へき地医療のリハビリに関する課題と解決策について
はじめに
へき地医療では次のようなことが問題となっています。
医師の高齢化や後継者不足が顕在化しつつある
国立大学の独立法人化、初期臨床研修医制度の義務化などによりへき地医療拠点病院における専門医の不足が深刻になってきている
他職種不足
医師でさえ不足している地域では、
十分にリハビリテーションを受けることができません。
その結果、肩が痛い人で運動両方で改善する見込みがあっても、
痛み止めを処方してもらうのみという方もいます。
この記事では
へき地とはどのようなところか、
どのような問題があって、
どのような解決策があるのか
についてご紹介します。
へき地とはどのようなところか
厚生労働省*1によると
へき地保健医療対策における「へき地」とは
とされています。
また、似たようなことばで「過疎地域」があります。
へき地は医師がいない・少ないところで
過疎地域は人が少ないところ
医療の側面からいうと、
どちらも抱えている問題は近しいところがあります。
へきち医療の問題
冒頭でも述べましたが、
医師が少ない地域はリハビリの専門家も少なく
解決できるのに解決されない問題が残り
障害のある方が生きづらくなっていることが予想されます。
例えば、若くして脳卒中となり、
仕事に復帰しなければならないのに、
病院を退院した時には外を歩いておらず、
電車の乗り方や復職に向けて必要な準備がわからないまま
となっていることもあります。
また、高齢者においても、膝の手術をしたあと家の中は何とか歩けるようになっても買い物や銀行などに行くことができず、お風呂も浴槽に浸かることができなくてシャワーで我慢する、
その結果、人との交流や運動の機会が少なくなり要介護状態になりやすくなる、悪化するなどの影響も起こしかねません。
その他にもへき地医療の問題には
医師の高齢化や後継者不足
へき地医療拠点病院における専門医の不足が深刻になってきている
などがあります。
専門医がいないこと、高齢化して後継者がいないことで、
リハビリの専門家などの他職種の不足やいたとしても活用されていないことが深刻な問題となります。
解決策としての遠隔リハビリテーション
専門医がいないこと、高齢化して後継者がいないことで、
リハビリの専門家などの他職種の不足やいたとしても活用されていない
という問題を解決するひとつの手段が、
遠隔リハビリテーションです。
遠隔リハビリテーションは、
テレビ電話や電話などで理学療法士などのリハビリの専門家と繋がり、
自身の健康状態を相談することで、
療法士が今の状態での課題を整理して目標を立て
目標達成のための運動療法や福祉用具の提案、家での過ごし方などを行います。
このように、
へき地でこそ遠隔リハビリテーションを活用いただきたい
リハビリの専門家として、
遠隔リハビリテーションを通して
少ない資源であっても
障害者や高齢者が安心して過ごせる地域づくりに
貢献できたらなあと思います。
参考
*1:厚生労働省.へき地医療の現状と課題
https://www.soumu.go.jp/main_content/000513101.pdf
*2:総務省.令和2年度版 過疎対策の現状.https://www.soumu.go.jp/main_content/000807029.pdf