金砂オタクの情緒破壊シナリオ(恋と深空 ホムラ 『珠玉を描いて』)ネタバレあり感想
前回の思念(『思い込めた絵』)は、「君の帰りを待つホムラ」のお話、
前々回の思念(『溺れるままに』)は、「孤独を恐れるホムラ」のお話、
今回の思念は、「どこにいても必ず君を見つけるホムラ」のお話、
なんだなと思いました。
毎回違ったテーマでホムラを深掘りできるのは大変興味深い。
そして今回のシナリオ、ホムラの伝説ストーリー『金砂の海』をかなり意識した作りになっている。
というか、『金砂の海』のオタクを全力でぶん殴りに来ている。
このゲームは一体、何回オタクの情緒を破壊したら気が済むんだ???
乙女ゲームってイケメンときゃっきゃうふふするゲームじゃなかったの???
このシナリオを単体で読めば「わあ~良いお話だった~ホムラ、イケメン💖💖」で済んだかもしれないが、伝説ストとセットで深読みすると、数世紀にわたるホムラの主人公への愛の深さとその行く末にしんどさでむせび泣きそうになる。意味がわからん。私はただイケメンと幸せになりたいだけなのに。
というわけで、今回のイベストを振り返ってみようと思います。
(以下ネタバレありです)(性質上、『金砂の海』のネタバレを含みます)(今回も筆者の妄想マシマシでお送りいたします)
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(1)二次創作の追随を許さない恋と深空
コアのせいでご都合タイムスリップ……異国の地で慰み者として、姫に献上されるホムラ……僕はいかがですか……
いやいやいや、姫様と従者パロかよ。コレ公式なんか(頭抱え)
初っぱなから二次創作で出てきそうな設定モリモリで、これが公式から供給されているというヤバい事実に恐れおののく私。
というか、献上されるホムラ。あれ、どっかで聞いたことある設定だぞって、まさしく金砂!!!金砂でのホムと主人公の出会いとおんなじじゃないか!!!(もうこの時点で嫌な予感がする)
そして、この忍び込み方ってホムラの常套手段なのかなって思った。
彼は自他共に認めるイケメンだし、姫様に会いに行くには手っ取り早い手段よね。武力で真っ正面から殴り込みに行くタイプの深空男子もいるけど、ホムラってこういう小賢しい手段を取れるところに大人の余裕を感じる。自らを貢ぎ物として送り込むって、プライドとか見栄が気になりそうなものだけど、ホムラは全く気にしてない。彼にとっては、その時の最善の手段を取っているだけ。そゆとこかっこいいな~って思う。
それにしても、ホムホムの腹筋美しいね……。
思念の告知があったときは、肌色面積の広さにオロオロしてたんだけど、これはもはや芸術品だよ……。
絶景ってホムホムの腹筋のことで合ってるんだよね???
(2)久々の再会と素直な二人
いつもより素直な二人に大変萌えました。やはり会えない時間が愛を育むんだ(!)
相変わらずのホムラ節で、言葉上ではバトルを繰り広げていても、ホムラが自然と主人公を引き寄せていたり、その二人の距離感に恋人を感じて、とても良かった。言外で伝える描写ってところが憎い。
「さっきの男達に魅了されていたかもしれない」ってホムラに「そんなわけないでしょ!」って即座に否定する主人公も、その反応に嬉しそうなホムラも、もうすべてが幸せ空間だった。ここに教会を建てよう。
ホムラは何があっても主人公を探し続けてくれるんだなあ。探すことになんの迷いもない。躊躇がない。それが当然のことだと思っている。それは愛……。BIG LOVE……。と同時に、あーホムラって主人公を探すことに抵抗がないんだな。慣れてるんだな。それほどまでに主人公のこと、何度も探し続けてきたんかお前は、と思うとちょっと泣きそう。
そして、ここで引っかかったのは、ホムラが「君が僕のことを忘れていない限り、必ず見つけられる」と言ったこと。
たとえ主人公がホムラを忘れたとしても、彼は主人公のことを探し続けて、最終的に見つけると思うんだけど、ここの真意は謎。
ホムラのことを忘れた主人公は、僕の探している君とは別人扱いになるということなのか。
もしくは「君が僕のことを忘れていない限り、”君が僕のことを”必ず見つけられる」という意味かもしれない。だとすると彼なりのちょっとした皮肉と願いが込められていそう。
それにしても主人公ちゃん、ホムラのネックレス引っ張るの好きね!
「もう少しいてくれてもよかったのに」って子どもみたいに拗ねるホムラが可愛かった。
そしてちょっぴりSなホムホム。主人公のことを攻めているようで、それでいてホムラが主人公に甘えている絶妙なバランス具合にもだえた。
「暗すぎてちゃんと聞き取れなかった」って、暗さと聞き取れないのは別問題だろwって思わず突っ込んだけど、ごねるホムラが可愛いので許した。
願わくばここ、主人公のボイス欲しかったなあ😭
素直な気持ちを吐露し合う二人が最高に可愛くて、こそばゆかった。恋っていいね……。
(3)『金砂の海』やないかい
高い塀に囲まれた宮殿に閉じ込められたお姫様、外の世界を見せてくれる海神さん、見渡す限り広がる金色に輝く砂漠、こんな宮殿に閉じ込められるのは退屈だというお姫様。
『金砂の海』やないかい!!!!!
歴史は繰り返すって事なのだろうか。
まあ潜行者ホムは主人公の心臓を奪うために近づいたわけで、目的がまるきり違うけど。
それでも金砂を思い起こさずにはいられない描写の数々。これは本気でオタクの情緒を破壊しにきてる。
(4)文化財への知見が深いホムラ
書庫にて元の時空に帰るヒントを探す二人。
「絵なんだから、文字を読み取る必要はないでしょ」って主人公の頭を軽く叩くホムラに、短いながらも二人のイチャイチャが凝縮されてて、ドキッとした。もう、なんでもイチャイチャの道具にするんだから!
そして、ここでの衝撃台詞
「だから成人向けだと言ったのに」
まさかホムラの口から「成人向け」なんてワードが飛び出る日が来るとは(笑)
成人向けの本を隠そうとするホムラに、好奇心が勝ってその優しさを踏み躙ってしまう主人公(笑)盛大に笑った(笑)
でも、やっぱホムラってこういうところ大人だよねえ、って思った。
こういう時は恥じらったりせずに、何も言わずに主人公の気を逸らそうとしたり、目を覆ってあげたり、あくまで主人公が困らないように気遣いができる。
「何を緊張しているんだ」って呆れてるその余裕が大人なのよ!
ホムラは主人公のことが好きだから、主人公の言動に赤面してしまうだけで、そういうこと全般には慣れてる気がするんだよなあー、という寄り道考察でした。
それから、役立ちそうな文献を見つけて、寝殿に戻ってきた二人。
というかホムラって博識だよね。美術品に関する知識は相当あるっぽい。さすが元大学の特任教授。
物語の冒頭で、なんで主人公の仕事にわざわざ首突っ込んで来たんだろう?って不思議に思ってたけど、なるほど壁画とか、文化財ってホムラの得意分野だったんだなあと納得。
ホムラって芸術家を生業としているし、加えてトウさんなど周囲からは気難しいと言われる性格だし、一見すると努力せずとも才能でなんでもやってのけるテキトー自由人に見える。
まあ実際にリモリア人だし、人間には見分けられない何億もの色を識別できる瞳を持ってたりする。
でも、彼は天性のものだけで勝負しているわけではなくて、色んなところに留学して、知識もあって、人に教えるのがうまいということは言語化能力にも長けていて、咄嗟の切り返しとか見てると頭の回転も速いし、結構色々と考えてて、戦略家だし、月並みな言葉だけど頭が良いんだなあと感じる。
ホムホムのギャップ萌え。
(5)そしたら、また君を見つけるよ
また離れ離れになったら……と心配する主人公に、「そしたら、また君を見つけるよ」と、自信満々に答えるホムラ。
ホムラって、これまでに何回主人公のことを探す旅に出たんだろうか。
きっと数えきれないほど主人公のことを探してきたんじゃないか、と思った。
そして、いつだって必ず主人公を見つけてきた。だからこその自信。あれは、根拠のない自信なんかじゃない。経験に裏打ちされた自信であり、絶対に見つけるっていう信念みたいなもの。
そこがホムラの強いところだと思った。見つけられるって信じている。主人公がいてくれさえすればホムラはどこまでも強くあれるんだよ。
というオタクの妄言。
(6)良識ある大人と我慢の限界点
ホムラが主人公に手を出す時って、耐えに耐えて我慢ならなくなった時ってのが一貫してるなあ、と思った。
いつも免罪符を探しているように見える。
主人公がそう言ったから、主人公が誘ってきたから、主人公がそうしたがっているから。
なんでだろ?主人公に手を出したら何かまずいことが起こんのか?離れがたくなるから?まだ覚悟が決まってないんか?
この辺は、外伝ストーリーとかで補完されるといいなあと思っているが、この主人公のせいにして、攻めてくるところが、ホムラのずるいところであり、脆さだなあと思う。
ホムホムよ、いったい何を怖がっているんだ。
「探してみて」のところ、ホムラが良識ある大人として必死に耐えてるところがたまんねえ。
でも、吹っ切れホムラはエロエロビーストだよね。キッスする前に唇にチラッと視線よこすのが野生み感じて凄かったです。
まあでもなんだ?あの誘惑の魔物シーンは、物語の進行上あってもなくてもよかったんじゃないか感はある。サービスシーンとして享受した。リップ音がすごくて思わず顔を覆った。
(7)何世紀にもわたり、繰り返される出会いと別れ
急に「ひょうたんから駒」とかいうことわざが出てきてびっくりした(笑)
けど、よく考えたら中国由来のことわざなのかもしれない。
そして、ここでの衝撃台詞
「好きだから」
ホムラがここまではっきりと「好き」って言うことあった!?!?!?!る!えええっ!?!?!?
いや、私は2.0アプデから始めた新人ハンターだから、知らなかっただけかもしれない。でも普段あまり言葉にしてくれない彼が「好きだから」と口にしたのには、正直度肝を抜かれた。
そして、ホムラは「好きだから」というたった5文字のシンプルな理由で、主人公のことをずっと追いかけることができる男なんだと思った。いや、重たすぎるこの男。(褒めてる)
そして、衝撃台詞パート2
「この時空でも君に会えたことじゃないかな?」
「次の時空でも、僕は君の手を握り続けるよ」
あなた、これまで一体いくつの時空で主人公と出会い、別れ、また出会い、別れを繰り返してきたんや……。
果てない出会いと別れの数を想像して泣きそうなんだけど😭
ここは完全にダブルミーニングになっていると思っていて、ホムラの言う「この時空」っていうのは壁画によって飛ばされてきた砂漠の世界というより、現代軸のボディーガードと画家として出会った二人のことを言っているんじゃないかという気がしている。
そして「次の時空」と言っているのは、この現代軸のもっと先のことまで指しているんじゃないかと。
「次の時空でも、僕は君の手を握り続ける」というのは、この先主人公が生まれ変わって、記憶を失ったとしても、絶対に主人公を見つけるって意思の強さの表れと、未来への約束みたいなのを感じた。もはやこれってプロポーズでは!?!?
でもしんどいことに、私たちは知っているんだよね。
ホムラがその約束を一度は破ろうとすることを。
金砂で、ホムラが主人公の手を一度は手離そうとすることをさ。
ここまで主人公のことを想っているホムラにそんな決断をさせる金砂軸がいかにエグイことかを突き付けられて、今回の思念はもうエロとしんどさのミックスジュースです。だいぶ心がやられてます。
そして無事に現代へ戻ってきた二人。
ホムラの言う「隔世の感」って初めて聞く表現だな~と思って調べたら「時代の移ろいを感じる」という意味らしい。
それに対して主人公、
「あんまりかな。だって、そばにいる人は同じだから」
これ、ホムラが沈黙してしまったのは、ホムラも主人公に対して同じこと思ってるから、だと思った。どの時空の主人公に出会っても、結局「君は君だ」って。そう実感しているんじゃないかな。
主人公は毎回記憶をなくしてしまうから、ホムラとの出会いは毎回初めましてになる。ホムラにとっては記憶をなくしても君が君であることに変わりはないのに。
そこに対してもどかしさを感じることもあっただろうけど、主人公のこの言葉で少しは彼が救われるといいなと思った。
そして最後に、衝撃台詞パート3
「砂が海水にならない限り、僕はきっと砂漠で座礁してしまう」
「もう一度親切な人に助けてもらわないと」
「前もって彼女にお礼を言っておいた方がいいかな?」
前もってお礼ってこれ、金砂のこといってんのか……。マジで言ってんのか……。おまえ……、砂漠を海にするには、代償として彼女の心臓をえぐり取らないといけないんだぞ……!?!?!?それに対するお礼だと……!?!?!?えぐすぎる伏線回収だぞ!?!?!?!?ってメタ読みして、勝手にしんどくなった。びっくりしちゃった。
果たしてこの現代軸のホムラがどこまで予言を知っているのか謎だけど、こんな台詞を言っておいて、何万年かの時を経て実際に海が枯れて、冗談では済まなくなって、潜行者ホムの心の内を想像すると、もうむせび泣きそうになるわ。この思念のやりとりを経て、潜行者ホムが形作られていると思うと、本当にやるせないなと思うのでした。
どうか……未来でも幸せになって……ホム主……。
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