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【イベントレポート】『輝け!Aqoursぬまづフェスティバル in よみうりランド』で味わう、新しい『体験する物語』。
今回の記事は、5/13から6/5まで東京よみうりランドにて開催されている『輝け!Aqoursぬまづフェスティバル』の模様をお伝えします。
こちらのイベントは、体験型イベントのプロデュースを行う株式会社SCRAPによる新企画、『体験する物語project』の第一弾。
すでに参加されたファンの方々の間で大きな話題を呼んでいます。
今回は、同社コンテンツディレクターのきださおりさん。
さらにキャストとして浦の星女学院の生徒役を演じるモモカ役の中村那美さん、アキ役の大﨑萌々香さんにもお話を伺うことができました。
イベントにすでに参加された方、参加しようと迷っている方は必見です!
1.SCRAP × ラブライブ!サンシャイン!!
今作、「輝け!Aqoursぬまづフェスティバル」は、SCRAPが企画する「あなた自身が登場人物となり、物語を動かす」新ブランド、『体験する物語project』の第1作目として生み出されました。
🔔新ブランド発表🔔
— 株式会社SCRAP (@scrapmagazine) February 24, 2022
/
あなた自身が登場人物となり物語を動かす
「体験する物語project」2022年始動📚
\
あなたが物語の中で起こした「行動」が物語に影響を与え、行動した人の数だけ、物語が生まれる、それが #体験P です。
第1弾コンテンツは近日発表予定✨
皆様、お楽しみに!
SCRAPとラブライブ!サンシャイン!!のコラボは今回が初めてではありません。
SCRAPの手がけるメインイベント、
「リアル脱出ゲーム」とのコラボであるイベントが定期的に開催されており、
・リアル脱出ゲーム × ラブライブ!サンシャイン!!コラボレーションイベント
「孤島の水族館からの脱出」(2018年)
・リアル脱出ゲーム × ラブライブ!サンシャイン!!コラボレーションイベント
「学校祭ライブ中止の危機からの脱出」(2019年)
の二つの公演が過去に開催され、大きな話題にもなりました。
「孤島の水族館からの脱出」では、会場はなんと沼津、淡島。
実際の「聖地」となる淡島を舞台にした体験、謎解きゲームの没入感が大きくファンの心を掴みました。
「学校祭ライブ中止の危機からの脱出」では、全国5都市のZeppライブハウスを舞台に、
「イマーシブシアター」ならぬ「イマーシブライブ」(没入型ライブ)のような体験がこれまた大きな話題となりました。
また、スクールアイドルグループ「Aqours」のタイアップテーマソングも人気を博し、
一作目「孤島の水族館からの脱出」からは「君の瞳を巡る冒険」。
二作目「学校祭ライブ中止の危機からの脱出」からは「冒険Type A,B,C!!」が生まれ、
体験イベント自体のみならず、多くの「物語」を生み出しました。
そして、SCRAPとの3度目の大きなコラボ公演となるのが、今作『輝け!Aqoursぬまづフェスティバル』となっております。
それでは、今イベントの内容に関して説明していきます。
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ある日。
静岡・沼津にある浦の星女学院、
Aqoursの部室では、3年生の卒業を目前に
浦女への想い、
スクールアイドル部への想いが語られていた。
そんな中、慌てて入ってきた黒澤ダイヤの声が響き渡る。
「大変ですわ!沼津観光協会から、
Aqours宛に、"東京の人へ沼津のPRイベントを企画して欲しい"と依頼が来たのです!」
沸き立つAqours。
話し合い、依頼を引き受けることを決める。
そこには、この節目に沼津への感謝を表現したいという想いがあった。
「Aqoursぬまづフェスティバル」の企画を立ち上げ、沢山のブースも考えた。
準備は順調に進んでいた矢先………。
なんと連絡ミスで、当日の準備時間が1時間しかないことが発覚する。
浦女のみんなで頑張っても時間が足りそうにない。
けれどせっかくのチャンスに妥協はしたくない。
悩んだAqoursは想いを共にする「助っ人さん」を募集することにする。
「私たちと一緒に、
フェスを作り上げてくれる方を探しています!
お願いします!」
あなたはその呼びかけに応え、
Aqoursのフェスづくりを手伝うことに。
助っ人さんとなったあなたと、
浦の星女学院の生徒たちと、
Aqoursで準備する、野外フェス。
みんなで力を合わせ、
夢のフェスティバルを実現させよう!
in よみうりランドより引用
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参加者⾃⾝が助っ人さんとしてAqoursと⼀緒に沼津のPRイベントを成功させることを⽬指す体験型のイベントが今回の『輝け!Aqoursぬまづフェスティバル』です。
よみうりランド内の会場のゲートをくぐると、
「Aqoursぬまづフェスティバル」の会場が広がっています。
会場にはフェスティバルを盛り上げるためのブースや屋台が広がっており、Aqoursのメンバーや浦の星女学院の生徒役のキャストさんが準備を進めています。
そこに我々、「助っ人さん」が手助けに入り、準備のお手伝いをするという「体験する物語」になります。
例えば、屋台のヨキソバの材料を集めたり、
ミニステージで出題する沼津にまつわるクイズを考えたり、
フェスティバルで担ぐ神輿の飾り付けをしたり、
沼津の魅力を伝えるブースに、自分の思う沼津の魅力を書き込んだり。
約20個あるブースから、1時間の準備時間内に参加者が自ら「選択」してフェスティバルの準備を進めていきます。
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その中でAqoursや浦の星女学院の生徒と交流したり、自発的に見つけた、困っている生徒を助けたりする中で、「自分だけの物語」が作られていく、体験型イベントとなっています。
今回、この公演に込められた想いを『体験する物語project』の企画、ディレクションを行う、株式会社SCRAP コンテンツディレクター、きださおりさんにお話を伺いました。
2.株式会社SCRAP コンテンツディレクター きださおりさん
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———「体験する物語project」の第一作としてラブライブ!サンシャイン!!が選ばれましたが、なぜですか?
「前作の『学校祭ライブ中止の危機からの脱出』で、『ラブライブ!サンシャイン!!』さんと「体験する物語」との親和性の高さを感じられたからです。
元々、こういった『体験する物語project』のようなものを、作りたいと強く思ったのは、2019年の頭ぐらいからでした。
今まで制作をしてきた『リアル脱出ゲーム』では、謎やミッションに立ち向かって『成功』や『失敗』がある、というものなんですけど、
『成功』『失敗』や『クリアすること』にとらわれない物語体験もあるんじゃないか、
という考えの元、ロンドン等で盛んだったイマーシブシアターと言われる『没入型演劇』というものを体感しに、海外に足を運んでいたのがその時期になります。
その中で、イギリス発の『Secret Cinema』というイベントに出会ったんです。
『Secret Cinema』では、色々な映画の世界をそのまま広大な土地に再現し、その中で演劇めいたことが行われていっていました。
映画の物語の中に没入していくという形の参加型イベントを体感して、衝撃を受けました。
そういった"作品の世界を参加者の皆様と作り上げる空間"を作るということに日本でもトライしてみたいな、と思っていたタイミングで、
前々から企画していた前作『学校祭ライブ中止の危機からの脱出』がスタートし、全国のZepp会場で公演をやらせていただきました。
『学校祭ライブ中止の危機からの脱出』では、
ライブ中止の危機を食い止められたら、最後にAqoursがライブを行うと言う展開が用意されていました。
そのテスト公演(※1)で、ライブの時にAqoursの曲を流す場面で曲出しのタイミングが少し遅れてしまったんです。
※1 テスト公演…お客さんに入っていただく前に関係者のみで行われるバグなどを潰すための公演
曲が流れない空白の時間が生まれてしまった絶体絶命のピンチ。
その時、参加していたテストプレイヤーの中でAqoursを好きな人がいて、
『Aqours!! Aqours!!』と、
『Aqoursへのアンコール』の声を出してくださって、自主的に間を繋いでくれたんです。
そのことがヒントになり、テスト公演から本公演までの間に『もっとお客さんに行動を委ねるシーンや、皆で力を合わせるシーンを増やしても、ラブライブ!サンシャイン!!を好きで集まってきてくださる方なら、楽しんで乗ってくれるのではないか』と思い、そういったシーンを増やすきっかけになりました。
『学校祭ライブ中止の危機からの脱出』に集まってくれた助っ人さんは、皆様『Aqoursのライブを成功させよう!』って気持ちが強く、そこで一体感が生まれていて、私が想像している以上の自発性や盛り上がりを見せてくれました。ライブシーンも、毎回セットリストを変えてはいたのですが、それ以上に、その時々のお客さんの気持ちの入り方で、全く同じライブと感じられることは一度もなく、毎回こちらがお客さんに感動させられていました。各シーンでAqoursのために頑張る助っ人さんの姿に、私自身がすごくグッときたのを覚えています。
実際に参加してくださった方からも『謎解きゲームというよりは、自分が世界の中に入ったライブストーリー体験だった』『イマーシブライブのようだった』というお声をいただいたりもして、海外のイマーシブシアターで体感した、
『参加者と一体になって世界観を作る』ということは、すでに『ラブライブ!サンシャイン!!』とのコラボで形にできていたのかもしれない…!
と気付かされました。
『ラブライブ!サンシャイン!!』のファンの皆様には、今までの歴史や世界観、Aqoursと沼津、浦の星女学院の関係性の中で『Aqoursがピンチになったらファンが自発的に動いて助ける』という気持ちが根付いてるので実現できた物語体験だったというところがあると思っています。
だからこそ、『体験する物語project』をやり始めるときに『ラブライブ!サンシャイン!!』さんと物語を作っていきたい!と強く思いました。
その想いと共に今回の『輝け!Aqoursぬまづフェスティバル』のプロジェクトが2020年の1月頃から始動しました。
『みんなで叶える物語』というものを、好きでいてくださる皆様だからこそ、こういった『自分たちで作る空間』を楽しんでくれるのではないかという想いから立ち上げた企画でした。」
———今回のテーマが「東京で沼津をPRする」というところで「沼津」にフィーチャーした理由はなんでしょうか。
「私自身も『ラブライブ!サンシャイン!!』と関わることが増えるにつれて、下見で沼津を訪れることも増えました。
その中で、作品そのものと同じくらいの熱量で『沼津』のことも好きになりました。
『孤島の水族館からの脱出』の際はずっと内浦に宿泊しながら制作をしていましたし、
全国で行われた『学校祭ライブ中止の危機からの脱出』の際は名古屋公演の帰り道に『いろいろ聖地を巡って帰ろう!』という話になり、制作チームの『ラブライブ!サンシャイン!!』のことを好きなメンバーで集まり、国府津海岸や、沼津のいろいろな聖地にも立ち寄りました。
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沼津では、お互いにやりたいことや新しいアイデアを語り合ったことを覚えています。
制作の中で沼津に実際に行かないと出てこないアイデアも多く、沼津という土地に励まされたり、助けられたりすることがたくさんあります。
元々、今回のテーマを『みんなで作るフェスティバル』にしたい!というのは決まってたんです。
Aqoursと浦の星女学院の生徒と、助っ人さんで作るフェスティバルっていう。
大元の構想を考え始めたのは、実は2年半くらい前…。
それから世の中やフェスティバルを取り巻く状況は変わっていきました。
コロナ禍もあって、街の状況や、『Aqoursぬまづフェスティバル』に関わる様々な物事の状況も変わっていく中で、いちファンとして、Aqoursの素敵さを教えてくれた沼津の良さを多くの人に知ってもらいたい!という思いがありました。
そして、千歌ちゃんたちのAqoursの物語としても、彼女たちに、助っ人さんたちと何かを乗り越える!という課題が与えられた時に、
作品の物語が進んだ中でも、今の千歌ちゃんたちなら『沼津への恩返し』とか『沼津の魅力を広げる』ってことを考えるんじゃないか!と思いから
今回、Aqoursが『沼津』を広めるお祭りを東京で作る!というコンセプトに決めました。」
———現実の時間の流れやコロナ禍で変わっていく沼津の景色と、アニメの中での浦女の統廃合をはじめとして変わっていく沼津の姿がリンクしていたように感じました。
そこから『今の沼津』を刻む!という千歌たちときださんたちの共通の想いが生まれたのが感動的でした。
このイベントが開催される時期に、現実の沼津でも、長年聖地として愛された「マルサン書店」の閉店も決まりました。
今回のイベント自体、この「変わっていくこと」はひとつのテーマだったのでしょうか。
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「そうですね。それもテーマの一つでした。
作品もずっと物語が更新されていく訳ではないですし、その土地もずっと同じものがあり続けるものではないので、
その変わっていくものを、後ろ向きに捉えすぎないで、この、今という時間にしっかりと向き合えたら、私たちが今、『ラブライブ!サンシャイン!!』の物語に関わる意味があるでしょうし、この物語のその先を、また違う目線で楽しみにできるんじゃないか、って思いはありました。」
———今作は、Aqours以外にも、浦の星女学院の生徒さんが出演し、体験への没入感を盛り上げてくれました。
開催前にオーディションによるキャストの募集がなされましたが、これはどのようなオーディションだったのでしょうか。
「今回、劇中の浦の星女学院の全生徒さんの人数と同じくらいの数のキャストを集めようとしていて、
実は今回集まっていただいたキャストで割り当てた一年生、二年生、三年生の人数は、それぞれ劇中の浦の星女学院の一年生、二年生、三年生の学年ごとの人数と大体揃えてるんです。
本当の学校のような空間を作りたくて。
その中で、この空間をどういう感じで作って行きたいか、って考えた時に、
必ずしも、すごく演技が上手い人が活躍できるというより、
Aqoursや沼津が好きだ!って気持ちが大きかったり、『Aqoursや助っ人さんと協力して一緒に物語を作る』というところに共感度が高い方の方が、そういった空間は作っていけるんじゃないか、って思いました。
もう一つは『体験する物語』というところに興味を持ってもらえてるかどうかも重要でした。
普通の演劇とは違って、目の前の助っ人さんを、どれだけこの世界に引き込むことができるかが大切なので。
その感覚をおもしろそう!って思っていただけるかも大切だったので、今回はオーディションで選ばせていただきました。」
———今回のテーマソング、「SUKI for you,DREAM for you!」に関して、エピソードなどあれば教えてください。
「そうですね、今回の『輝け!Aqoursぬまづフェスティバル』の公式サイトにも書いたんですけど、
#体験する物語 project『#Aqoursぬまづフェス』のテーマソング「SUKI for you, DREAM for you!」への想いをサイトに綴りました。
— きださおり (@opeke) March 19, 2022
実は何度も開催延期を繰り返してきたこのイベント。開催できることも、ひとつの奇跡だと身に染みています。
全文は以下からお読みください!https://t.co/D7p8DStzkv pic.twitter.com/0PGbFB7vJz
元々、前作、前々作とイベントごとに、タイアップソングは作らせていただいておりまして、
前作の『学校祭ライブ中止の危機からの脱出』の時の『冒険Type A,B,C!!』のように、このイベントがあったから生まれた曲、としてリリースされる予定でした。
今回のテーマである、Aqoursの『SUKI』。
『沼津』の景色、人、学校だったりを、いろんな人に伝えていく、みんなに知ってもらって、みんなで好きを広めてみんなが幸せになっていく…。というところを込めた曲をリクエストしました。
私自身も、
『ラブライブ!サンシャイン!!』を知る前とあとでは、知ってよかったな、って思ってますし、
沼津も行く前とあとでは、行ってよかった、って思ってます。
このフェスでみんなの『SUKI』が広がって、それを受けて千歌ちゃんが歌詞をひらめいた、そんな曲にしたいな、って思ってました。」
ベルーナドームのライブでのラスト、虹色の光の中、『SUKI for you, DREAM for you!』を聞きながら、これから生まれるみんなのフェスティバルが、きっと最高のものになっていくだろうなと確信しました。実際に、このイベントを永遠に開催できないかもしれない、という真っ暗闇の状況の中、何度も聴いて励まされていた曲でした。色々なことが起こっても、笑顔で乗り越えていけるようなパワーをくれる曲です。遅れての発表になってしまいましたが、この曲にふさわしい空間を作って助っ人さん達を迎え入れられるようにしよう、と制作チーム一同気合いが入っています。
テーマソング決定までの経緯より引用
———最後に、きださんが、このイベントを通じて、一番伝えたいこと、メッセージはなんですか?
「とにかく、楽しんでもらいたいなって思ってます。
Aqoursと共に、彼女たちが実現したいフェスティバルをつくっていく、っていう機会ってそうそうあるものではないって思ってまして。
この企画を実現させてくださった『ラブライブ!サンシャイン!!』の皆様や、沼津の皆様。
沼津のお店も出店してくださったり、取材を受けてくださったり、いろいろなご協力がありました。
あとは、来てくださる助っ人さんも、この日のために遠征してくださったり、準備してくださったり、すごくたくさんの人が集まって奇跡的に成り立ってるイベントだと思ってて、
全く同じメンバーが揃って、フェスを作ることって、そうそうないと思います。
いや、二度とないんですよ。
その日その瞬間と同じものってもう一生存在しないはずなので、その一瞬を逃さず、焼き付けて欲しいなって思います。
その日参加したメンバーごとにフェスティバルの色も変わります。
ミニステージにかぶりつく人がいたり、ぴっかぴか音頭を踊っているのを後ろから飲み物飲みながら眺めている人がいたり、色々な楽しみ方があると思います。
千歌ちゃんが『みんな、輝こう!!』って言いますけど、私から見たら、助っ人さんの皆様も本当に輝いて見えているんです!
それぞれ、楽しみ方は自由なので、その日、その瞬間を大切に楽しく過ごしていただきたいな!と思います!」
———素敵なお話をありがとうございました。
3.浦の星女学院生徒モモカ役 中村那美さん
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モモカ役として、ミニステージを中心に出演。
———今回の、『輝け!Aqoursぬまづフェスティバル』の出演キャストは、オーディションによって決まったとお伺いしております。どのような気持ちでご応募されたのですか?
「はい、応募したきっかけというのが、私自身が、静岡県沼津市の出身で、生粋の『ぬまづっ子』である、というところが大きかったです。
また、私はよみうりランドで、3年間アルバイトをしていて、まさにイベントスタッフといったところをやらせていただいた経験があって。
今回の『Aqoursぬまづフェスティバル』のオーディションを見た時に、『あ、これは呼ばれたな…』って笑笑」
———まさに「私のためのイベント…!?」って感じだったんじゃないでしょうか?笑
「そういう感じで笑。運命を感じましたね。」
———沼津出身ということで、「ラブライブ!サンシャイン!!」というコンテンツ自体とは中村さんはどのような関わりがありましたか?
「はい、沼津出身ということで、街の至る所に『ラブライブ!サンシャイン!!』があって、
駅に止まるバスもラッピングですし、タクシーに乗ってもそうですし。」
———生活の中にAqoursがいる、って感じですね。
「私も千歌たちと同じところに生まれて、
海の近くで生まれたから「那美(なみ)」という名前になりましたが、それくらい、Aqoursと近しい環境で育ってきたので、
私たちの、高校時代、青春といえば『ラブライブ!サンシャイン!!』だよね!っていうくらい、
沼津にAqoursがいてくれて、嬉しかったことを覚えています。」
———オーディションの合格発表があったときはどんな気持ちでしたか?
「最初は『受かった!!』って気持ちと『ですよね!!』って気持ちがあって笑」
でも、モモカ役というところは、驚きで。
モモカは、ミニステージや、ホールで一番助っ人さんとアイコンタクトだったり、お話をさせていただく機会がある役ですので、それはプレッシャーでした。
でも『受かったら絶対頑張る!』と決めていたので、これは頑張らなきゃな…!と思っていました。」
———演じた浦女生、モモカはどのような役でしたか?
「モモカは、浦の星女学院二年生の女の子で、『ザ・ぬまづっ子』って感じの子で。
一緒にミニステージを盛り上げた二年生のチトセは関西から転校して引っ越してきた、って言う設定なんです。」
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「関西から引越してきたチトセを引っ張る、『沼津のことならお任せあれ!』って感じのお姉さんキャラでしたね。」
———イベントのリハーサルや準備期間を通して、
一番「青春」を感じたことはなんですか?
「私たちはメインステージで、他の子達は屋台やってて、最初はあんまり話したりはなかったんですけど、だんだんとどこのブースの子だ、とか、誰か一人でも欠けたらイベントが成立しない!とかが分かってきて。
それからはどんどん連帯感ができてきました。
すれ違ったら『おはようございます!!』って。
すっごい嬉しいんですよね。
練習の時とかホールで手を振るとお客さんの代わりに浦の星女学院の生徒のみんなが手を振ってくれるんですよ!
それが、『みんな、仲間だ!!!』という感じがしたのが青春だな、と感じました。」
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———ミニステージの見どころはどこですか?
「晴れの時と、雨の時で、ミニステージは演出が違うので、晴れの時でも雨の時でもまた見える景色が変わります。たくさんミニステージ見に来て欲しいです!!」
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———最後にこのイベントを通して知った「ぬまづの魅力」はなんですか?
「私は、元々沼津出身なので、沼津のことはたくさん知っている!と思っていたんですよ。
今回のイベントで『沼津の良さ』を助っ人さんから募集した時に、『あれ…?私も知らない…!』みたいな魅力がたくさんあって。
『地元の私も知らない沼津の良さを、たくさんの人が知って、伝えていってくれてる』、これが私の今思う沼津の魅力なんじゃないか、って思います。」
———素敵なお話ありがとうございました!
4.浦の星女学院生徒アキ役 大﨑萌々香さん
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アキ役として内浦Radioやみかんハッピートレインのブースを中心に出演。
———今回のイベントのオーディションは、どのような気持ちで参加されたのでしょうか?
「まず、私は、『ラブライブ!サンシャイン!!』が大好き!というのが大きな一つの理由でした。
Aqoursは、1stライブ(2017年2月)からずっと追いかけて、応援してきたので、
『Aqoursへの想い』というところが大きかったです。
また、私もイベント関連のお仕事をやっているので、そこに声優として頑張ってきた演技の活動もあったので、大好きな『ラブライブ!サンシャイン!!』の世界で、自分にできることで、表現したい、役に立ちたい!
『ラブライブ!サンシャイン!!』の世界を創ることに、是非協力させて欲しい!という気持ちで応募させていただきました。」
———オーディションの合格発表があったときはどんな気持ちでしたか?
「私は、オーディションの時に『みなさんの仲間に入れてください!』って言ったのを覚えていて。
それで合格が決まった時には、『仲間に入れてもらえた…!』って気持ちになりました。
だからこそ、浮かれた気持ちにはなれなくて。
『このラブライブ!サンシャイン!!の世界を創るピースの一つになったんだ…!』って身が引き締まる想いでした。」
———イベントの最後のエンドロールでは、浦女生として、キャストさんの名前もクレジットで一人一人名前が入っていました。
「エンドロールは、お客さんとしての立場でまだ見れてないですけど見たら泣いてしまうと思います。」
———それだけ、思い入れが強い公演になったんですね。
「はい、リハーサルで仮の通しのエンディング映像を見た時に、上映が終わったあと、私以外のキャストも大勢の方が泣いていて。
それくらい、素晴らしいイベントでしたし、Aqoursが好き!という気持ちの大きいキャストが集まって作られたイベントだったと思います。」
———大﨑さんが演じるアキはどのような役柄なんでしょうか。
「アキちゃんは、浦の星女学院放送部の二年生です。イベントの際の内浦Radioの台本を書いています。
あとは、アニメにも出てきた、千歌のクラスメートのよしみ、いつき、むつの3人(よいつむトリオ)とも仲が良くて、千歌たちの最初の講堂のライブの時から実は、よいつむトリオとライブのお手伝いをしていたって設定がありました。
アキちゃんも、実は最初からAqoursの活動を応援していた子だったんです。」
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———イベントのリハーサルや準備期間を通して、
一番「青春だな…!」って思ったことはなんですか?
「二つあるんですけど、
まず一つが準備期間にみんなで夜遅くまで準備をしたりする機会があって、本当に学生の頃の文化祭前みたいな感じがして。遅くまで残ってやりたい、ってみんながなっているってことはそれだけ『いいものを作りたい』ってなっているという訳で。
だからその『作りたい、届けたい』って気持ちを共有できるのがすごい嬉しかったです。
もうひとつが、会場(よみうりランド)まで来る時に、大体他の浦の星女学院の生徒役のキャストのみんなと同じバスに乗ることになるんですよね。
みんなが大体一緒のバスに乗るので、よみうりランドまでのバスが浦の星女学院行きのスクールバスみたいになるんですよ。
きださんが、最初の顔合わせの時に『学校みたいになるといいね』っておっしゃってたんですけど、イベント内外含めて、本当に『学校』のような体験をさせていただけたな…って思っています。」
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———本イベントの見どころはどこですか?
「たくさんありすぎて一つに絞れないです。
それくらい、色々な要素が各所に散りばめられていて。それを助っ人さんには見つけて欲しいな、って思います。
しいて言うなら私たち、浦の星女学院の生徒との繋がりを大切にして欲しいかな、って思います。
『ラブライブ!サンシャイン!!』の世界と助っ人さんのみなさんとを繋ぐ橋渡しになるのが私たち浦女生なので、
一人一人違う『体験する物語』を是非、私たちを通じて、体感して欲しいな、って思います。」
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———最後にこのイベントを通して知った「ぬまづの魅力」はなんですか?
「わたし実はまだ沼津には行ったことがないんです。
このお祭りで助っ人さんや浦の星女学院の生徒を含む、たくさんの人と関わって、
沼津の印象が、単なる『ラブライブ!サンシャイン!!の聖地』と言うだけのものでなく、『海があって山があって、あたたかい人たちがいて、Aqoursがいる』、そんな印象に変わりました。
皆様が本当に沼津のことが好きなんだなっていうのを全身で感じているので、いつか行くときが本当に楽しみです!
行ったことがないのに無責任な言葉かもしれませんが、私は既に、沼津のことが大好きです!」
———このイベントを終えて、また沼津に行くのも、このフェスの醍醐味だと思います。
「狩野川花火大会(沼津の最大の花火大会)とか行ってみたいです!!
浦の星女学院の生徒のみんなを誘って行ってみたいなぁ…。」
———とてもとても、素敵な体験になると思います!!!
5.最後に
ラブライブ!シリーズ自体が、聖地の存在であったり、キャラクターの声優によるリアルライブであったり、作品の世界を「現実」に感じれる体験を非常に大切にしているコンテンツであると思っていますが、この『体験する物語project』は、さらにもう一段階、作品への「実在性」や「没入感」を高められた、まったく新しい「新体験」でした。
そして、よみうりランドを沼津を模して作った空間を仮想体験する『体験の箱庭』などにはせず、「Aqoursが沼津から現実の東京:よみうりランドに来て、そこで沼津をPRするフェスティバルを一緒に作り上げる」というものに参加する、という構図がなんとも面白い体験になっており
よみうりランドのゲートを出た後も「Aqoursと生きていく世界」が続いてることを感じられるような素晴らしい体験だったと思っています。
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物語の仕掛けは、よみうりランドのゲートの中だけでなく、現実の様々なところにも散りばめられていました。
よみうりランドを離れ、東京:神田明神では、「Aqoursぬまづフェスティバルが大成功しますように!」と書かれた浦の星女学院生徒一同の絵馬が飾ってありました。
このように、ゲートを出た後もAqoursを、浦の星女学院の生徒たちを感じれる。体験する前と後で生きている世界の見え方が変わるような素敵な体験をさせていただきました。
ゲートを出て、現実に戻るのではなく。
ゲートを出た後も、我々の世界でも生きる千歌たちを、Aqoursを感じることができる。
そんな『体験する物語』でした。
そして、この『Aqoursぬまづフェスティバル』が、単に体験型イベントとしてだけでなく、現実の「沼津」の素晴らしさを伝えるイベントとしても、素晴らしい完成度で創り出されていたことも、魅力的だった理由の一つだったと思います。
このイベントの後で、参加した人は、必ず「沼津」に行きたくなります。
よみうりランドへのチケットを、今度は「沼津」へのチケットに持ち替えて、出発します。
今年の夏は3年ぶりに、沼津市最大のイベント、『狩野川花火大会』の開催も予定されています。
このイベントで知った『沼津の魅力』を胸に持ち、沼津の夜空の花火を見上げてみるのは、きっと、何ものにも変えがたい素敵な体験になるでしょう。
そして、このイベントの出口は「沼津」だけではありません。
「Aqoursに会いたい!」「Aqoursの音楽を聴きたい!!」という思いが高まった人は、次のAqoursのキャストによるライブ、
『Aqours 6th LoveLive!KU-RU-KU-RU Rock'n' Roll Tour-WINDY STAGE-』に参加し、東京ドームでAqoursの音楽を味わうのも素晴らしい体験だと思います。
TVアニメや劇場版を見返すのもまた、面白いと思います。
この体験イベントを通して高まった「沼津」や「Aqours」、「浦の星女学院」への実在性を経て、アニメのストーリーを思い返すだけで、涙が込み上げる人もいるでしょう。
2期7話の「じゃあ、救ってよ!!だったら救って!!!」の浦の星女学院の生徒の叫びのシーンは、このイベントの後に見返したくなるシーンの一つです。
このイベント内で、我々助っ人は、無数の選択肢が提示され、そこから一つを選んで、自分だけの物語を進んで行きました。
そして、よみうりランドのゲートを出た後でも、一人ひとりの体験の物語は続いていきます。
「沼津」でも「ライブ」でも「アニメ」でも、
いろいろな方法でAqoursにまた、会いに行こう。
そんな気持ちにさせてもらえる、素敵な『体験する物語』。
この体験は、間違いなく、一人ひとりにとってその日、その瞬間にしかない「青春」のひとときでした。