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座位姿勢と上肢活動

初めに

今年1回目の投稿です。仕事が忙しくなってきており、アウトプットの時間が減ってきてしまっているので少し気合を入れて頑張ります。
前回が車椅子シーティングのお話しでした。今回はなぜシーティングが大事なのかをさらに裏付けていく内容にです。

日常的な座位姿勢での上肢活動

日常的な座位姿勢での上肢の活動ってなにが思い付きますか?
食事、書字、スマホ操作、リモコン動作、手洗い、更衣など・・・
これらの活動において座位姿勢がどこまで影響してくるのでしょうか。

典型的な不良姿勢

そもそも座位姿勢ってなにが良くて何が悪いのか。
一番典型的なのは仙骨座りですよね。脳卒中後に関わらず目にする機会は多いでしょう。
そして脳卒中後に多いのは側屈や回旋が目立つ座位です。(経験上)
麻痺側に回旋している症例もいれば非麻痺側に回旋している症例もいます。
側屈している症例は麻痺が無視が重度なケースが多いですね。
上肢の重みで麻痺側に倒れていたり、左無視で右に変位していたり。
無視による姿勢変異が多き過ぎると食事への認知がさらに悪くなったりもします。

仙骨座りの分析

基本座位と仙骨座り

基本座位と仙骨座りでのSTEFを実施。
仙骨座り群にて粗大・巧緻ともに所要時間は増加している。

朝比奈彩子; 臼倉京子. 標準型車椅子上での仙骨座り姿勢が上肢機能に及ぼす影響. 保健医療福祉科学, 2020, 9: 1-6.

かなり臨床家向けの論文で参考になりますね。ぜひ一度読んでみてください。中枢が働かないと末梢部が安定しないというのはこのことですね。
例えば皆さん、巧緻動作をするとき上腕ってどうしますか?私だったら
脇を絞めたり、肘と机につけたりさせて安定させます。中枢部が安定していたほうが巧緻しやすいので。
 骨盤が後傾すると脊柱は後湾し、肩甲骨が外転します。
仙骨座りで重心が後方にあるのに対し、肩甲骨外転位からの前方リーチ。
多くの人が体幹の前傾で代償しますよね。1回の動作の動作における消費エネルギーも大きくなるので、耐久性が低いと上肢の活動に疲労感を強く訴えるかもしれませんね。

重度麻痺における麻痺手の位置

重度麻痺の症例においては離床時に三角巾などを付けていることが多いですよね。実際、労力とかを考えなかったときにどこが麻痺手のベストポジションだと思いますか?個人的には亜脱臼を予防できる+麻痺手が認識できるポジションだと思っています。麻痺手の管理の定着って結構難しいですよね。
(寝返りのときにおいてきたりなど・・・)
なるべく日常生活の中で麻痺手を認識することが出来るポジションをセットしたいですよね。少し労力がかかる+病棟の協力が無いとできないことですが、少し紹介したいと思います。
 食事の時に車椅子テーブルを使うことです。車椅子テーブルがある病棟ってどれくらいあるんでしょうか。(車椅子テーブルを知らない人はググってみて)こいつの良さは身体に密着できることなんですよね。つまり麻痺をテーブルの上に置いておくことができるんです。どこに置くかはしっかりとポジショニングシートなどを使って示しておかなければなりませんが、食事の時にしっかりと視界にいれておくことができるので、亜脱臼を予防しながら麻痺手の認知ができます。(しかも麻痺手が落っこちるリスクがかなり軽減)

最後に

今回の記事はここまでになります。
車椅子のポジションは病棟のとの連携は必須です。
お昼などにちょくちょく食堂に顔出したりしながらどんなポジションになっているのかなども把握できるとさらに良いですね。




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