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いつかの思い出

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あの頃に戻りたい方へ。
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将来の夢

将来の夢

私の将来の夢は全く新しい家族を作ること。故郷に別れを告げ、生み育てられた家族に感謝を伝え、新しい家族を作ること。

僕の家族は公園みたいな家族。好きな人と一緒にいられて、色んな遊びができる。結婚しなくても公園には入れる。表札は人数分用意。好きな人とお別れするのは寂しい。公園を出たい人は出ていける。家族じゃなくなるのが嫌なら旅に出ていることにする。勿論、旅からはいつ戻ってきても大丈夫。

好きな人、

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イルミネーション観光

イルミネーション観光

今年のイヴはぼっち。乗り込む車内はクリスマスムードかと思えば大体真っ黒コートの背中で埋め尽くされ大体イヤホンをして眠る。私は今日の夜ご飯何食べようか考えたりしながら温かい背もたれに身を委ねる。電気の通った電車の席に抱かれるXmasもある。

実家のXmasはイヴ。居間は畳。ツリーは買って貰えない。食卓には手作りエビフライが並ぶ。サンタを信じていてプレゼントをちゃんと手紙にし強請る。毎年違う種類のた

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ギャルになりたい

ギャルになりたい

もう1度1から人生を送れるのならギャルになる。18時半、渋谷駅、ハチ公前駅前広場。黒スーツの人々が帰途につく為、駅に向かい流れが生まれる。これから街に繰り出してゆく若者が相反する流れを生み出し、広場は幾つもの畝りが生まれる。ライブカメラで畝りを見る。流れの中の金髪、茶髪などの明るい髪色、若い肌を露出させた服の若者達がよく目立つ。これから街に繰り出さんとする楽しげな彼ら。周りとの違いは意にも介せず、

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私、あなたを信じる

私、あなたを信じる

あの時決死の思いで体育館に入って良かった。10月、後期開始。私が休学から帰ってきた初日、何だかやたらに暑い。校舎内はまだ半袖を着る学生の姿もちらほら。義務教育ではない。単位だけ取っても。いい。生真面目な性分で嫌々ながら学校に登校。丁度、文化祭準備でサークル活動が活発になる頃。当時私にはそこまで多くの友達はいない。どうしてもぼっちだと認めたくなく友達の繋がりが欲しくサークル活動の拠点、体育館に足を踏

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8月31日の夜に

8月31日の夜に

8月最終日。何となく私は8月31日を特別視してしまう所がある。何をするにも開始が遅く夏休みも引き籠ってばかり。たまにしか外に遊びに行かない子。

夏休み最終日に上手く過ごすことの不可能な夏を取り返すよう花火をし色々と頑張る。夜更かしにも似る。

起床〜昼間の生活を満足に過ごせなくネットサーフィン、読書、ラジオで何かを得ようと夜更かし。今日も可能なら花火をする。雨だから無理。

夏は少食すぎ半分で満

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冷房に振り回される

冷房に振り回される

JC位の時、頑なに自分の部屋のエアコンをつけることを我慢。その頃は代謝が今よりも悪く蒸し風呂のような体育館でバレーをしても汗ばむ位で済む程。その上人より暑さに強くエアコンをつけなくても余裕で夏を耐えられた。当時、地球温暖化の言葉が今よりも報道番組で連呼。

居間は家族4人全員が集まる場所。まだエアコンを付ける必要性がある。自分の部屋では暑くて不快だからと自分の欲で自分の為だけにエアコンをつけること

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記憶④

記憶④

日傘、カーディガンを家に置いてきた。今年一紫外線を浴びる。散歩しながら自由律俳句を考える。歩行速度を落とし周囲の木々をイヤホンなしでゆっくり見渡す。凄く純粋な散歩をする気持ちになる。自分の中にある散歩の散歩像に浸り公園を歩く。

昨日から小蝸のでんでん1、2を飼育。この暑さで就寝中にエスカルゴになっていたらどうしようかと思う。無事に2匹とも生きる。

起床したら母がでんでんたちに梨皮、人参、庭の小

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記憶③

記憶③

今日はずっとTVを見る日。何かを見ると思考停止。あまり良くない。同じ考えを巡っている時には大変助かる。

何も起こらなく考えもしなかった。メモしておいたどうでもいい記憶を出す。全部くだらなくどうでもいいこと。

・給食の主食が中華丼の時は何時も困る。鶉の卵、鰂、肉、小海老も食べたくなかった。何時もキャベツ、餡のみでごはんを食べ凌ぐ。

・親友が黍魚子を伝説の不味い魚と呼ぶ。

・受験期、学校に行く

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思い出ペペロンチーノ

思い出ペペロンチーノ

頑張る。時間をかけ作る料理は不味い。無情。切ない。一人暮らし。狭い台所、火元はIHコンロ1口。部屋で奮闘し作るペペロンチーノは全然美味しくなく引く。油跳ねアチチ。小流しに洗い物は嵩む。次引っ越し時は広い台所の家に住む。メラメラ完食。

大好きな人の作る食べ物はやたら美味しい。親友の家に宿泊した日、起き抜けに作る高菜パスタが忘れられない位美味しい。その後1人で家で作る。何だか微妙。親友は魔法をかけた

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夏になるとやんちゃな子になりたかったと思い出す

夏になるとやんちゃな子になりたかったと思い出す

夕暮れ蝉の音が聞こえるとワクワクする。今日も「部活の夜練ある」って嘘をつく。そうすると出かけられる。本当はいけない。「ママ、弁当はいらない」と声をかけお小遣いでこっそり買ったキラキラのヒールの高いサンダルを履いて行く。「何処で買ったのそんな靴」って言われたけど「夏休みだからいいでしょ」と言う。

キラキラしたヒールの高いサンダル、メイク、眉カット。そう。何か少女漫画感。私は実際にやっていたがやんち

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珈琲が飲めるようになった

珈琲フィルターに黒い粉を2杯。やかんからお湯を注ぐ。ムクムク膨らむ黒い粉から立ち込める湯気。独特の匂い。ガラス容器に溜まる黒い液体。小さい頃からずっと身近にあったのに遠い。ずっとあなたのじゃないよという顔。教務室を開けた瞬間、喫煙室を出てきた人の体、大好きな人と行くカフェ、午後3時の台所。私は同じ場所に居つつ柔らかいタオルケットで包まれ端に置かれる。託児所。

17歳、社会との最後の手繋ぎ期。あな

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JKハラスメント

JKハラスメント

ランチを誘うハードルが高く1歩を踏み出す決心が出来るまで何度も手を洗う。勇気を出し友達の所に行っても決心が遅い。もう他人と食べ始める。切り揃えられた襟足が食物を飲み込むのと共に揺れる。ご飯を食べる。確認。自席に戻り木目を睨みランチをそそくさと食べる。玉子焼きの甘さが私を慰める。沁みて悲しい。食後は図書室に行き優しい司書と当たり障りのない話をする。御手洗の1番端に入り4限目の予鈴まで閉じ籠り壁を見つ

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10年

10年

数年前、年末に私宛に分厚い手紙とプレゼントが届いた。封筒にはある先生の名前。更に前から、年賀状も途絶えていた。嬉しく懐かしい。

帰りのSHR。先生が言った。覚えている。急に記憶だけが飛ぶ。音楽準備室の壁の穴。給食室の変な匂い。校門前の安全ボラのおばちゃんのエプロンの柄とかを思い出す。ゾワゾワ。

10年も前のこと。私は覚えている。5月、全校生徒で田んぼで米を育てる。10月、全校生徒で収穫した新米

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緩やかな午後の日に

緩やかな午後の日に

夏らしい暑さに喜びを感じ約3週間ぶりに外出をする。もう夕方。憂鬱を抑えることは不可能。私には寄り添うことしか不可能。周りは嫌なことばっかり言う。嗚呼、嫌。見るもの全てが妄想。妄想は強い。気に食わない物しか見つからず眼の奥が疲れる。何故こんなに人間は愚か。私の人生は全てこんなハズではなかった。目を閉じると庭。庭で小さな王国を作る。ごっこ遊びえおする庭。私は庭で1人土を弄る。

あの日に直ぐ戻る。ラン

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