「私つまらない者ですが」企画書

キャッチコピー:三十路OL×女子小学生が繰り広げる自分探し(?)のドタバタコメディー

あらすじ:10年勤めたブラック企業をやっとの思いで退職した熊谷美里は、解放感に満たされると同時に周りの人間がいつの間にか、結婚・妊娠・昇進してる事実に気づき焦りを感じる。
急いで婚活を始める美里だったが、そこで自分には趣味や熱中できるものが何もないつまらない人間だということに気づく。

意気消沈した美里は、地元に帰るがそこでBL漫画家として活躍してる友人・小百合、そして小百合の子供である穂花と14年ぶりに再会する。穂花は親がBL漫画家で自身もBL好きということがクラスにバレてしまい嫌がらせを受けていたが、美里は好きなものに熱中する穂花に感銘を受け、2人は年の差22歳の奇妙な友人関係を築くこととなる。

第1話のストーリー:
美里は、新卒から32歳になるまで10年勤めた「株式会社 ラグールシー」というIT会社を退職した。この会社はいわゆるブラック企業と呼ばれる会社の一つだったと美里は改めて思う。朝7時半に出勤し、夜11時に退勤が日常、有給も5年目の時にインフルエンザに罹り取得した時が最後だった。ロボットのようにがむしゃらに働き、家に帰っては寝るだけの日々を過ごす中で、同僚や後輩の退職により仕事量がどんどん増えたことで何かがぷつんと切れ、そこから退職を決意するまでは早かった。退職する際、美里は上司とも揉めた末、最終的に約2ヶ月の有給休暇を取得することができた。次の就職先も決まっていなかったが、美里はとりあえず今はしっかり休んでやりたくてもやれなかったことをやろうと決めていた。

しかし、いざ時間ができると自分のやりたいことは果たして何なのか分からなくなった美里は、とりあえず友人と遊ぼうと連絡を取るが、友人は結婚やら妊娠やら昇進やらで皆忙しく、それも叶わなかった。美里は今まで自分が仕事にしか目を向けていなかった中、周りはどんどんと人生の次のステージを歩んでいる事実に気付かされる。美里は特に結婚願望が強いわけではなかったが、やはり30代に突入したことで、結婚しなくてはいけないという強迫観念めいたものが自分の中にあるため、美里は急いで都内で開催されている婚活パーティーへの参加を申し込んだ。

婚活パーティーの会場は銀座。今回の婚活パーティーを主催している会社が過去行ったパーティーの口コミを見ると、参加する男性の年収は比較的高め、また女性もそこそこに稼いでる人が多かったという。美里は、久しぶりにがっつりメイクをし、買ったばかりのワンピース、そして何年履いていなかっただろう高めのヒールを履いて婚活パーティーへと向かった。パーティーは立食形式で、各々自由に話しながらたまにイベントを楽しむという形だった。なんとか会場内の男女4〜5人のグループの中に入ることができた美里は、当たり障りのない会話をした。しかし、趣味の話になった時、他の人たちがスポーツやアニメ、音楽などの話題で盛り上がっている時美里は自分には趣味となるもの、熱中できるものが何もないことに気づき、最後まで会話の中に入ることができず、誰ともマッチングしないまま婚活パーティーは終了してしまう。

第2話以降のストーリー:
婚活パーティーに参加したことで、自分は何もないつまらない人間だということを感じた美里。美里は自己嫌悪に苛まれ、帰宅する。改めて自分の家を見た時、漫画やDVD、スポーツ器具など趣味に関する物は何もなく、生活に必要最低限ない物しか置いてない殺風景な部屋であることを思い知る。

そんな中、美里は母親から実家に帰ってくるよう連絡がきたため、地元へ帰ることにする。母親は、これを機に結婚して地元で就職することを望んでいるが、美里は婚活パーティーのこともあり自分に自信が持てず、今一歩踏み出せずにいた。

そして美里は、地元で高校の時に仲良くしていた友人・若林小百合と再会する。小百合は学生時代から絵を描くことから好きでよくノートの隅に四コマ漫画を描いていた。漫画も多く持っており、学生時代よく美里も漫画を貸してもらっていた。そんな小百合は若くして結婚し、今BL漫画家として活躍していた。BLならではの用語が飛び出してくる会話に美里は圧倒されつつも、学生時代の思い出話に花を咲かせる。小百合は自分の娘・穂花が最近元気がないことを美里に相談する。何があったのか聞いても何も答えてくれないため、小百合は身内ではない美里が話をそれとなく聞き出してくれないかと美里は小百合に頼まれる。美里は一度は断るが、有り余る時間でやることも特になかったため、穂花と会うことを決める。

別の日に改めて小百合の家を訪ね、美里はそこで初めて穂花と会う。小百合の話によると、穂花は今年で小学3年生になるという。元々は溌剌とした性格で元気がなくなったのは最近のことだという。美里は、小百合が外出でいなくなった隙を見計らい、穂花にそれとなく話を聞いてみるが、穂花は必要最低限のことしか話してくれず、結局その日は穂花とろくに会話もできないまま元気がなくなった原因を聞き出すこともできなかった。

別の日、美里は新たな趣味を見つけるため、婚活パーティーで話に出てた漫画を買おうと本屋に向かう。その本屋で、美里は穂花と再会する。美里は穂花に声をかけ、穂花はあわてて手に持っていた漫画を隠すが、そのはずみで漫画を落としてしまう。穂花が買おうとしていたのは、全てBL漫画だった。穂花は逃げるようにそこから走り去り、美里はその後を追いかけるが、そのまま穂花を見失ってしまった。

美里は帰宅してからも穂花の様子が気になっていたが、そんな時穂花が自分の家を訪ねてくる。穂花は今日自分がBL漫画を買っていたことを誰にも言わないでほしいと頼みにきたのだった。美里は、母・小百合が描いた漫画を買っていたのだろうとフォローするが、穂花はそれだけではなく自分も母の影響で小さい頃からBL漫画を読んでおり、今じゃ自分は立派な腐女子であるということを美里に打ち明ける。

しかし、ある時クラスメイトに本屋でBL漫画を買い漁っているところを目撃されてしまい、自分がBL好きであることをクラス中に知られてしまうこととなってしまった。以来、女子生徒からいじられ、男子生徒にも自分達のこともそういう風に見ているのかなど揶揄われるようになり、元気がなくなってしまったのだった。穂花は自分がBL好きであることを恥じているのではない、しかしこのことが母親にバレれば自分のせいで娘が笑われていると感じてしまうのではないかと思い、今まで言えなかったのだった。

美里は、真剣に打ち明けてくれた穂花に心を打たれ、そこまで長く好きでいられるものがある穂花が羨ましいと言う。自分は逆にずっと与えられた仕事しかしてこず、好きといえるもの、熱中するものが何もないことにこの歳になって気付いたことを打ち明けた。趣味もないため、他の人との会話も盛り上がらず、昔は当たり前にできてた友達や恋人の作り方も忘れてしまったと美里は話す。
そして昔から、絵が好きで、そしてそれを仕事にしてる小百合に対しても憧れを抱いてること、そして自分はこの前小百合の家に行った時に初めて小百合の描いたBL漫画を読んだが、すごく面白かったことを穂花に告げる。
それを告げた途端、穂花はすごい勢いで美里に迫り、自分と美里は母の作品のファン仲間であると捲し立てる。そして、他のBL漫画の魅力も熱弁し、美里は「受け」「攻め」「カップリング」などのBL用語を次々と穂花から教えてもらう。そして、穂花は美里が今は付け焼き刃でしか趣味を探そうとしていない、本当に好きなもの、熱中するものは運命のようにビビッとくるものだと言う。

美里は、穂花が好きなものを語る姿に感動し、穂花と友達兼師匠になって欲しいとお願いする。美里と穂花は、年の差22歳の友人関係を結ぶこととなる。

穂花はその後、美里から自分の好きなものを恥じることなんてない、またからかってくる人、嫌がらせしてくる人がいれば、過度に反応せず笑って何事もないように振る舞えと教える。
美里は、ブラック企業にいたときほぼすっぴんで出社していたことから、同僚の男性に揶揄われていたが、そこで泣いたり怒ったりすると相手の思うつぼのため、笑ってかわしていたことから、穂花にもそれを伝授する。
いつも通りクラスメイトに揶揄われた際、穂花はその通りに振る舞い続けると、いつしかクラスメイトからの弄りはなくなっていくようになった。

そして、美里も転職活動もしながら、自分が本当に好きだと思えるものは何なのか探り続け、穂花にこの趣味はどうかと聞き、穂花にだからそういうことではないと叱られる日々を過ごしていた。

そんな中、美里はやっとの思いで就職したホワイト企業へ転職し、そこで大学時代の同級生・風間輝良と出会う。風間は美里と同じマーケティング部であり、美里は風間から研修を受けることとなる。風間は学生時代から多趣味で、今も土日は外出してばかりだという。仕事もでき、女性にもよくモテていた風間を別の世界の人間として見ていた美里だが、実は風間にもある秘密があった。
そして、穂花の小学校にも久留米敦という男子生徒が転校してきた。敦は、眼鏡をかけており寡黙で誰とでも小さい声で話す性格だったが、なぜか穂花と話す時は快活に話す。敦は穂花になぜか興味を示しているが、それにはある理由があった。





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