
バブル世代と就職氷河期:学歴による格差の現状
バブル世代と就職氷河期:学歴による格差の現状
日本のバブル経済が崩壊した後、多くの若者が厳しい就職環境に直面しました。特に、1993年から2004年にかけて卒業した「就職氷河期世代」は、非正規雇用の増加や所得格差の拡大といった社会的課題に翻弄されてきました。
この世代の中でも、大卒と非大卒の間には顕著な格差が存在し、その差は時間が経つにつれてさらに広がっています。
バブル世代の大卒者は、安定した職に就く機会が比較的多かった一方で、非大卒者は不安定な雇用形態に追いやられることが多く、結果として経済的な不平等が生まれました。
そして、就職氷河期世代では、この傾向がさらに強まりました。
高卒・大卒者が就職時に非正規雇用だった割合は、バブル世代ではそれぞれ8.7%、2.9%でしたが、氷河期世代では10~20%台に跳ね上がり、その後の世代でも非正規雇用は増え続けています。
この格差は、単に雇用形態の違いにとどまらず、家族形成や社会参加にも影響を及ぼしています。経済的な不安定さは、結婚や子育てといった人生の大きな決断にも悪影響を与え、少子化や未婚化の進行に一役買っています。
また、所得格差の拡大は、特に氷河期世代以降の世代で顕著であり、社会との接点が乏しい無業者や孤立無業者の割合が増加していることが指摘されています。
このような状況は、日本社会全体にとっても大きな課題です。経済的な格差が拡大することで、消費が落ち込み、税収が減少し、社会の活力が失われる可能性があります。また、将来的には、公的年金の受給額が少ない中で生活保護に頼らざるをえない高齢者が増えることも懸念されています。
この問題に対処するためには、政策の再考が必要です。セーフティネットの拡充や雇用政策の見直し、そして教育機会の平等化が求められています。日本が直面する学歴による格差問題は、単なる個人の問題ではなく、社会全体が取り組むべき重要な課題であることを、私たちは忘れてはなりません。