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CYBERロマンスポルノ'20〜REUNION〜感想③



前回の続きです。
日々に忙殺され、更新が滞ってしまいました…。
(その分の僥倖もありましたが、それは後ほど。)


さて、いよいよ最後の感想です。
REUNIONライブの終盤から締めくくりまで、一気にいきます。

ドラマティックな中盤パートを抜け、海底から再び浮上した後半戦では、いまだ忘れられない感動的な演出が私たちを待っていました。

そして、
前回示唆された「円(環)=愛」というテーマへ、近づいていきます。

12.アゲハ蝶
13.Hard Days,Holy Night
14.VS
〜MC〜
15.ハネウマライダー
16.一雫



12.アゲハ蝶
舞台に明かりが戻り、迎えた12曲目は『アゲハ蝶』。もはや説明の必要がない、ポルノグラフフィティの代表曲だ。

聴く度演奏される度に洗練されていくこの曲は、詞に表れている通り、行くあてのない旅人が、砂漠の中に一つのオアシスを見つけられたかのような安心感を与えてくれる。

そして何より感動的だったのが、曲中の演出だ。ライブ開催直前に公開されたティザー映像で「アゲハ蝶も観たくなるライブ」と謳われ、その意味が何なのか話題になっていたが、その解答が、ちゃんと曲中に用意されていた。

つまりは、こうである。

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開催前に、ポルノグラフィティから一つの呼びかけがあった。

「twitterで今回のライブに向けた想いを書いて欲しい。」という内容だった。

それがなんらかの意図を持った呼びかけであることは理解出来たが、まさかその想いが“アゲハ蝶”に姿を変え、LINE CUBE SHIBUYAで待つポルノグラフィティとREUNIONするとは、想像していなかった。この演出に、思わず涙してしまった。

このような状況下で、好きな人に好きな場所で会えなくなってしまっても、心は通わせることが出来る。その紛れも無い事実を、彼らが形にしてくれたのだ。

《“想い”とREUNION》

13.Hard Days,Holy Night
アゲハ蝶で満たされた心を、更に包み込み温めてくれたのは13曲目『Hard Days,Holy Night』だ。

3曲目に星球を演奏していたし、まだクリスマスには早かったことから、聴きたいけれどやらないだろうな…とタカをくくっていたところのニクい演出。

この曲には学生時代に出会っていたのだが、社会人になってからの方が、より歌の世界観に没入するようになった。本当は帰りたいのに、帰れない。言い訳で自分を誤魔化そうとするが、そう上手くもいかない。不器用でピュアな男心を見事に表現し、共感できる大好きな曲だ。

素敵なプレゼントを、どうもありがとう。

《“聖夜”とREUNION》

14.VS
舞台は明るいまま、今のポルノグラフィティを象徴する大切なシングル曲にバトンが渡される。14曲目は『VS』だ。

神VS神で演奏された記憶は新しく、これまでの軌跡を忘れずに、これからも愚直にロックバンドとして歩みを進めていく決意を表した曲だ。決して派手な曲ではないけれど、間違いなく彼らの想いが反映された曲であることは確かで、アゲハ蝶になって運ばれてきた私たちファンの想いを、しっかりと受け止めてくれたんだと感じさせてくれた時間だった。

《“過去と現在“とREUNION》

15.ハネウマライダー
これまで何度も何度もライブでREUNIONしてきたが、間違いなく、今回が今までの中で最高の“再会”だった。15曲目は『ハネウマライダー』、今思い出しても感動が込み上げてくる、また一段と核を上げた名曲だ。
その理由は、ヴォーカル昭仁から紡がれたメッセージにあった。演奏前に、彼はこう話した。

「僕らの“歯車”をキリキリと噛み合わせ回してくれたのは、いつだって君たちだった。そうやって君たちが、いつでも僕らを遠くまで運んでくれるから、まだまだポルノグラフィティは走っていける。」

その言葉に、私は感動と同時に驚きを隠せなかった。だって、私にとって、歯車を回し、背中に乗せ、遠くまで運んでくれるのはいつだってポルノグラフィティだったから。そう思っていたから。

けれど、彼らもまた、私たちに同じ光景を見ていたのだ。私が一方的にわがままに彼らから受け取っていたと思っていた原動力は、巡り巡って彼らのエンジンにもなっていたのだ。

想いが「円」となり、「環」になって連なっていくんだと、そう実感した。

《“君”とREUNION》

16.一雫
そしてついに、本編が終焉を迎える。16曲目、ラストに演奏されたのは『一雫』。

この曲がラストにくるのは予想通りだった。先出の「VS」に収録されているカップリング曲だが、ファンの間でも人気が高く、ポルノグラフィティがファンへの感謝を歌った曲として知られている。

曲中の「時間は距離じゃない」というフレーズが、まさしく一つのメッセージをまとめているなと感じた。時間が費やされただけ、心が離れていくこともない。人と人、心と心の間の距離を時間では測れなくて、いつだって私たちはその距離を近づけることができる。

アウトロの最後の余韻まで一雫も溢さず味わったところで、舞台は一旦の幕を下ろした。

《“私たち”とREUNION》

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そして舞台はアンコールへ。


EN1.REUNION(新曲)
本編だけでもう満たされていたのに、ここに来てとんでもない贈り物が投下された。アンコール1曲目は、新曲『REUNION』。

今回のテーマを冠しているだけあって、その曲と詞には、ポルノグラフィティの今ある全ての想いが物凄い濃度で凝縮されていた。まさに、令和版「アポロ」とも言うべき鮮烈なパワーチューン。デビュー以来一貫して衰えることなく、寧ろ進化と深化を絶え間なく続けてきた彼らだからこそ作り上げられた傑作だ。

全ての歌詞は公式特設サイトに掲載されているが、その中でも、今回私がずっと追ってきた一つの核心に触れる一節を引用する。

指先で輪を作れ
連なって 環を広げよ
波のように押し寄せる
感覚の圧に委ねよ

始まりと終わりが完全な円に閉じられていく

もう、お分かりいただけただろうか。

ここで初めて、私は自分が感じた答えに直接巡り会い、受け取ったメッセージは間違いではなかったことを確信した。

信じられないかもしれないが、このライブの考察を始めて以降は、REUNIONの歌詞の内容までは頭に浮かべられておらず、道中あらためて見返した時に、衝撃が走ったというわけだ。(後々から調べてみると、SNS上でも同じ考察をしている人が散見され、確信に至れた経緯がある。)

つまり、REUNIONでポルノグラフィティが伝えたかったメッセージ(イメージ)は、「輪」であり「環」であり、「円(縁)」だったのではないか。

人生は、あたかも一直線上にあるものだと錯覚しがちだが、実はそうではない、いや、人生そのものだけでなく、その間で起こりうる全ての出来事には「始まり」と「終わり」があって、それがまた次の「始まり」へと紡がれていく。

例えば、普段の生活で何か失敗を起こしたとしても、それが終わりではなく、同時に次の新しい出会いや出来事へのきっかけなんだと。

今置かれている状況だって、ただ苦しいだけじゃない。こうして試行錯誤をしながらも、私たちはポルノグラフィティと再会できて、その再会がまた、新しい可能性を切り開いていくんだと感じている。当たり前のことかもしれないが、中々気づくことのできないテーマと向き合う事ができた。

ちなみに、冒頭にふれた「僥倖」とはこの曲のことで、実は昨日Youtubeにて本曲のライブ映像がプレミア公開されたのだ。更新が滞っていたおかげで、こうしてご紹介できることに救われた。ぜひ、一度ご拝聴を。

《“REUNION”》

EN2.ジレンマ
さて、正真正銘ラスト1曲、これはもう多くを語る必要はないだろう。彼らの代名詞である『ジレンマ』だ。

インディーズ時代から歌い続けられているこの曲、やはりこの曲ほど、「あ、この場所に帰って来れたんだ。」と実感できるものはないだろう。最後はバカになって、アホになって、たくさん騒いで、また明日から生きていく活力を貰って、自信持って、胸張って歩を進められそうだ。本当に、本当に、ありがとう。

《“ポルノグラフィティ”とREUNION》




当初の想定以上に長くなってしまいましたが、ようやく終了です。

自分で書きながら、あらためてポルノグラフィティの凄さと綿密に練り上げられた今回のライブの奥深さを再認識することができて、とても楽しかったです。

ポルノグラフィティが好きな人もそうでない人も、少しでもこの記事をきっかけに、大切にしている人や想いにREUNIONして頂けると本望です。


それでは、また。
ありがとうございました。


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