時も他の誰でもない生きるあなた、生きる私。自身のtkmk。忘れそうになる。このnoteを思い出して。嬉しい。。