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ACLの手術方法は大きく2種類
こんにちは。
まつたく(@matsumo37)です。
本日は手術についてお話しします。
マニアックな話なのでスルーしていただいても良いですよ。(本当は見てほしい!)
✓靭帯の再建には「腱」を用いる
靭帯を再建する際に必要なのはその腱の材料です。
現在の医学では、自家移植腱といって自分の足から腱を採取して、靭帯として使用します。
以前は人工靱帯なるものも試みられていましたが、再建後の成績はあまりよくなく(おそらくよく切れていた、もしくは不安定感が残存した)、現在ほとんど使用されていません。
また同種移植腱もありますが、これは最終手段であると考えてもらった方が良いです。
手術が3回目とか、何かしらの理由が無い限りは使用されません。
同種移植腱をする際には抗体反応に注意が必要ですので検査が増えます。
まれに自分の身体に合わなく、別の症状が出てしまうこともあるので医師にしっかりその辺りは聞いておきましょう。
✓ハムストリングによる手術
自家移植権の代表例が、このハムストリング腱です。
半腱様筋という、太ももの内側の裏の筋肉の腱を採取します。
名前の通り、半分くらいが腱になっているので材料としてはうってつけです。
この部分を採取するメリットは
・膝前面に生じる痛みが少ない
・手術による傷口(侵襲)が小さい
・膝を伸ばす筋肉(大腿四頭筋)の回復が早い
・元々ものACLに近い形で再建できる(2重束再建)
逆にデメリットは
・膝を曲げる筋肉をとってしまう
・膝を曲げる筋肉の回復が若干遅い
・スポーツ復帰には8ヶ月〜12ヶ月を要する
などがあります。
基本的にはこの材料を使用することが多いです。
術後の注意点としては、膝を曲げるトレーニングを早くからしすぎると、肉ばなれのような症状が出ることがあります。
負荷量を調整しながら、現在やって良い時期なのかを理学療法士と相談して実施しましょう(そもそもプロコトルの中にやって良い時期が記載してあるはずです!)。
✓膝蓋腱による手術
膝蓋腱による手術は最近また増えてきている印象です。
単純に、『強度が強い』です。
なのでメリットとしては
・スポーツ復帰が早い
・移植腱が強いので安定している
・膝を曲げる筋肉の回復が早い
があげられます。
逆にデメリットは
・腱採取部に痛みが出やすい
・膝を伸ばす筋肉をとるため伸筋の回復が遅い
・ジャンプやストップ時に痛みが出ることがある
です。
BTBによる再建で1番ネックなのが痛みです。
腱を採取する際の傷口が結構大きいです。
これは術後も長期になる場合もあります(もちろんしっかり治ります)。
また膝を伸ばす筋肉になるので回復が遅いです。
この膝を伸ばす筋肉は、スポーツ復帰時の大きな指標になるので、相当なトレーニングをつまなければいけません。
何度も受傷し、両足のハムストリングを使用した方に行う手術になります。
もしくは、大きな力が膝にかかる競技の場合にこちらを選択されます。
今後またどちらがスタンダードになるのかわかりませんが、両方とも安全で確立された手術ですので安心して下さいね。
✓まとめ
近年、大腿四頭筋腱(QT)という腱を使用する症例も増えてきています。
これは膝のお皿の上の部分をとります。
研究の結果的にも上記2つに並ぶぐらい、優秀ではないかとされています。
手術後の侵襲なども少なくメリットも多いそうですが、普及しているかと言われると、まだまだな印象です(少なくとも島根では)。
手術方法は医師から提示されますが、自分が今後行いたいスポーツや、手術後のメリットデメリットをしっかり考えた上で良い選択をしましょう!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!!