大型ホテル案件とクソやろう#1
こんにちは。
株式会社REGATEの金城です。
本日のドキュメントは
まだ私が宅建を取ったばかりで賃貸の営業しかさせてもらっていない時のお話。
稚拙な私の営業のせいで、今でもお世話になっている大企業の会長さんに迷惑をかけてしまったと言うお恥ずかしい思い出の話です。
私のnoteは同業さんがたくさん読んでもらえているみたいなので、誰かのケーススタディになればいいな〜という思いをこめて書きます。
あ、もちろんいつもの通り胸糞悪くなることだけはご期待ください♪
ではど〜ぞ〜
◆プロローグ
宅建を取得し東京で賃貸営業をやっていた時、ある大企業の会長の息子さんのお部屋探しを手伝うことがあった。
息子さんとはいえ二つの会社を経営する社長だ。
時間が無いにも関わらず私のへたくそな仲介営業にお付き合いいただけたのは今思い出しても感謝しかない。
右も左もわからないペーペーの私。
その時に息子さんの物件をどうしても決めようとあの手この手で東奔西走してどうにか賃貸の契約をしていただくことができた。
今思うととんでもなく厳しい条件の賃貸物件探しだったが、なにもわからない私はとにかく一生懸命に走り回ったのを覚えている。
そのあくせく働く姿勢に感銘を受けたらしく、息子さんが父親である会長を紹介してくれて、そこから会長と息子さんの関連会社さんの賃貸契約をお手伝いしたり、新規事業のテナントを探したりと綿密なお付き合いをさせていただいていた。
会長と息子さんのグループ会社の賃貸案件は従業員さんのお部屋探しなども含めてほとんど私を通してくれるようになり、私の営業成績も営業としての実績も経験もぐんぐん伸びていった。
そんな折、嫁さんがおめでたをしたのをきっかけに沖縄に戻ることが決まった。。。
今回の物語はここから始まります。
◆転職先
息子さんと会長に挨拶をして東京を離れることになったが、会長が手がけるホテル事業が沖縄にもたくさんあるとのこと。
今後も何かあれば連絡をして情報共有をしましょう。と一旦のお別れとなる。
幸いにも宅建を持っていると言うことと、賃貸の営業経験があったので転職先はスムーズに見つかった。
転職先はとある賃貸管理会社。
そう。この会社は前回出てきた近藤係長が在籍する賃貸管理会社だ。
近藤係長がどんなヤツかわからない人は以下のリンクをお読みください。
無料部分だけでもどんな人物かがわかると思いますw
↓タップ
管理はつらいよ・・・パート2
東京で積み上げたノウハウとは全く違う沖縄の不動産事情。
まずは慣れるためにと3ヶ月間の使用期間が設けられたが、そこそこ要領のいい私はそつなく案件をこなすことができるようになっていた。
そんな使用期間が終わりに近づいたある時、社長の一存で沖縄で初めての開催となる賃貸住宅フェアという催しに参加することが決定した。
宜野湾市のコンベンションセンターで行われる二日間のイベント。
通常の営業をしながらブースのセッティングや販促品の用意など社内は盆と正月が一緒に来たような慌ただしさ。
賃貸営業と賃貸管理の両方をこなしながら新人としてイベントの準備などに明け暮れる日々。。。
かたや定時で帰宅する近藤。。。
まだ新人であまり関わってもいなかったが周りの人に対する態度と先輩方の評判からクソであることは認識していた。
賃貸管理の仕事は全部部下に丸投げ。
自分は歩合が大きい売買の仕事のみやるといういいとこどりの仕事っぷり。
それでも社長に対する社内営業はうまい近藤。
連日太鼓持ちをしながら社長と飲み屋を渡り歩いているらしい。
そういう長いものにまかれる社畜根性は私が最も見習わないといけない姿勢なんだと思うが。。。
脱線しそうなので戻ります。
連日の深夜残業。
残業中は先輩方の近藤への愚痴で満載www
私はその先輩方の愚痴を聞きながら社内の人間関係を把握していた。
どうやら社長もあまりよろしくない人物らしい・・・
ま、「警戒しながら距離を取れば大丈夫だろう」とタカを括っていた。
◆フェア開催と再開
連日の残業の甲斐あって賃貸住宅フェアは順調な滑り出しを見せる。
他社よりも目立つブースで来客もまずまず。
社長と近藤からは「新規の顧客開拓のチャンスだ!全員死ぬ気で来客を取り込め!」という命令が下された。
目まぐるしく動く人。人。人。。。
人でごった返す会場の中、見覚えのある人影が。。。
会長だ。
目が会うと会長はにこやかに応じてくれる。
「お久しぶりです!なぜ沖縄にいらっしゃるんですか??」
「ん?沖縄のホテル事業の視察も兼ねてきてみたらこんな催しがあると聞いてね。にしても金城くん頑張っているみたいだね」
会長は大きな手で肩を叩いてくれる。懐かしい。
「ところで社長とか上司はいるのかな?」
「え?居ますが・・・」
「どれ挨拶させてもらおうか?」
「あ!はい!お待ちください!」
ブースの後ろで時間を持て余してスマホをいじっている社長を見つける。
「社長すみません!自分が東京でお世話になっていた会社の会長がご挨拶したいと言うんですがお時間よろしいですか?」
「おお、構わんよ」
会長の元に社長を合わせると名刺交換を済ませて会長はその場を後にする。
会長の名刺を受け取った社長は目の色が変わっている。
「おい!金城!なんでお前があの人を知っているんだ??沖縄でも有数のホテル事業をやっている超大物じゃないか??お前みたいなヤツが相手されるような人じゃ無いぞ!」
“お前みたいなヤツ〜”は余計だろバカ。
冷めた気持ちを押し殺して愛想笑いを作る。
どうやら会長は沖縄の不動産業界にも名が知れ渡っているらしい。
「あ!近藤!お前例のホテルの物件資料持ってきているか?」
社長が近くで暇そうにしていた近藤を呼びつける。
「はい。車に戻ればあると思います」
「すぐに持ってこい!あと金城!お前その資料を会長に見せてこい!」
近藤が戻ってきて渡された資料は100室くらいのホテルの売り情報。現在は休館していて運営されていないが売買価格は10億を超えている。
沖縄の企業ではなかなか買い手がつかずに近藤も半ばほったらかしにしていた案件らしい。
「これ持っていけ!あと2億くらいは値下げできるからそれもアピールしてこい!」
社長は意気揚々という感じ。
売買のことはあまりわからなかったが言われるままに会長の元に駆け出す。
人混みの中だが会長の独特なオーラのおかげですぐに見つかった。
「会長!お忙しいところすみません!これ弊社で扱っている物件ですがご興味ありますか?」
「ん?ほ〜。面白いね。場所も悪くないし系列のホテルのすぐ近くだ。連携すればすぐにオープンさせられる。少し調査をしないといけないがな」
「あ!では担当の係長をお呼びします!売買の件は私はまだ触らせてもらっていないので・・・」
「いや、せっかくなので金城くんを窓口にさせてもらうよ。社長さんにも名刺を渡したがいい効果があっただろう?この案件も金城くんが決めたとなれば社内でも評価があがるだろうし」
にっこりと微笑む会長。
会長はわざわざ私のことを案じてくれて社長に挨拶をしてくれたらしい。
さらにこんなに大きな案件の窓口を任せくれるなんて。。。
「ありがとうございます!でも一応は担当の係長に声をかけておきます!」
「うん。この物件は買うつもりだから一週間ほど押さえておいてもらえるかな?設備や諸々の調査をしたい」
「はい!」
私の初めての売買案件が生まれた瞬間だ。
しかも10億越えの案件。
何をするかもわからないから近藤の指示に従いながらやるしか無いが、ここまで会長が私を思ってくれていることが何よりも嬉しかった。
「近藤係長。あのホテル買うらしいです。調査をするから一週間くらい時間をくれと言われていますが可能ですか?」
「は?あの爺さんが?マジかよ!ラッキー♪よし!お前の好きにしろ!売れないと思っていたしな。直接俺がやりとりしてもいいけどお前のお客さんならお前に任せるよ。オーナーさんには俺から話しとくわ」
でた、また丸投げ。。。単純にお客さんとのやり取りが面倒なだけだと思うが逆に好都合だ。
会長も私を指名してくれているし。。。
ここまでの経緯を社長にも説明。
「よし!金城!近藤と連携して頼むな!大きい案件だからちゃんと教えてもらえよ!近藤!絶対決めろよ!」
大型案件が決まりそうで社長もご機嫌だ。
まさかの売買案件の滑り出し。
だが売買の経験もない俺にこんなに大きな案件の窓口が務まるのか?
さまざまな不安が入り混じるが持ち前のフットワークでどうにかやろう。
絶対に決めてやる!
◆現地視察隊
賃貸住宅フェアが終わった日に会長とホテルの現地視察に行くことになった。
近藤は「俺は忙しいからお前一人で行ってこい」と相変わらずの丸投げ。
ホテルの設備や建築時の図面など一式を手渡された。
通常の不動産の物件資料の10倍くらい分厚い冊子を渡される。重い・・・
ホテルの駐車場で待っていると会長ご一行が到着。
ホテル事業の役員や設備の点検業者、あと息子さんも同席してくれた。
立地、室内の状態、設備の具合など細かいところまで見ては図面をチェックしながらの案内。
会長も社長も役員さんも流石にホテル事業のプロ。
私がみてもよくわからない分厚い図面を精査し色々と討論を繰り広げる。
会長が口を開く
「金城くん。これ買いますから話を進めてください。
ただ、休館の期間があって設備が傷んでいるみたいだから1億ほど値下げの交渉ができるか聞いてもらえるかな?何か買い付けとかの書面持ってきている?」
「あ!はい!確認してみます!」
その場で近藤に電話をする。
「おお〜♪やるね〜♪いいよ!1億なら確実にオーナーを納得させられる。
でも即答はするな!一回持ち帰って交渉してくるって答えとけ!
書面?いいよ要らん!どうせ沖縄の業者が買える物件じゃないし」
こいつ。。。本当に色んな人を不快にするし舐めているよな。。。
沖縄の業者も買うかもしれないじゃん?書面も不要?ま、専任だから大丈夫だとは思うけど。。。
売買の経験がない私でも当初に2億までは下げれると聞いていたからこの1億の減額交渉は容易だとわかる。
もう契約成立が見えてきた。
「会長。一度持ち帰って売主様と交渉をしてくるそうです!できるだけ早めに答えをお持ちします!あと書面などは不要と担当が言っています!」
「うん。そうか。よろしく頼むよ。
金城くんには話すけどもし1億下がらなくても買うから安心していいよ。明日から詳細の設備のチェックをしたいから敷地内に業者を入れてもいいかな?」
おお〜!確定フラグ成立♪早速近藤に追加調査の連絡。
「あ?別にいいんじゃない?空いているから勝手に入ってもらって。キーボックスのナンバー教えておいてもいいよ」
うわ〜。適当にもほどがある。大丈夫かこいつ?かなりの高額の案件だぜ?
俺がオーナーなら絶対にこいつに任せたくないな。。。
気を取り直す。
「会長!業者さんの追加調査の承諾をもらえました!担当が交渉を進めて早めにお答えすると申しています!」
「うんうん。ではそのようにお願いします。
金城くん。こういう大きな案件は丁寧に且つスピード命だからね。私もできるだけ早く動くから。」
とことんありがたいお言葉www感謝しかない!
東京でのご縁が沖縄の10億越えの仲介を成立させるなんて。
そうなれば善は急げだ。
近藤の適当さに不安を覚えながらも会長の厚意を無駄にしないように全力で取り組む。
賃貸の営業や管理の仕事も並行してやるから残業が増えるが構わない!
絶対に決めてやる!
三日後。
会長から連絡があり物件の再調査もほぼ終えることができて大きな問題はないとのこと。
「近藤係長。そろそろ会長に減額の返答をしてもいいですか?」
「ん?あ〜・・・ちょっと待ってな。社長と話してくるわ」
・・・・?
なんだ?なんか嫌な予感・・・・
数分後。
「あ〜金城!悪ぃ。今回の件なしね。断っといて〜ははは」
・・・・・・・。
え??!!!
は〜〜〜〜〜??????
お前。。。。
は〜〜〜〜〜??????
何言っているの???
長くなったので続きは次回。
次回予告
近藤と社長に死を。。。
です!
乞うご期待w
では〜
HPでは不動産に関することとか沖縄の不動産あるあるについてのコラムを公開しています!
ご興味がある方はそちらもお読みください♪
沖縄不動産あるある→REGATEコラム
不動産テックのこととかそんな感じ→REGATEコラム