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【リハビリは足元から】靴の選び方・選ばせ方|2022.05.25配信

本ブログはYouTubeの台本を、そのまま掲載しています。分かりやすいオリジナルイラスト付きで確認したい方は、YouTubeKindleで確認してください。

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はじめに

「どんな靴がいいの?」って聞かれるけど、なんて答えていいのか悩んだ...

靴選びの基本の知識学びたい!

日本人は、生活の特性上、靴選びを疎かにしがちですが、

靴選びを疎かにしていると、様々な足のトラブルを引き起こす他にも、

立位バランスや、歩行にまで影響を及ぼします。

この動画では、靴選びに最低限必要な知識と、靴選びのポイントについて説明していきます。

そして、この動画を見終わる頃には、「①靴選びの基礎知識②合わない靴を履き続けるデメリット③靴選びのポイント」が十分に理解できているはずです。

ちなみにこのチャンネルでは、

複雑で膨大なリハビリに関する知識を、整理して詳しく説明しているので、

有益な情報を見逃したくない方は、チャンネル登録しておく事をお勧めします。

では、本編に進みましょう〜

本編

靴の機能について

まずは靴の機能を確認していきましょう。

登場する単語は、

「ソール,アッパー,ヒールカウンター,ポールジョイント」の4つです。

実際には、もっとたくさんの細かい名称がありますが、

特に重要な部分を、抜粋しています。

早速、それぞれの部位と役割を説明していきましょう〜。

まず、靴は「ソール」と「アッパー」に大きく分ける事ができます。

「ソール」は、地面と接触する部位で、

床からの足の保護や、靴の推進力の形成、衝撃吸収などの役割を担います。

ちなみにソールは、一番下の「アウトソール」と、その上の「ミッドソール」にさらに分ける事ができます。

これは、名前だけでいので覚えておきましょう。

「アッパー」は、ソール以外の足を覆う部位を示します。

遊脚時の靴の牽引や、足背部の固定、前後動きの防止などの役割を持ちます。

続けて、「ヒールカウンター」と「ポールジョイント」についての説明も行っていきましょう。

まずは、「ヒールカウンター」について

ヒールカウンターは、「靴の命」とも呼ばれる部位で、踵を覆うように位置しています。

役割は、

①体幹の働きの補助

②踵骨の安定化

③履き口の形状保持

④歩行時の進行方向の誘導

の4つになりますね。

具体的には、

初期接地での踵骨の安定化や、踵骨からの上行性運動連鎖による運動誘導などを行なっている事になります。

次は「ポールジョイント」について

ポールジョイントは、MTP関節に相当する部位で、立脚後半での蹴り出しに関与します。

ポールジョイントの位置が、着用者のMTP関節とずれていると、

立脚後期や前遊脚期でMTP関節の伸展が十分に行えなくなるという事ですね。

簡単にまとめると、

「床からの足の保護などの役割を担うソール」と「遊脚時の靴の牽引などの役割を担うアッパー」に分けられる。

もう少し詳細にパーツを見ると、「ヒールカウンター」や「ポールジョイント」など部位があり、

ヒールカウンターは、歩行の立脚期前半に、

ポールジョイントは、歩行の立脚期後半に関わる

という感じになります。

自分に合わない靴のデメリットについて

ここでは、主に自分に合わない靴を着用する事のデメリットについて説明していきます。

まずは、サイズの大きい靴のデメリットについて。

ちなみに、日本人は、生活スタイルから、着脱のしやすいサイズの大きい靴を選びがちとなっています。

日本では、「外に行くときに靴を履いて、中に入るときには靴を脱ぐ」という文化があるため、

海外と比べて、靴を着脱する機会が多いんですよね。

「着脱のたびに、靴紐を結び直すのも面倒だから、大きめの靴を履いておこう、、」

と考える方が多く、

大きめの靴を、好んで選ぶ方が多い現状です。

さて、サイズの大きい靴を履くデメリットですが、

①足趾伸展筋群の過緊張

サイズの大きい靴を着用することで、アッパーの部分が緩くなるため、

靴を持ち上げる際に、足趾の伸展も必要な状態になります。

足趾の伸展を行わないと、靴を着用した足を持ち上げることができなくなるって事ですね。

この状態が長く続く事で、足趾伸展筋群の過緊張を引き起こします。

②足趾屈筋群の過緊張

サイズの大きい靴を着用することで、靴内部での足の前後動が大きくなってしまいます。

その状態では、うまく歩くことができないため、

足趾屈筋群を使って、足底を固定させて歩くようになります。

この状態が長く続く事で、足趾屈筋群の過緊張を引き起こします。

さらに、足趾屈筋群は下腿後面筋→大腿後面筋と筋膜での連結を持っているため、

下肢後面筋全体の、過緊張にもつながります。

③立脚前半の不安定性

サイズの大きい靴を着用すると、ヒールカウンターでの踵骨の安定化が図れなくなります。

それにより、立脚期前での踵骨の安定化や、踵骨からの上行性運動連鎖に支障をきたし、

立脚前半の不安定性を招きます。

④MTP関節の伸展制限

サイズの大きい靴では、ポールジョイントと着用者のMTPの位置がずれてしまうため、

立脚後半でのMTP関節の伸展を、阻害する要因になります。

結果としてMTP関節の伸展が阻害され、立脚期半での蹴り出しにまで、影響をもたらします。

4つが考えられます。

サイズの小さい靴のデメリットについて

次は、サイズの小さい靴のデメリットについて

サイズの小さい靴のデメリットは、大きく3つ。

①足・足趾の変形

サイズの小さい靴を着用し続ける事で、

「ハンマートゥ,マレットトゥ,ハイアーチ,外反母趾,たこ・魚の目」などの変形を及ぼします。

変形が起こると、痛みやバランス能力低下、力が入りづらくなるなどの二次的障害に繋がるので、注意が必要ですね。

②血行不良

サイズの小さい靴を着用する事で、足部が圧迫され、結構不良を及ぼします。

血行不良は、痛みの誘発や、壊疽にもつながるので注意が必要ですね。

③MTP関節の伸展制限

サイズの小さい靴は、ポールジョイントと着用者のMTP関節の位置がずれてしまうため、

立脚後半以降で必要な、MTP関節の伸展を、阻害する要因になります。

ここは、サイズの大きい靴・小さい靴どちらにも当てはまるデメリットになりますね。

靴を選ぶポイントについて

では、実際に靴を選ぶときのポイントについてお話ししていきましょう。

大まかな流れは、

「事前準備→着用前チェック→着用チェック」

になります。

まずは、事前準備から。

対象者の足の「長さ・幅・足囲」を図っておきましょう。

足の長さを把握している人は、多いかもしれませんが、

足幅や足囲を、知っている人は意外と少ない印象です。

靴のメーカーによって、幅の広い靴だったり、狭い靴だったりと特徴があるので、

しっかり、把握しておくようにしましょう。

それぞれの図り方は、こんな感じ。

足長

踵から、一番長い指のつま先までの長さを図る

足幅

第1趾MTP関節内側から、第5趾MTP関節外側までの距離を一直線に図る

足囲

足幅を測定した部位を、メジャーで1周まわして厚みを測定する

施設や病院でよく履かれている、「あゆみ」シリーズは、この3つから合うサイズを選べるので、参考にすると良いかと思います。

次は、着用前に確認すること。

ここは、ざっくり3つ確認しておけばOKです。

①ヒールカウンターがしっかりしているか?

実際にヒールカウンターを押して確認してみましょう。

ヒールカウンターは「靴の命」とも言われるパーツです。

押したときに、潰れない程度の硬さのものが望ましいと言われているので、

柔らかすぎないか、確認しておきましょう。

②ポールジョイントがしっかりしているか?

ポールジョイント付近を、曲げたり捻ったりして確認してみましょう。

柔らかすぎたり、固すぎたりすると、

歩行中の、MTP関節の動きに悪い影響を与えてしまいます。

数回曲げてみて、同じ場所でしっかり曲がるかどうか?

曲げた後に、すぐに戻るかどうかを確認しておくといいですね。

③アッパーがあるか?調整できるか?

アッパーの構造を確認しておきましょう。

アッパーは、靴の牽引や足背部の固定に関わる部位です。

アッパーがないものや、調整できない靴は、

靴の牽引や足背部の固定が十分に行えず、歩行に悪影響を及ぼします。

最低でも、アッパー部を調整できる靴(紐履ベルクロ)である事を確認しておきましょう。

最後に、実際に着用して確認していきます。

まず着用してみて、

・足趾のキツさや緩さはあるか?

・踵のキツさや緩さはあるか?

この2つを確認してみましょう。

次は、歩いてみて、

・足趾のキツさや緩さはあるか?

・踵のキツさや緩さはあるか?

・靴と足底が前後に滑らないか?

を確認しましょう。

最後に、つま先立ちをして、

・自身のMTP関節部とポールジョイント部が適合できているか?

を確認します。

これらのチェックをして

・足のどこかがきつい気がする

・足が前後に滑る感じがする

・つま先が曲がりずらい

などの訴えがある場合は、サイズが合っていない可能性があります。

その場合は、靴のサイズを変更したり、

メーカーをかえてみたりして、調整していきましょう。

ついでに、症状毎の靴の選び方もサラッとお伝えしておくので、参考にしてみてください。

◉外反母趾・外反足による疼痛がある場合

内側縦アーチのサポートを行える靴を選定

・ヒールカウンターが長いもの

・内側アーチを補強する構造があるもの

・靴紐がある靴

・靴の形状が少し内向きのもの

◉足底腱膜炎による疼痛がある場合

足底腱膜の過度な伸長を軽減できる靴を選定

・アーチを補強する構造があるもの

・靴紐がある靴

・つま先が反り上がった形状になっているもの(ロッカーソール)

◉踵部に痛みがある場合

踵部への負荷を軽減できる靴を選定

・踵をホールドするインソールのあるもの(ヒールカップ)

・踵部のソールが厚いもの

おわりに

誰もが毎日、履いているものなのに

靴についての知識って、全然ないですよね。

おそらく、この動画を見る前の皆さんも、

靴選びの知識や、サイズの合わない靴を履くことのデメリットについて、

ほとんど、しっかり考えたことはなかったと思います。

たかが「靴」かもしれませんが、

毎日履くものなので、その影響は絶大です。

もちろん自分も含め、対象者も自分にあった靴を選ぶことができると良いですよね。

この動画のまとめは、こんな感じになります。

このまとめ資料は、無料でプレゼントしているので、

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少しでも、新しい知識をインプットする習慣をつけると、

すぐには実感できないかもしれませんが、その成果は必ず現れます。

「りはメモ」では、臨床の基礎となる情報を発信しているので、

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最後まで、動画を見てくださりありがとうございました!

ではでは〜。

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