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今年のこととか今年聴いた曲とか
今年終わるやんの話
何か素敵なサムシングを書こう書こうとしておりますが、相変わらず僕の生活全般というものは暗黒方面に舵を切っております。いきなり「僕」って書いて『いつもの自意識過剰が出ている』と、まさに自意識過剰がこの文章を書かせておるのですが、いずれ「別にまあいいいや」となるのでしょう。なっていくのでしょう。僕というよりも、周囲の老い、時間経過を感じる一年でございましたね。
主にトレードをしていて、まじでそれ以外何もない一年でした(3月まで就職してたが記憶にない)。その具体的な内容をここに書くつもりは一切ございませんが、トレードするに当たっても『コロナ』という3文字からすべて始まらざるをえないことばかりでした。例えばさ、来年オリンピックある風味なことほざいてますやんか。もし開催中止なら、関連に流れ込んだ投資の金が全部暴落、その周囲は釣られ下げにはなるでしょう。じゃあど真ん中のセクターには金が置けないな、とか、株素人の僕でも想像がつくような、コロナを軸にした生活を送らざるをえなかったです。
そういうの書くつもりなくって。以前は、世相を切った風味を出したい、っていう中学生男子欲求みたいなのもあったのに、年々世の中がわかんねえと思いますわ。よりわかんねえ。
僕の生活が全然裕福なものではないので、音楽に金払わなくなっちゃいました。払う気ではおる(男気借金マンっぽい)。でもねぇ、映像付きで毎日毎日音楽がYouTubeで垂れ流されるもんだから、音楽欲は結構満たされている。生活安定したらSpotify入りなおします。
またコロナとか書きますが、コロナ関連で芸人さんが金に困ってみんなYouTube始めちゃったでしょ。トーク垂れ流しの動画や、定期配信とそのログみたいなのも増えて増えて、お笑い系コンテンツに絞っても、個人じゃチェック不可能な量なのに、そこそこ金かけたエンタメ全般が『お前ら金払わなくていいから見てくれ』という、おそらくはゼロ円以下のダンピング祭りになってている状態です。金払っていないのに変な不安を感じております。あ、でもテレビってそんな感じのもんではあるか。情報には、直接金を生むものか、書き手のタレント性に金を出すような世の中になっております。
よくよく考えれば、情報の取得方法が有料無料に限らず「求めて探す」という手順が加えられて、取捨選択に疲弊するようになっているわけですから、これからは『知らないでいられる』ということが本格的に価値を生むような気がしてなりません。僕らはネットからテレビ・新聞・ハム通信・ルージュの伝言・矢文などに回帰すべきではないでしょうか。僕も近々、狼煙で友人と会話するために、干し草を燃やす練習などして、近所の名物おじさんとして大阪で生きようと思います(通報必至)。
友達おらんかったわ(しんみり)。
これ実は本題なんですけど、以下に今年聴いた好きな曲を書きます。これまで書いた文章は、特に意味のないものでしたので、みなさん損しましたね。
YouTubeのリスト便利だよの話
YouTubeのアカウントで、気になった曲を「後で見る」リストにぶち込んでいって、後日聴いた中から気に入った曲群を「2020」というフォルダにまとめていくことにしました。3か月くらい前から。基本的にYouTube師匠が気まぐれにレコメンドしてくれるやつを摘んでいるいるので、目新しいものはないと思います。
『俺これに金払ってへんねや…』という罪悪感を薄めたいので、『こうなったらSpotifyに入る』というラインを決めております。許してください。許さない(二人目の人格)。
曲は1月から順に書いております。3月で力尽きました。
▼ Tennis - Need Your Love
2020/01/09公開。
Indienativeによると、夫婦のアメリカのポップデュオで、ポストマイブラだそうな。甘くて壊れそうなメロディにウィスパーボイスでキンキンキーボード鳴ってて確かにそれっぽい。比較したってしゃあないけど、本家はもっと低音狂ってて歌詞も気だるい分、こちらは超聴きやすいです。リズムが変わるところ、Franz FerdinandのTake Me Outみたいで気持ちいいです。
再生リストに入ってたんで無理やり書いてますが、めっちゃ好きな曲ってわけでもなかった(書くな)。
▼ NakamuraEmi - 東京タワー
2020/01/17公開。
90sソウルやラップ・ヒップホップに影響受けた方です。歌詞先行で作ってるんだかどうだか、かなり熱っぽい歌詞が特徴で、ガチガチ韻を踏んでるわけではないのですが、パンクやラッパーに近いような主観がすぐ見えるのが好き嫌い分かれるところだと思いますが僕は超好きです。同時に、突然死ぬほど嫌いに転ぶ可能性もあると思ってます。
言葉が多いのに、『何周も何周も回った』みたいなところも丁寧に音符を入れていて、引き出しの多さも感じます。『板チョコみたいなビルが/ビー玉みたいなヘッドライトが』の詰め込みと『ぼやけて見える』の聴かせるメロディにギュッと耳を集めるのも、書きたさ・伝えたさをポップさに収斂させるカッコいいところだと思います。
NakamuraEmiはほかの曲も大体好きで、「大人の言うことを聞け」とか「雨のように泣いてやれ」とか金出して聴くから待っとけよおい、とずっと思ってます。俺に職さえあれば。来世に期待するよ。
▼ Hideyoshi - Majinahanashi
2020/01/30公開。
Tokyo Young Visionのメンバーの一人のソロ曲で、ロックに影響を受けたトラックが海外のリスナーにも新鮮に聴こえて、この曲に関しては300万再生ですって。僕正直、ヒップホップにおけるトラックのトレンドを意識して聴くことはなくて、このくらいローな音で構成されたトラック今までも別にあったんじゃね?と思って聞いてました(BEAMのUnda Armorとか)。今年も師匠に勧められるがままヒップホップを聴いておりましたが、確かにこういう曲に徹した作風って見つからなかったような気がします。Hideyoshiに関しては、志向するトラックとラップスタイルが一致してる曲の強さがファンに伝わるのかなと思いました。メロディが決まってるタイプのラップで、言葉も韻も欲張ってない余裕さがカッコいいです。これやって決まるかどうかは人選ぶと思った。
インタビューとか読んでみたら、この音楽は「エモラップ」という名称を誰かがつけてて、Hideyoshi自身はそれを嫌がってて、などを知りました。こういうセルフボーストで成り上がり予定を売るタイプのラップではあるんですけど、丁寧語普通に使えてるし、Kohhとかと比べると前後の距離感わかってそうな感じがしました。
▼ Jenevieve - Medallion
2020/02/14公開。
こういうボーカルの音効、90sっぽい。NakamuraEmiにしたって、自分が好きなだけだなこれ。ボーカルスタイルは違う感じですが、メアリー・J・ブライジ思い出してました。体の揺らせ方まで90sぽい(というかMVがか)。歌詞の内容は、一応調べたんですが、Medallionという言葉がサビで印象的に繰り返されてて、何を象徴すんのか僕には想像が及ばなかったです。それ以外の歌詞は、ある町での銃も絡んだ抗争の断片的な描写みたいな感じで、地元LAだかアメリカ国内で起こったニュースとか、元ネタがあんのかもしれないですね。レトロでシャレオツで、ランダム再生してて流れてきたら気持ちよくてラッキーな曲でした。
ほかの曲に、杏里「Last Summer Whisper」をサンプリングした曲もあって、昨今の海外におけるシティ・ポップブームと90sソウルに20代ミュージシャンが影響受けて生まれたようです。改めて、過去の偉大な楽曲が現代に再構築されるだけで価値が生まれるもんですね。
▼ The Lemon Twigs - The One
死ぬほど好き(先走り)。
2020/03/03公開。100回くらい聞いた。
Aメロとサビのみの構成のオールディーズっぽさ、ちゃんと入ってるギターソロと底明るいボーカル、歌ってる内容のどうでもよさが生むロックスター感。それをすべてわかってるビジュアルイメージ。これ完璧じゃないですか?これ完璧じゃないですか?イントロのギターの距離感と音選びに腹の奥がギュっと締まる。今はソウル聴いてることが多いのに、14歳のときに聴いたロックで血が沸騰した感覚を思い出した。オッサン殺しなだけかもしれんが。実際、ボーカル二つ入ってるのってビートルズとか意識してんでしょうね。このMVに関しては「ロックスターを必要としていない」っていう現状にも見えるんですよね。
ロックスターやアイドルといった、偶像こそすべてを見通せる場所から普遍的なことを歌っていただきたいもんです。希望やエネルギーや、この世に起こってるとは思えないようなふわふわした恋愛の話を。
上記の音楽の感想書くにあたっても、過去あったジャンルが現代に、というような説明をどうしても書かざるをえなかったんですが、書いててやっぱり、『それでも消えざる現代性と個性』ってもんが、再構築のあとに厳然と残るんだから、価値はやっぱりあるんだと思う。そうあるだけでいいんですよ。それが、The Lemon Twigs聴いてていつも思うのでした。
思ったより長くなったんでもうギブします。ありがとうございました。