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2023→2024に関する雑文(年間ベストとか、『ファスト教養』周りの話とか)

ここ数年noteにまとめていた個人年間ベストですが、2023年はツイッターの長文ツイートにて書きました。最近リンクを貼ったツイートがフォローしていただいている方のタイムラインにどう表示されるのか全然読めず…

詳細は上記ツイートを辿っていただければと思います。2023年は本当に忙しくて音楽を聴く・新しいものを自主的に掘る絶対量が減っていた気がしますが、それでもなんだかんだでいろいろな音楽を聴けました。ただ、そういう総論的ななことより、自分にとっての2023年は「ミスチルとスピッツを上位2つに置くことができる」という惑星直列の1年でした。10年近くミスチルの活動に???という気持ちだったので、まさかこんなことが起こるとは思わなかった…

徐々に「ミスチルとスピッツ」という並び自体の意味が理解されないケースも増えてきているように思います。90年代半ばのJポップを体感してない人からすれば、後世への(顕在化している)影響力も存在としてのフレッシュさも全く違うこの2つのバンドがなぜ並列なの?という。この辺はそのうちどこかでまとめたいですね。

「この辺はそのうちどこかでまとめたいですね」と書きましたが、2023年を客観的に振り返ると「音楽に関する発信量が大きく減った1年」でもありました。名前の出る原稿や個人的に書くブログ記事など、これ系の活動を始めてから最も少ないのでは。

この背景には前述の通り2023年が日々の生活で忙しい年だったいうのもあるのですが、それ以上に『ファスト教養』起点での引き合いが増えたのがでかいです。もはや「"音楽"ライター」としての自分をご存じない方もそこそこいるのでは…という何とも言えない気持ちになることもしばしば。あの本の5章で書いた『はな恋』やAKB48などに関するカルチャー周りの話に自分の出自についての矜持が込められているのですが、「ビジネス書」的に『ファスト教養』を読んでいる人の感想や要約の多くがそういった内容をほぼ全無視しているのがなかなか興味深いです。そこに橋を架けたいですよねほんとは。

2月に新書大賞に選んでいただき(秘かにもっと上の順位を狙っていました!!)、そういうのもあって2023年を通じてまだ読んでいただけている感触があります。どちらかというとフロー型のフォーマットでもある新書で小さいですがロングセラー感のあるものを書けたのはとても嬉しいです。と同時に、ここで書いたことが悪い意味で射程の大きな話で、下手するとさらに悪化していきそうということでもあると思うので、手放しには喜べることでもないなと。

自分としては、まずは「本当は話が分かるはずなのに時代の空気に飲まれて正常な判断力を失いそうになっている人たち」を意識しながら、こういう世の中の流れに少しでも冷や水を浴びせていきたいと思っています。2023年やっていた連載『成長の世界史』とイミダスの原稿はそんなことを意識したものです。

※(ちなみに上記イミダスの特集に載っているアカデミズム側の人たちの教養に関する対談内容は完全に『ファスト教養』の話とシンクロしているのですが、言及は一言もないのが面白かったです。他にもある学者の方が『ファスト教養』と全く同じ論旨の記事を(以前『ファスト教養』を読んだとツイートしていたにも関わらず)やはり言及なしで書いていたものを見たこともあり、アカデミズムがいかに一般書を無視・軽視しているかがよくわかった2023年でした。)

もともと音楽に関する文章を書き始めた時も、「音楽そのものについて語りたい」ということ以上に「音楽を介して社会のあり方について言葉を残したい」というモチベーションの方が大きかった気がするので、そういう意味で今の自分の展開も一貫しているとは言えます。『ファスト教養』を経て「ビジネスとカルチャーの狭間」という大きなテーマに対する問題意識が改めて言語化できたので、2024年も引き続き追いかけていきます。ここに近いテーマで「こういうの書けませんか?」がありましたらお気軽にお声がけください。

ブログを書き始めたのが2012年、外部媒体に初めて寄稿したのが2013年なので、気づけばこの活動も10年以上、下手したら干支ひと回りになってきてしまいました(長く読んでくださっている方、本当にありがとうございます)。流れに身を任せているうちにこの感じになったとしか言いようがないので、引き続きそのスタンスでやっていければと思います。というわけで2024年もよろしくお願いします。

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