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ウルトラセブン「第37話 盗まれたウルトラ・アイ 英題・The Devil's Angel」

ウルトラセブンの第37話「盗まれたウルトラアイ」は、シリーズの中でも特に印象的なエピソードとして多くのファンに記憶されています。このエピソードは、ウルトラセブンが地球を守るために戦うだけでなく、宇宙人としての孤独や葛藤を深く掘り下げた物語です。

脚本 市川森一
監督 鈴木俊継
特技監督 高野宏一

よく見ると、ジュークボックスのアルファベットの「I」がない。
つまり、「愛」がない。
芸の細かいシーンの演出であった。と、気づいたのは大学生の頃だったかな。最初のセブン放送時はまだ赤ん坊だったら。。。

物語は、未確認飛行物体の襲来が疑われる山中で、ダンプカーを奪われた男が倒れているのをウルトラ警備隊のフルハシとアマギが発見するところから始まります。ダンは若い女性が運転するダンプカーを追跡しようとしますが、その途中で円盤に襲われ、意識が朦朧としている間にウルトラアイを盗まれてしまいます。

ウルトラ警備隊は、マゼラン星に向けて送信される「迎えはまだか」という電波の発信源を突き止め、スナックノアに乗り込みます。そこで、電波の発信機となっていたリズムボックスを押収し、マゼラン星から発射された恒星間弾道弾が地球に迫っていることを知ります。ダンはウルトラアイを取り戻すために少女マヤの元へ向かい、彼女がマゼラン星に見捨てられたことを伝えます。

最終的に、ウルトラセブンは宇宙へ飛び立ち、ウルトラホーク1号、2号が撃墜できなかった恒星間弾道弾の中に乗り込み、軌道を変えることに成功します。地球に戻ったダンは、少女が身に着けていたブローチを見つけ、彼女が自らの命を絶ったことを悟ります。

このエピソードは、宇宙人と地球人との交流、孤独、そして犠牲というテーマを扱っており、ウルトラセブンシリーズの中でも特に感動的で深いメッセージを持つ話としてファンから高く評価されています。

物語の中心には、マゼラン星人の少女マヤがいます。彼女は地球に潜入し、ウルトラアイを盗む任務を帯びていましたが、その過程で彼女の孤独と苦悩が描かれます。マヤは、地球を破壊するために送り込まれた工作員でありながら、地球人としての生活に触れ、葛藤を深めていきます。彼女の行動は、地球を侵略する価値がないという彼女の言葉に象徴されており、その背後には彼女自身の存在意義や宇宙の広大さに対する問いが隠されています。

このエピソードは、ウルトラセブンが巨大化して怪獣と戦うというお馴染みのパターンを取らず、代わりに人間ドラマに焦点を当てています。そのため、子供たちには受け入れられにくい内容であったかもしれませんが、そのドラマチックな展開と深いメッセージ性は、大人の視聴者には強く響くものがありました。

市川森一による脚本は、ウルトラセブンのエピソードの中でも特に評価が高く、彼の手がけた他のエピソードと同様に、時間が経つにつれてその価値が再評価されています。マゼラン星人マヤを演じた吉田ゆりさんの演技も、彼女のキャラクターの複雑さを見事に表現しており、視聴者の心に深い印象を残しました。

ウルトラセブンのこのエピソードは、単なる特撮エンターテインメントを超えた作品であり、人間と宇宙人、そして異文化間の理解と共感について考えさせられる内容となっています。このような深いテーマを扱いながらも、ウルトラセブンのアクションとスリルを失わないバランスの取れた作品は、多くのファンにとって特別な存在であり続けるでしょう。ウルトラセブンの物語は、今日でも新しい世代のファンを魅了し続けており、その魅力は時を超えて色褪せることはありません。

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