恋と深空 / ホムラの外伝 / 感想書き散らし
どうしたらいいかわからない……放心状態である
外伝を読み終わった後、煙に巻かれたような気持ちになった。
呆然としてしまって、感想を出力することができなかった。
なんというか、情報量が多すぎる。コレに尽きる。
今回のシナリオ、心の揺れ動きにプラスして、ミステリーの謎解きみたいな要素も入ってきて、しかもそれが情報過多でほんと整理が難しい。
ちょっとこれ「考察」するには時間と体力がいる。
でも「感想」なら。こういうのは鮮度がいっちゃん大事だよな、と思うので、ここでは「産地直送そのまま感想」を書き散らしてみます。
▼ホムラってほーんと大人だよね~~~!!!!!
メインストーリー初期を見ると、ホムラって「わがまま・へたれ・甘えん坊」の3拍子そろってるイメージがあるが、公式からの新たな供給を受ける度に「ホムラってほーんと大人だよね~~~!!!!!」と思う。
ああこの人は全部わかった上でめんどくさい男ムーブをかましてくるただのスパダリか、ってなる。
「何も言わなくても、わかってる」ってのは、端的に『ホムラの優しさ』を表す良い描写だな~と思う。ホムラの優しさがぎゅっと詰まっているなと思う。
例えば『相手が言いにくいことを相手に言わせない』、これってすごい優しさだと思う。優しさって相手に何かしてあげることだけじゃない。相手に嫌なことをさせないのも優しさである。ホムラは自ら話題を振り、主人公が言いにくいことを無理して言う必要はないんだと先手を打ってくれる。しかもその後のホムラは相手のことを慰めたり、フォローしたり、何かしてあげるんじゃなくて、「わかっているよ、だからそのままの君で大丈夫」って言ってくれる。この包容力の発揮の仕方ってかなり大人じゃないとできないと思う。
主人公が約束を忘れてしまったことに対して、「気にしないで良いよ」とか「君が罪悪感を持つ必要はないよ」とかフォローすることはできる。でもこれって、実は言われた方は余計に苦しいと思う。自分が悪いのに、自分を責めることができない。感情の向け先がなくなってしまうから。だから、ホムラは主人公が罪悪感を持つことを否定せず、それでも気になるなら「命令すれば?」という提案をしてくれる。この提案には言外の含みが持たせてあると思う。あくまで次の行動を選び取るのは主人公であり、ホムラは主人公がどんな決断をしてもそばにいるよってこと。
なんだこのお魚!!!!!相当手練れじゃないか!?!?!?!?
まず「察して汲み取る」ができないと、この優しさの発揮は出来ないし、ってことは主人公のことをすごくよく観察しているんだと思う。
そしてホムラは「最適な回答を出すまでのスピード感が尋常じゃない」。主人公が助けを求めに来た時点で全ての準備が整っているので、行動力や人脈、彼の頭の回転の早さその他もろもろがかけ合わさって、ものすごい課題解決スピードになっている。ホムラは仕事が出来るお魚。
しかも、主人公が助けを求めに来ることですら「さりげなく自分に頼るように仕掛けて」いて、主人公側としては自覚ないけどホムラに誘導されている。でも、あくまで主人公がSOSをあげるまで、勝手にホムラが動くことはないし、また主人公の依頼はホムラにとってもウィンウィンな関係になるようにしてあるから、恩着せがましくもない。互いの利害のための行動なら、借りを作ることにもならないしね。
ホムラって助けられているという実感を主人公側がそんなに持たないまま助けてあげられるところがほ~んと凄い。ただそばにいるだけじゃなくて、適切なタイミングで、適切なツッコミができる。相当な上級者だなあと思う。
本来の彼は主人公が一番欲しい言葉を瞬時に投げかけてあげられるようなスパダリだと思うので、初期の主人公を振り回してたホムラはやっぱり演出だったんだろうなあと思う。彼はもう少しスマートにできたはず。
でも、目的があって振り回してたんだろうなあ。それは「一度に伝えたら頭がショートしちゃう」ってとこに繋がるんじゃないかなと思っていて、ずっと待っていたんだと思う。彼女が同じ土俵に上がってくるのをずっと待ってた。
最初からげきおも運命背負わせても主人公が困るだけだから、おもしれー男を演じて、気軽に自分に頼れるような雰囲気を作ってたんじゃないかな。あとホムラが頼れる男だってことをところどころに散りばめて、関係を構築していったのかなと。泣いちゃう。
『溺れるままに』で己の過去をひた隠しにしていたのは、孤独になることを恐れていたからで、ホムラの都合で隠していたのかと思っていたが、あれは今では主人公を想っての行動だったのかなと思う。主人公にとって、まだ全てを知る時じゃなかったから、あえて隠したのかなあと。
外伝で「全部話すよ」ってあっさり言うからビックリしちゃった。ホムラはもっと秘密主義かと思ってたよ。思った以上に誠実な男だった。
って感じで、なんだろうな。個人的に今回のシナリオは想像よりも悲観的な感じがしなかった。ホムラが「しごでき」すぎて、「ホムラと二人ならなんでも解決できるっしょ!」っていう謎にポジティブな感情まで生まれてきている。
というか、私の予想ではホムラの「心の弱さ」とか、「脆さ」がもう少し出てくると思っていたんだよね。『溺れるままに』がホムラの「孤独」にフィーチャーしたシナリオだったので。外伝も同じような感じで、海神に乗っ取られて、精神的に不安定なホムラが出てくるのかと思っていた。でもそんなことはなかった。彼は思った以上に大人だし、精神的にも成熟しているし、なにより誠実だった。まあ秘話を読むと、Mo時代のホムラ含めて、過去のホムラは荒れていた時期もありそうだし、それを経て今の安定したホムラがあるのかもしれない。ちょっとここに関しては私のホムラ解釈を改めねばならないな、と思ったのでした。おしまい。