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アメリカでの山火事経験からわかった自然災害への備えと国民性

こんにちは、インターンのナオです!

今回はアメリカ留学中に体験した山火事についてお話をしたいと思います。


日本にいると、山火事ってあまり経験することがないですよね。

カリフォルニアではけっこう頻繁に起こる自然災害なのですが、私が体験した山火事は過去大規模のもので、日本でも報道されました。

2018年11月、カリフォルニア州ビュート群で起こった Camp Fire と呼ばれる山火事です。BBCでも取り上げられています。


突然はじまったパニック

あの日は木曜日でした。1限からの授業があった私は、7時ごろに寮を出ました。空からは灰のようなものが舞っていました。それ自体はたまにあることだったので、まさか大規模な山火事が起こっているとも思わず、普通に過ごしていました。

授業が終わった後です。いつものように次の授業まで図書館で勉強をしていたところ、図書館の事務員の方が「もう学校閉まるから全員バス停に行って!」と叫びました。突然のことにみんな大パニック。私も何が何だかわからず、とりあえずバス停に向かいましたがすでに大混雑、バスはしばらく来ませんでした。

学校はこんな感じでした。

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写真の奥で黒い煙が漂っているのがわかります

この時はまだ何が起きているのかもわかりませんでした。その後、バス停で友達と会ったときに山火事が起きているのだと知りました。


避難と混乱

やっと来たバスに乗ると道は大渋滞、いつもは30分弱で帰れる道に3時間もかかってしまいました。

原因は、避難渋滞

被災地の近くに住んでいる人や、友人や家族を頼れる人は、とにかくみんな車で避難をしていました。

避難所として教会なども用意されてはいましたが、避難所にいくのは被災して家がない人、頼るツテがない人ばかりのようでした。

日本のように危険が迫ったらみんなで決められた避難所に集まる、という雰囲気ではありませんでした。

あくまでも自己判断、自己責任。そうした意識が徹底されているように思えました。


そしてアメリカは公共交通機関がどこでも充実しているわけではありません。私が住んでいた都市チコや大都会のロサンゼルスでさえも、電車はほとんど通っていません。

逃げる手段が自家用車しかないというのも大規模な交通渋滞を引き起こした原因です。


その時のバスの様子とバスから見えた景色の様子です。

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外の煙がすごいですよね、、、
みんな That’s crazy! と言ってました


そして空の様子。

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午前11時くらいでこの暗さです


さらに一番驚いたのが太陽!!
なんと真っ赤でした。。。

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そして地面にうつる影も赤!!!!

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山火事が去ったその後

私が住んでいたチコは2週間近く灰が舞っていて、外を出るときはマスクをしなさいと言われました。コロナ以前はマスクをする人なんて誰もいないアメリカでそう言われたので、どれだけ大惨事かわかっていただけるかと思います。

幸い、学校があるオーロビルという都市はギリギリ火の手を逃れました。しかし道路を一つ挟んだところは丸焦げ、、、本当に危なかったです。この後、学校は約3週間休みになってしまいました。ちょうどサンクスギビング(感謝祭)の前だったので、とても残念でした。


防災と国民性

山火事が頻繁に起こるカリフォルニア。実際に体験してみて驚いたのは、現地の人に避難用のバックを用意したり対策をしたりといった様子がまったく見られなかったことです。

では、被災してしまったらどうするのかというと、みんな教会を訪ねて寄付品や衣服、生活用品をもらっていました。キリスト教の国アメリカは、隣人愛精神が強いので、こういう時に寄付がたくさん集まります。

また、被災地に住んでいた生徒のなかには、家が燃えてしまい、精神的に学校に来れなくなってしまう人も多くいました。

驚いたのは、そういった生徒たちには先生が1対1でビデオ通話等によるオンライン授業を提供していたことです。その柔軟性は素晴らしいものだと思いました。

学校から少し離れたパラダイスという地域はもう大変で、家が燃えてしまった人も多く、この山火事以降、学校に来られなくなる人、オンラインで授業を受ける人が増えました。

山の近くに住んでいて、もしかしたら風で火が移ってくるかもしれない、と心配をしている人は、少し離れたホテルでしばらく避難していたほどです(お金持ちに限ります)。

ここでも、アメリカ人は避難手段として、教会などの "避難所" へ行くという選択肢はあまり考えていないようでした。


こんなに頻繁に起こる山火事ですが、実は対策できることがあまりないそうです。

カリフォルニア州は毎年、大きな予算を山火事「防止対策」にとっており、今やカリフォルニアの消防本部は世界最大で、かつ消防ヘリなどの設備も最新鋭だ。今年もブラウン知事は約1000億円の予算をあてていた。危険地区の伐採などに使うが、しかし伐採は極めて高コストであり、また伐採対象となる樹木は、残念ながら商業価値が低いものばかりだと同紙は報じている。

カリフォルニア州立大学のドン・ハンキンス教授によれば、実効性が最も高いのは、伐採の代わりに事前に区域火災を起こして、延焼を防ぐことだという。

しかし空気を汚すことはカリフォルニア人が最も嫌うことのひとつだし、消防士が取り囲みながら燃やすというわけにもいかず、万が一にもそれが大火災の原因になってはと恐れられてなかなか実行されない。なので、実際には、連邦管轄の森林でのみ実行され、州管轄の森林では実行されないというちぐはぐさが起きている。

毎年起きるカリフォルニアの山火事、なぜ備えができないのか?
( Forbes Japan ) より


温暖化によって平均気温が上がり乾燥地帯が増えていくことで、今後さらに事態が深刻になっていくことが予想されます。

2020年もカリフォルニア州で大規模な火災がありました。オーロビルというまたとしてもビュート群付近での発生で、とても心配になりました。。。


自然災害の種類も、その対策や対応の仕方も国によって様々です。

日本のように事前に入念に想定し対策を考えている国ばかりではありません。もし海外にいったときに被災したら、それがアメリカのように自己判断や自己責任を重んじる国だったら、最悪の場合、命にかかわってしまいます。

海外へ行く際には、その国で起こる可能性の高い自然災害や必要となる対策について事前に調べておくのもいいかもしれませんね。

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