呼吸音聴診の基本|2023.4.15配信予定-YouTube
はじめに
「呼吸音の聴診のポイントが分からない,,,」
「呼吸音聴診の自信がない,,,」
僕はこの悩みを抱えたまま、約3年間何もせずモヤモヤしていた期間がありました。
聴診を求められる機会が来ても、曖昧なままでアセスメントし、
これでいいのか?ダメなんだけど、、、といった感じですね。
この動画を見ているあなたも、近い様な状況に陥った事があるのではないでしょうか?
そんな状態も、この動画で説明する内容を確認しておく事で抜け出せるはずです。
今後一生使える聴診の知識を身につけたい方は、ぜひ最後まで見ていって下さい・
いいねやチャンネル登録もお忘れなく。
ではでは本編に進みましょう〜。
本編
呼吸音聴診の目的
呼吸音聴診の目的は、なんといっても身体の中で何が起こっているか確認する事になります。
聴診によって身体の中で起こっている事が分かれば、どんなケアが必要か的確な判断が行え、
また、その後の患者様の身体の中の変化に気づく事もできます。
ちなみに的確なケアにつなげるためには、次のステップが重要になるのでそれぞれ確認しておきましょう。
①音を聴覚で受け取る
②音を認識する
③名称を表記する
④身体の中で起こっている事を推測
⑤その他の情報と照らし合わせる
⑥具体的なケア計画を立案する
どんな音が聞こえるか(正常音や副雑音)の事前知識がなければ、
①でしっかり聞く事ができず、②で音を認識する事もできません。
また、①〜③で音を正しく表記できても、
④に必要な知識がなければ、具体的なケア計画が立案できません。
正常音についての詳しい情報に関しては、正常呼吸音と副雑音の章で説明します。
副雑音の詳しい情報に関しては、この動画が好評でしたら、
別の説明動画を作成したいと思いますので、いいねやコメントでリアクションください。
このあたりで、呼吸音聴診が大切な理由も説明しておきましょう。
大きくは次の2つになります。
呼吸は「生きている」ために必要な機能だから
呼吸音は自分の意志で調整できないから
「入浴」や「散歩」「趣味」など、人間らしく「生きていく」ための機能を支える事も大切ですが、
そのためには、生命が維持されていなくては、
「生きている」状態でなければいけません。
呼吸は、生きている状態になるために、欠かせない機能で、
また、途切れてしまうと一番大変な機能でもあります。
食事や睡眠、排泄などは半日くらい途切れてもなんとかなりますが、
呼吸は数分だけでも止まると、大変ですよね。
そんな呼吸に異常が出た時、ゆっくり調べている暇はないのも理解できますよね。
異常を把握し、生きている状態の継続を図るためにも、
呼吸音聴診が大切になります。
呼吸音聴診か大切な理由としてもう一つ、
「呼吸音は自分の意志で調整できない」というものも挙げられます。
自分の意思で、無気肺にしたり、
自分の意思で複雑音を発生させる事は難しいですよね。
つまり、聴診で聴取できる音は、人為的な作用が加えられていない、
患者さんの身体の情報そのものという事になります。
打診や視診などによって、呼吸の状態を把握する事ができますが、
これらは人為的な作用が加えられやすく正確になりづらい事も多いです。
患者さんの正確な情報を把握するためにも、聴診は大切になるってことですね。
聴診の基本
聴診の話に入る前に、呼吸器系の機能について軽く説明していきましょう〜。
呼吸器系の機能は大きく、
換気
肺胞でのガス交換
肺内での血液循環
に分けられます。
換気は、空気を吸い込み肺胞まで酸素を届ける機能、
肺胞でのガス交換は、酸素と二酸化炭素の入れ替えをする機能、
肺内での血液循環は、交換したガスを運び去る機能になります。
この中で特殊な機器を使わずに、評価することができるのが「換気」になります。
よって、フィジカルアセスメントとして、普段確認できるのは、「換気」だけという事になりますね。
ちなみに、肺胞でのガス交換や肺内での血液循環は、
特殊な評価をしなければいけないので、簡単に行うのが困難になります。
ではでは、聴診の基本の説明をしていきましょう。
押さえるべきは次の3つ
聴診する場所
4つのポイント
聴診器の当て方
まずは、聴診する場所について。
肺は、右肺と左肺で構成されていて、
さらに右肺は、上葉、中葉、下葉、
左肺は、上葉、下葉に分けられます。
どこでトラブルが起きているか、しっかり把握するためにも、
どの辺りの音を聞いているか想定できるようにしておきましょう。
下葉は、トラブルが多く、
腹側での聴診が難しいので、下葉の位置は最低限押さえておけるといいですね。
次は、4つのポイント。
次の4つに注意して聴診を行いましょう〜。
①まわりが静かな環境で行う
②左右交互に、対称的に聴取する
③腹側だけでなく、背側も聴取する
④最低でも1か所で1呼吸以上は聴取する
①呼吸音は小さく、聞こえずらいのが特徴です。
正常音に関しては、空気の出入りに伴う余計な摩擦音が少ないので、
さらに聞こえずらいです。
しっかりと聴診するためにも、静かな環境で聴診しましょう。
② 呼吸音の左右を見るためにも、左右対称に、
両肺の同じ位置の呼吸音を比較しながら聴診しましょう。
病態には個人差があり、異変に気づくのは難しいかもしれませんが、
個人の身体において左と右が極端に違う場合は「何かある」と考えたほうがよいです。
人の頭には録音機能がないので、先に右側の音だけをまとめて聴いて、
後で左側を聴いて左右の音を比べるのは難しいですよね。笑
そのため、右を聴いたら左、左を聴いたら右と、行ったり来たするのが1番確実になります。
よく説明されている順番はこんな感じですね。
さらにざっくりと聴診する場合は、上肺野、中肺野、下肺野の聴診を行えていればOKです。
この表記の仕方は、視診の位置で表しているため、
情報伝達の齟齬がなくなるのでおすすめですね。
左下葉に異常があると言っても、他のスタッフが下葉の位置がしっかり特定できていなかったり、
自分がしっかり特定できていなかったりすると、
その情報の正確性が崩れますよね。
左下肺野背面に異常音が聴取できた、と伝えると、
他のスタッフも同じ場所で聴取しやすくなり、
より正確な伝達が可能になります。
さて、ここで注意点なのですが、
左右対称にと言いつつも、必ずそうではない時もあるという事は頭に入れておきましょう〜。
例えば排痰の前後で下葉の呼吸音を聴取する場合は、
排痰前に下葉の呼吸音を聴き、
排痰後に同じ場所で下葉の呼吸音を聴取した方がいいですよね。
目的に応じた当て方を、臨機応変にできるようにしておきましょう。
③先ほどもちらっとお話しましたが、呼吸器のトラブルは、肺の下薬で起こることがほとんどになります。
下葉の音は、肺の構造上、背側からが最もよく聴取できるので、
腹側だけでなく、背側の聴診も忘れず行いましょう。
また背側からの聴診では心音が比較的聴こえにくく、
呼吸音の聴取に集中しやすいという利点もあるので覚えておきましょう〜。
④異常音は、吸気だけ、もしくは呼気だけ、
または一瞬だけしか認められないことも少なくありません。
そのため、1呼吸のサイクルを完金に聴き終えてから、
次の部位に聴診器を移動させるようにしましょう。
1呼吸のサイクルを聴き終える前に移動してしまうと、
その後の呼吸で、異常音が出ていた場合、聞き逃してしまう事になります。
最後、聴診器の当て方について、3点説明していきます。
チェストピースの使い分け
イヤーピースの向き
注意点
まずは、チェストピースの使い分けについて。
チェストピースは聴診器の患者さんの身体に当てる側のことで、
ベル型と膜型の2種類があります。
お椀のように中央が凹型になっている側がベル型、
膜が貼ってある側が膜型ですね。
それぞれの特徴はこんな感じ。
ベル型は少し扱いが難しく、
また、呼吸音は基本的には高音になるので、
呼吸音聴診の時には、膜型の方を使うのをオススメします。
イヤーピースの向き
イヤーピースは、聴診器の自分の耳にいれる側のことですね。
イヤーピースは、周囲の雑音をカットする役割をになっているので、
正確な向きで着用しましょう。
耳から鼻に向かう方向、
もしくはハの字になるように着用できればOKです。
最後、注意点について。
チェストピースと患者さんの身体の間には余計なものをなるべく挟まないようにしましょう。
衣服が厚かったり、重ね着していたりすると、
厚みや摩擦音で聴きづらくなります。
また、チェストピースを皮膚に当てる時は、
チェストピースを自分の手で軽く温めておくようにしましょう。
チェストピースは結構冷たくなりやすいです。
いきなり冷たい物体が胸に当てられたら不快な気持ちになりますよね。
患者さんとの信頼関係を壊さないためにも、
小さな気遣いですが、こちらも心がけてみましょう。
正常呼吸音と副雑音
まずは、正常音と副雑音について簡単に説明しましょう。
正常音は、正常な呼吸の時に聴取できる音のことですね。
一方で、副雑音は、呼吸器の病変がある際に、
正常音に加えて聴取される音です。
正常な音が副雑音に置き換わっているわけではないので覚えておきましょう。
副雑音が聴取できるタイミングで、正常呼吸音も生じている事になりますが、
副雑音の音が大きく、聞こえなくなってしまっているという感じになります。
副雑音は様々な種類がありますが、近年ではこのような分類で表記される事が多いので覚えておきましょう。
正常呼吸音3つ、副雑音5つに分けられ、
副雑音はさらに
肺性の音(肺自体がその音の原因になっている)音と、
非肺性の音(肺由来ではない)に分けられます。
それぞれの音の簡単な特徴を、実際の音と共に説明していきましょう〜。
正常呼吸音
▶気管支音
吸気と呼気の長さは、1:2の割合で呼気のほうが長く聴こえる。
音調は高めで、大きな音
吸気と呼気の間で、一瞬音が途切れるのが聴き取れる
気管直上とその周辺で聞き取れる
▶気管支肺胞音
吸気と呼気の長さは、1:1でほぼ同じ
音調や大きさは中程度
第2〜4肋骨の胸骨縁と、第1〜4棘突起から肩甲骨内側縁の間で聴取できる
▶肺胞音
吸気と呼気の長さは、2.5:1の割合で吸気のほうが長く聴こえる
音調は低めで、やわらかく小さな音
吸気と呼気の間の音の途切れは、ほとんと聴き取れない
肺野の抹消で聴取できる
副雑音(肺性)
▶低調性連続性副雑音
低めの“いびき”のような連続した音
吸気にも呼気にも生じることがある
広いはずの空気の通り道が狭くなっている
▶高調性連続性副雑音
笛の音のような「ヒューヒュー」という高い音
吸気にも呼気にも生じることがある
広いはずの空気の通り道がさらに狭くなっている
▶細かい断続性副雑音
「チリチリ」「パリパリ」という細かい破裂音
吸気の半ばから終わりくらいのタイミングで聴取できる
肺胞の伸びが悪くなっている
▶粗い新続性副雑音
水の中にストローで空気を吹き込んだ時に生じる「ブクブク」という大粒の泡が立つような音
吸気時、呼気時を通して聴取できる
気道内に水が溜まっている
副雑音(非肺性)
▶胸膜摩接音
「ギュッギュッ」とこすれ合うような音
吸気にも呼気にも生じることがある
肺を包む2枚の膜がスムーズに動かなくなっている
それぞれの呼吸音の仕組みや考え方などについては、この動画の評判が良ければ、別の動画で解説します。
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おわりに
スキルや知識はすぐに身につく物ではありません。
インプットして、復習してこそ身についていきます。
恐らくこの動画を見ている95%の人が復習せず、
勉強した気にだけなっている事でしょう。
知識は強力な武器になります。復習して、しっかり自分の身にしましょう。
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