多様な強みを併せ持つ、リハラボ訪問看護部門リハビリチームのご紹介|主任/理学療法士・目代桃子さん
リハラボで活躍するスタッフへのインタビュー企画。今回は、訪問看護部門のリハビリチームで主任を務める理学療法士の目代桃子さんに、リハビリチームの強みや特長、また、目代さんが専門とするパーキンソン病のリハビリについてお話を伺いました。
多様な強みを持つ、リハラボのリハビリチーム
ーーリハラボのリハビリチームについて教えて下さい。
理学療法士や作業療法士が在籍するリハビリチームには、多様なメンバーが在籍しています。急性期病院や回復期病院、デイサービスなど、医療から介護領域までさまざまな領域で活躍していたメンバーが揃っています。また、一人ひとりの得意分野も、脳血管疾患や難病から整形外科疾患まで多岐に渡ります。
訪問リハビリを必要とする利用者さんの中には多様な疾患や複合疾患をお持ちの方もいらっしゃるので、それぞれの経験や知識を共有しながらリハビリを提供できるのはリハラボの強みだと感じます。
メンバー同士も非常に仲が良いです。普段は訪問にでているためなかなか顔を合わせることができませんが、昼休みや朝礼前、訪問から帰ってきたわずかな時間を使って、コミュニケーションをとっています。
パーキンソン病に特化したリハビリ ”LSVT®BIG”
リハラボでは、進行性神経難病である「パーキンソン病」の方を対象としたリハビリに力をいれています。米国のRamingらが開発した「LSVT® BIG」というプログラムを用いて、リハビリを提供します。
このプログラムは、パーキンソン病の方の動作の大きさに焦点を当てています。パーキンソン病の軽度から中等度の方に対して効果的・短期的に高い治療効果が期待できると言われています。
プログラムはLSVT®BIG認定セラピストとの1対1の個別訓練を1回60分、週4回連続、4週間にわたって実施します。内容は以下の通りです。
LSVT®BIGの最終目標は、日常生活で大きな動作が行えるようになることです。
ーー 目代さんがLSVT®BIGの資格を取得したきっかけを教えて下さい。
訪問リハビリの現場にきてから、パーキンソン病の方を担当させていただく機会が増えました。しかし、日本の理学療法にはパーキンソン病に特化した運動療法が少なく、リハビリの内容が実生活に反映しづらいことも多々ありました。そこで、実生活に反映しやすいプログラムを提供しているLSVTに興味と可能性を感じ、取得に至りました。日本には今までなかった「パーキンソン病に特化した資格」自体にも魅力を感じています。
ーー実際のパーキンソン病の方への介入事例を教えてください。
すくみ足が強く、転倒を繰り返している方にLSVT®BIGの運動療法を用いて治療をしたケースがあります。LSVT®BIGは体の動きの大きさに焦点を当てた治療のため、歩行練習でも常に歩幅の大きさや姿勢を意識しながら実施しました。
今までのすくみ足の治療といえば「目印や線を用いた歩行練習」等ですが、それでは用意された空間でしか歩行できなくなってしまいます。この事例では、大きさを意識した歩行練習を自宅内から始めましたが、調子の良い時には屋外にも行けるようになりました。
ご家族がリハビリ時の声掛けを覚えてくださったこともあり、結果として旅行に出かけたときでも公園の中を歩いて回れたそうです。どこでも治療の効果が出せる事がLSVT®BIGの強みだと考えています。
主任として思い描く今後の挑戦
ーー 目代さんが日々現場で働くなかで、やりがいを感じる瞬間や印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
利用者様が「今までできなかった事が出来るようになった」と報告してくださることにとても喜びを感じます。例えば、利用者様の趣味の話や思い出話を聞くのが大好きなのですが、「思い出の地に旅行に行けた」「数年ぶりに編み物を再開した」などの話を聞いた時はとても嬉しいです。私の治療でこれだけ良くなったぞ!というよりかは、利用者様が努力してくださった事に毎回尊敬と感謝を覚えます。人生の先輩方から色々なことを学べるのも、生活環境により近い距離で関わることのできる訪問スタッフならではの特権かもしれません。
ーー今後、挑戦したいことや目標はありますか?
LSVT®BIGがあまり知られていないこともあり、まずはスタッフも巻き込んで勉強会等で知識を共有することで、治療現場に普及させていきたいです。また、主任としてスタッフの働きやすい環境調整(スケジュール管理)もしていきつつ、良いサービスが提供できるようにスタッフのサポートをしていきたいです。
以上、今回はリハボラの訪問看護部門でリハビリチームの主任を務める、理学療法士の目代桃子さんにお話を伺いました。リハビリチームの特徴や、パーキンソン病に特化したリハビリについて知ることができました。目代さんの今後のさらなるご活躍を応援しております。