見出し画像

”リハビリ特化型デイサービス”という選択肢を、もっと身近に




1)日本の超高齢社会とリハビリ特化型デイサービスの選択肢

日本は世界でもまれに見る「超高齢社会」です。人生100年時代とも言われるようになり、社会のあり方も変化しています。2000年(平成12年)の介護保険法施行により、デイサービス(通所介護)が広く認知されるようになり、その後、各施設はそれぞれの特色を打ち出し、サービスの多様化が進みました。現在では、利用者の選択肢も豊富で、「入浴専門」「音楽療法専門」「お泊り型」など、さまざまなタイプのデイサービスがあります。

その中でも、「リハビリ特化型デイサービス」は、介護予防を目的とした運動や体操などの身体機能訓練を提供しています。これは、利用者が満足できる生活を送るために必要な日常生活動作の訓練も含まれます。通常のデイサービスとの大きな違いは、理学療法士や作業療法士、柔道整復師、看護師、あんまマッサージ師などの専門スタッフが在籍し、個々の身体機能レベルに合わせたリハビリを提供している点です。また、多くの施設が3~5時間の短時間(半日型)で運営していることも特徴のひとつです。

リハラボデイサービスでは個別に理学療法士や柔道整復師等による
専門的な機能練習を実施している。

2)リハビリ特化型デイサービスが向いている方

以下のような方にリハビリ特化型デイサービスはおすすめです

  1.  食事や入浴介助などの介護を必要としない方

  2. 専門職によるリハビリを受けたい方

  3. 体力や筋力を維持・向上させたい方

  4. 退院後に専門的なリハビリを受けたい方

  5. 介護予防に取り組みたい方

  6. カラオケやゲーム、手芸などのレクリエーションを希望しない方

  7. 短時間で集中的にリハビリを受けたい方

リハビリ特化型デイサービスは、各事業所が工夫を凝らして特色を出しています。例えば、スポーツジムのようなマシントレーニングを提供するところ、マッサージなどのリラクゼーションに力を入れているところ、ヨガやピラティスの要素を取り入れているところ、言語療法に特化しているところなど、さまざまです。選択肢が多いので、利用者は自分のニーズや好みに合わせて選ぶことができます。

言語聴覚士によるカウンセリングの様子

3)選択のポイント

「リハビリ特化型デイサービス」は、比較的要介護度の軽い方に適しています。「要介護状態になって家族に迷惑をかけたくない」「自分のことは自分でやりたい」といった考えを持つ方や、デイサービスに対して「歌やゲームをやらされるのが嫌だ」と感じる高齢者にも、比較的利用しやすいのが特徴です。

一般的なスケジュールとしては、送迎車で自宅までお迎え、施設到着後のバイタルチェック(血圧・体温・身体状況の確認)、準備体操、リハビリ(個別・集団・マシントレーニングなど)、休憩・水分補給、自宅までお送りといった流れになります。

4)利用前の確認が大切

「リハビリ特化型デイサービス」は介護保険上の正式な名称ではなく、デイサービスの中でのひとつの特徴を表した言葉です。そのため、サービス内容は施設ごとに異なることが多いので、利用前にはしっかりと確認することが重要です。可能であれば2~3ヵ所見学し、スタッフの話を聞いて比較検討すると良いでしょう。

*チェックポイント
- 理学療法士、作業療法士などの専門職が毎日常駐しているか
- 身体の状態や病状をきちんと評価し、適切な指導ができるセラピストがいるか
- リハビリの内容が自分の目的に合っているか
- スタッフ同士の連携が取れているか
- 施設の雰囲気が自分の好みに合っているか

リハビリ特化型デイサービスは、定期的に通ってリハビリの成果を実感できることが大切です。慎重に選んで、より良い施設を見つけましょう。