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港のスナイパー雅! ep16「対立する二人のスナイパー」
港のスナイパー雅
港の夜は静かだった。波の音が遠くから聞こえ、冷たい風が吹き抜ける。雅は高台から港を見下ろしながら、ライフルのスコープを覗いていた。彼女の目は鋭く、どんな動きも見逃さない。
「また会ったわね、雅。」
背後から冷たい声が響いた。雅は振り返ると、そこには白石レイナが立っていた。彼女の目は冷たく、まるで氷のようだった。
「レイナ、こんなところで何をしているの?」
「あなたと同じよ。敵を狙っているの。」
雅は微笑んだ。「君と共闘できたら、もっと効率的に敵を倒せると思うんだけど。」
レイナは一瞬、考えるように目を細めたが、すぐに首を振った。「私は一人でやるわ。あなたと組むつもりはない。」
「なぜ?お互いを認め合っているのに。」
「認め合っているからこそ、私は自分のやり方でやりたいの。」
雅はため息をついた。「君のクールな態度にはいつも驚かされるよ。でも、君の決意は尊重する。」
レイナは微かに微笑んだ。「ありがとう、雅。でも、私たちが共闘する日は来ないわ。」
雅は再びスコープを覗き込み、レイナも自分のポジションに戻った。二人は互いに認め合いながらも、決して交わることのない道を歩んでいた。
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組織の命令
数日後、レイナは組織の上層部からの命令を受け取った。その内容は、雅の抹殺だった。レイナはその命令を見つめ、心の中で葛藤が渦巻いた。
「どうして…雅を…?」
レイナは悩んだ。雅とはライバルでありながらも、互いに認め合う関係だった。彼女を抹殺することは、自分の信念に反する。しかし、組織の命令を無視することもできない。
レイナは深い溜息をつき、夜の港に向かった。雅がいつもの場所にいることを知っていた。
「雅…」
レイナは心の中で呟きながら、決断を迫られていた。
広尾学園高校の真実
雅は広尾学園高校の生徒であり、日中は普通の女子高生として過ごしていた。しかし、彼女はある日、校長室で見つけた秘密のファイルから驚くべき真実を知ることになる。
「校長が…テロ組織の黒幕…?」
雅は信じられない思いでファイルを読み進めた。校長こそが、彼女が倒すべき敵であり、テロ組織の黒幕だったのだ。この意外な事実を暴いた雅は、すぐに行動を起こすことを決意した。
「レイナ、話があるの。」
雅はレイナに連絡を取り、秘密の場所で会うことにした。レイナは冷たい表情で現れたが、雅の真剣な目を見て、話を聞くことにした。
「校長がテロ組織の黒幕だって…?」
レイナは驚きの表情を浮かべたが、すぐに冷静さを取り戻した。「それで、どうするつもり?」
「一緒に戦ってほしい。君の力が必要なんだ。」
レイナは一瞬、考えるように目を細めたが、やがて頷いた。「分かったわ。今回は共闘しましょう。」
こうして、雅とレイナは手を組み、共に校長を倒すための戦いに挑むことになった。