映画日記〜アデル、ブルーは熱い色〜
家を出る度、夏の日差しに塗れる。あんまり眩しいから強制的に明るい気持ちにさせられる毎日。玄関がこの向きに建つ家に住む。そう。重ねてきた手作りの1つ1つが眩しさに繋がる。1人でも不意にニコニコ。あなたも1日のうちに不意打ちに笑うことがありますように。
人は、自分に自信がなくなったり、心身が疲れ果てると何かが欲しい、何かをしたいと強く思えなくなる。元気になるとどんどん欲張りになる生き物。
私も太陽光を毎日欲張りな自分へ調教。好きなことを求め、暮らす。欲張り。欲は何かを頑張る力を生み出す。欲を一緒に考える。私には性欲がなく、好きな人がいたことがない。9:1で食欲が勝る。このままじゃ駄目。如何する。いい。
彼女は「私が変」と泣く。思春期の恋、身体の目交いを情熱的に描き話題『アデル、ブルーは熱い色』映画。主人公は普通のJD。周りとは違う不思議な雰囲気を持ち、何故か異性によくモテる。
興味を持ち、近づいてきた異性。親しい仲になる。性的に迫られると避ける。避け続け数日、落ち込む彼に主人公は情で身体を許す。何かが違うと感じ、後日友人に話す。
「私に何か欠けてる私が変」素っぴんで涙を流す。そう。話す主人公に如何しても「変じゃない」と言いたくなる。何だか私も泣く。本作について一緒に考えるより前に言えるのは、欲がなければ可笑しい、欲を持つのは可笑しいということは絶対にない。
欲がないこと、好きな人が欲しいと思わないこと。全然可笑しくはない。例え、自分以外の級友全員が「可笑なこと」と言ってきたとしてあなたは可笑しくない。欲の在り方はあなたの歴史。
欲、何かをしたいという気持ち。色々なことに対し、ある。重心の置かれる場所は十人十色。TPO、精神状態によっても違う。肉が食べたい人、野菜が食べたい人。全部欲しい人、何もいらない人。同じ。
生まれた時から野菜に興味がない人、野菜に嫌な思い出があり、食べない人。肉に良い思い出があるからこそ頻繁に食べない人。嫌な思い出があるから克服しようと過剰に求める人。
人の欲の持ち方の個性はあなたの本能、今までの人生の傷、喜びの結果。主人公のよう、周囲と違う?と悩む個性。例え、実行したら社会的に罰が下る欲望、実現不可能な御伽話のような欲望。誰にも罰することは不可能。
Want、Can't。心の内は絶対自由。欲望を持つに至ったあなたの人生も肯定すべき。人、物を傷つけたりしない限り誰にも否定されるべきではない。
みんなで同じ所で泣き、同じ所で笑い、同じ感想を言い合う為の映画も沢山ある。同時にあなたのどんな個性にも、何時か向かい合い座れるよう、日々沢山の映画が生まれる。音楽、本。生まれ続けるあらゆる文化において言える。
欲をもとめず心の繋がり、友情を求める。子供向けに作られた勇気の物語。何時もあなたの心の色に頷く。人の不完全な所、劣情。鮮明に描いた映画、移り変わる欲望、性愛。色濃く描いた映画も沢山。あなたと手を繋ぎ、歩ける映画。種類を問わず見つけられたら寂しくなくなる。足りない声なき叫び。
本作の主人公は彼とデート時、すれ違った青髪の女を一瞬で鮮明に記憶。主人公の自慰は彼女の愛撫を想像し、行われる。そう。主人公は変。悩む。
色々なきっかけがあり、同性同士の世界に興味を持った主人公。レズバーへと繰り出し、あの日すれ違った彼女と出会う。2人は次第に親しくなり交際。
異性に受け身の主人公。彼女に対してはずっと扇情的な目を向ける。今か今かと情を渡し合うきっかけを無意識に探る主人公の姿。欲という形をとった生命力に満ち満ちている。美しく抑圧されていた身体を解放。新しい愛に漕ぎ出す。
2人は相性がとても良く、人が変わったよう激しく求め合う。生々しくも切なく、見る人の身体の正中線を突き抜ける濡場として映される。幾ら貪り合っても足りない。そう。聴こえるような2人の有り様。欲望の本質を見る。
主人公を含め、あなたは何かが足りないと感じることがある?欲望はあなたが欲しがっているものを教える。素直に求め、宥め、生きる。どっちもあなたの人生。道しるべの1つ。
興味の薄い相手に何かの拍子、相手をもっと深く知りたい欲が出る。欲とは限らない。どんな形をし、現れるか分からない。相手の方の常識内では理解しがたい形もある。欲望の在り方の差異を恐れず、焦らず。慎重に真心を持ち理解し合う。いい。
好きな人と出会い、絆を結ぶ時、越えなければいけない差異があったとしても真心のあるあなたは仲良くすることが可能。互いに傍にいたいという気持ちがあれば。あなたの心の求めることがあなたという自然の摂理。
主人公、彼女が一緒にいる所を目撃した級友。主人公に暴言を吐く。男は嘲笑、女は自分が性対象にされないかと不必要に怯え、「あなたがレズであろうと構わない。私は舐めないで」下品に罵る。
相手をちゃんと見つめないで想像、型にはめ、過剰な自己防衛から吐かれる批判。何時も的外れ。感情のない石礫。哀しみに暮れる日もある。主人公は彼女との一途な愛を貫く。
時代や環境により、社会構造に許容されていない愛、繋がりの在り方。しばしば批判。自然の摂理に適っていない。子を残すことが義務と言う話をひっぱり出され、自分は法喪失者なのではと感じる方も多い。
主人公のよう、L、異性愛者であっても結婚、家族を持つことに興味がなかったり、大多数の人の普通の人生の線路からはみ出していたら誰かに無邪気に疑問を向けられる。疑問を持つ人は普通と教えられてきた歴史がある。互いを深く知るまで悪気さえない。ある意味仕方ない。
必ず子を宿せという法律はない。愛が宿した欲望についても他人に問いただされる必要はない。自然の摂理を他人に説かれようとあなたにとってはあなたの心の有り様が何よりもあなたという自然の持つ摂理。
誰にも認めてもらえなくても、共感し合える仲間が上手く見つからなくても、今すぐにできるのはあなたが自身に勇気を持って「可笑しくない」と言うこと。理想の愛の形は今を作り続けていく先にある。
自由恋愛時代、文字通り在り方は自由。人との関わりは色々な種類がある。相手の方への真心の証として欲に乗るのも自由。以外の形でちゃんと大好きだと分かってもらえるよう、愛を伝え続けることも自由。どちらの方がいい、正しいとかはない。
あなたはあなたのこうなりたいという理想の愛の形に向け、配偶者の方と一緒に今を作り続ける。欲望の持ち方の違い、価値観の差異。大きな目で暖める元気が湧かない場合、無理をする必要はない。何処かに、あなたが何時も優しい気持ちでいようと思えるような相手がいる。人に優しくする前に自分に優しくしなきゃいけない瞬間。未来に明るい想像を浮かべ、1人を怖がらずに生きて。欲望と空想にじゃれ合いながら。
余談、欲が薄いことで悩む方もいれば、自身の持つ欲の強さ、心への影響力に悩む人も沢山いる。私は誰かの欲があってこそ成り立つ仕事をしている。欲はとても自然な欲望。命の成り立ちに関わる神秘を持った本能。
心、脳、身体が繋がっている空想的な実感。想い通りにいかない切なさ、恥ずかしさ。とても大切な沢山のことを教えてくれる。恋人ができた時、遺伝子を残したいと思う。自然。
欲は批判対象。暴走し、人を傷つける。知識のない子に悪影響を与える。欲を持つこと自体は絶対に批判されるべきことでも何でもない。時に快感、満足感に羽化し、日々を彩る。何ら後ろめたいことではない。
主人公は欲、寂しさに弱く、肉感のあるとても人らしい子。一方、彼女は人離れした異様さ、美しさを纏う女。美術校に通っていて芸術の世界に生きる。思春期を生きる。生きたあなた。主人公に共感する所も多い。
抱き合い、寂しさを埋めたい。欲望が理性を超えた時、人と人との間に何かが生まれ、崩壊。哀しいこと、不義理なことばかりではない。欲望を愛が加速させることがあっても、欲望を未来、今の為に宥められるのも愛、理性、真心の持つ強さ。
できるだけ優しく在りたいと思うような人、物、芸術に出会った時、欲望と仲良くじゃれ合い、互いの幸福を探していけたらとても素敵。
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