読書日記〜毎日かあさん〜

勤勉なみなさまへ。娯楽が大好き。今でも。そう。余計なものとは言ってしまえば娯楽。
此処で娯楽を定義することはかなり難しい。今回は娯楽をすることにより直接的には生産性を高めないものと言う。見たからと言ってPCにOffice搭載した時のよう作業速度が2倍になる訳でもなく、読んだからと言い別段眠眠打破、マッサージのよう物理的に身体疲労回復が感じられる訳でもない。

誰に言われずともやってしまう自分の大好きなことと言えば。いい。小さい頃の私であれば休日にきらレボのきらりの目を丁寧に模写すること、近所の散歩、誰か参拝者がいるのか分からない廃神社を見つけること。することで飲み会の席でのネタになり人間関係が円滑に回り、憂鬱な気分が元気になり翌日からの勉強、仕事が捗る。間接的な生産性の向上は十分。今回は直接的に。

もう随分前、女性議員が「LGBTは生産性がない」と何の生産性もない議論を展開し世論から大批判を浴びる。今の多様性を進める世論でよくもその世の中の流れに背中を向けることが言えたな。感心。私にとっては生産性という言葉について考えるきっかけになる。

昨今、生産性の言葉が日常会話で当たり前に使用。前までは会社員、意識の高い学生が使う言葉。今ではもう説明せず日常会話に用いることが可能な位公用語して生産性は市民権を得る。

背景には革新はなくとも穏やかな年功序列から成果主義に代わり、国として副業も推進されるようなり始め、如何にに限られた時間内で。いい。成果を出すのかがより顕著に求められるようになる。生産性がないこと＝悪の価値観は上司が帰っていないことに気を遣ってだらだらと残るような従来のよくわからないけどみんなやってるから俺もやるコミュニケーション方法への反発精神も合間って至極急速に若い人の間で伸びてきた価値観の1つ。

毎日高い生産性を保つ訳にもいかない。可能なら世話ないけど人ロボではない。都合がいいものではない。24時間常に生産性の高さを求められ、肥大した自己意識の高さと持て囃される外交性に疲弊。吐き気を催す人は少なからず存在。お疲れ様、勤勉なみなさま。私は可能なら生産性など皆無なものこそ大事にしたい。

疲れた人に程効くのが生産性のないこと。元気な人の時には必要ない。どうぞ、今日も生産性高く生きて。怖いのは人は何時まで元気でいられるのかは分からない。「毎日かあさん/西原理恵子」にもある通り。いい人な鴨ちゃんがふとした拍子につまづいてお別れせざるを得ない状況。鴨ちゃんだけじゃない。どんな人だって「あれ此処？」という瞬間でつまづいてしまうことは普通。

そう。普通にある。前置きが長くなる。今回は、前の疲れきった私が生産性のないことに生かされた時の自分語り。

斜陽な青春、とち狂った自信。もう時効だから書く。残念ながら私はあまり調子のいい学生生活を送ってこれなかった。どちらかと言えば窓際でぼんやりと過ごす斜陽な青春。JKの時、口だけは自信たっぷりに上から目線で話すことが可能な人。第1志望の学校に学校指定推薦という今時な入り方でふわっとくぐり抜けることが可能。

入れたはいいものの推薦という選抜方法は言うなればJKの段階で自分のPRを他人に向けて上手に発信可能な人の集まり。酷く外交的な集団に1人陰キャ人が入る。字面よりも大変。全身GUで揃え、1000円しか手持ちがない状態。銀座GUCCIに1人入ってしまったような場違い感。

行動し自分で自分の環境を変えることに成功体験がある彼らは自分のやりたいことがあれば自ら直ぐその第一線で活躍する人達に会いに行き話を聞き、計画を立ち上げる姿に憧れ私もとち狂ったよう大きな興味は惹かれなくても色んな計画に参加。根源は同期に見劣りしたくないという所にある為、自ら積極的にこれがしたいが為に行動する同期とは明らかにモチベの質が違う。

ビリは免れる。駄目。みんながこんなことしてる。私もやる。全然楽しくない。此処でやらなかったらやばい。やりたくないけどやらなきゃ。

－なモチベだったから毎日陰鬱。人は負荷をかければ成長しない。とは言う。残念ながらかけすぎると沈没。

案の定私のやばい、頑張らなきゃという自己暗示だけで拡張した容量はあっけなく崩壊。やる気が起きなくなり、不眠。知らないうちに涙が出て、家の中で発狂、抜毛症にもなり呆気なく倒れる。

要ポケセンの身体。実際に倒れるまではよく分からない。私は倒れるというものは少女漫画のように美少女が儚く倒れ、意中の相手が偶然通りかかり親しくなるきっかけのものかと想像。残念ながら倒れるというものはそんな幻想のよう綺麗なものではない。どちらかといえば瀕死状態のポケモン。必要なのはイケメンの応対でもなく、王子様の接吻でもなく栄養摂取、療養。ポケセンに入りHP回復。

薬による強制休養、無理やりの栄養摂取により何となく生命維持可能。頭は働くがやる気は無。残酷ながら全人類に平等に時間は過ぎ、私が動けない間にみんなはまた活動。1回休みのマスに止まったままの自分、6の目ばかり出して前進する友人のことを思い出す。どんどん開いていく差を思いながらぼうっとしては泣いてを繰り返す。

母、病院の先生にも「頑張りすぎ、力を抜けば。いい」と何度も言われる。力の抜き方がよく分からない。力を抜けばみんなとどんどん差が開く。差が開けば自分が落ちこぼれであることが露呈されるのは何よりも嫌。動け。何を？知らない。動かなきゃ。何がしたいの？知らない。落ちこぼれにはなりたくない。

考え、また泣く。自分の身体は動かない。病院の先生から強迫性障害と都合のいい名前をつけて貰う。死にそうな時は偶像が救ってくれる。救ってくれたのは偶像。

偶像はいわば余暇の塊。場末noteだから好き勝手書く。若く可愛い子達の歌、踊りを見て自分の好きな推しを作り金、時間を割き応援。程度はあれど生産性が高いとは一概に言い難い。

元々可愛い女を見るのは大好き。常日頃、可愛い子を見かけたらスクショしてを繰り返す。弱った時に聞く偶像曲程沁みるものはない。元気な時に聞いたなら見てるこっちがこっぱずかしくなってしまう位臭いもの。負の連鎖に陥る身体にはその位の劇薬で丁度いい。同世代の子が体を張って披露。響き方が尋常ではない。

何も知らない、実年齢、本名、出生地も知らない子なのにあの子が歌ってくれている。大丈夫。あの子が頑張っている。頑張れる。あの子のように可愛くなりたい。運動する。あの子のようになりたい。写真に映る。凄まじい偶像。

正直、現状は何も変わっていない。友達はみんな6の目を出し続け色んな苦労、努力はある。大会社の社員になり暖かなお日様が当たる人生を漕ぎ出す。私は陽が当たらないように閉じたカーテンの部屋の中でぼんやりとめそめそ。

画面中の彼女達は今の状況を仕方ないと思わせてくれる。何も全て6の目を出し続け外交的に強く生きる必要はない。特急は華やか、速度は速くて機能的。鈍行だってのんびりした味わいがある。今の私の世界はカーテンで光を遮る4畳半で完結。抑揚のない衰えのかかったようなもの。誰に迷惑をかけている訳じゃない。

不登校で怠惰だけど入れなかった華やかな世界から1つ離れ、自分の大好きなことをやってみたらどうなる。誰にも知られないSNS中で自分発信したらどうなる。画面中の子達みたいに。

考えに至った時まるでぱんぱんに膨らんだ風船の口をふっと緩めたみたいに「ぷしゅっ」と全身から力が抜ける。その時、嗚呼、私は力んでいた。力むとはこういう事か。ようやく理解。

気づけば私はSNSで発信し被写体になり、ぼんやりと服を作るようになり、見てくれる人ができる。勤勉なみなさま。余計なものは最大の治療法。

空気を抜く作業。画面越しに可愛いの点滴投与を受け続け、何とか呼吸を繰り返すことが可能な私は大基盤の力を借り文字を綴るようになる。元々文字を書くことが大好き。人に読んで貰おうとして書くのは初。思い返せば進学時、迷った時、ハヤカワ五味の職場体験に応募時、人生の色んな節目で私は自分の考えをWordに綴る。

書くというのは何回やっても不思議な気分になる。自分の考えが誰でも分かる文字記号になり自分の目の前に落ちる。自身を幽体離脱し上から眺める第3者視点から観察する感覚。

自分中でのよく分からないぐちゃぐちゃの不安を丁寧に言葉にしていくことで自分はこう考えていると観察可能。「ぷしゅっ」と力んでいる身体が溶け安心可能。

書いては「ぷしゅっ」今日も考えられている。大丈夫。自分の思考を誰にでも分かる言葉記号中で最も近いものを探し当てはめる作業。大きなジグゾーパズルのようで上手くできるととても嬉しい。

私は今日もよしなしごとを思考しパズルのように当てはめ「ぷしゅっ」と身体を緩める。余計なものに生かされてきた。私は偶像に生かされてきた。直接的に大きな生産性のない娯楽により延命。

結局、散々憧れてきた華やかな格好いい外交的な世界にはあまり入れなかった。何とかやることが可能。今だに憧れは捨てきれない。

生産性を求める社会は革新的なことが起こる。そう。とても大好き。同時に力んだ社会。最近は発売から数年が経ち、勝ちパターンが分かったのかSNSにも企業垢が続々と乗り出し個人起業家も増える。意識の高い外交的な社会は一見格好いい。ずっと風船に空気が入り続けるような緊張の連続。私の経験のみで語るのは本当恐縮。無理の継続は中々続かない。特に凡人には。

直接的な生産性のない余計なものを大切にする。最後に空気が入りっぱなしの勤勉な人達に「ぷしゅっ」と力を抜くあの感覚を形に伝えられないかと思い私は怠惰であることを表現。文章、その他色んな所で。

眠い。そう。低空飛行でも。いい。頑張る時は生産性高く頑張れば。いい。疲れた時は余計なものにより「ぷしゅっ」と空気を抜く。可能なら誰かのきっかけになりたい。烏滸がましく思う。此処まで読んで下さり本当有難う。重くなってしまってごめん。それではまた。